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2025年4月14日付 3021号

「強い決意で構造改革」 料金適正化などで2030年度の経営目標達成 インタビュー SBSホールディングス(株)・鎌田正彦社長

 ――長期の経営目標は。

 「2030年度の連結売上高目標7千億円以上」を掲げており、国際物流の強化や料金の適正化などによって実現できると考えています。利益面については、本年度「強い決意で構造改革を進める」と宣言しており①倉庫の空き坪解消に向けた営業強化②共同配送の促進③最適な人員構成への見直し④大口顧客を中心とした料金適正化の徹底―などを早期に実現します。

 物流事業での利益率は、現在は2・2%となっており、食品関連などではさらに低い水準にあります。今後は、庫内オペレーションの改善をはじめとする生産性向上などを通じて、2030年までに4・5%まで引き上げる考えです。

 ――荷主への運賃・料金の値上げ要請については。

 メーカー関連の荷主には一定の理解が得られているものの、協力会社に対する支払いの引き上げ原資に回っている状況です。小売業などは、値上げに応じてもらえる余地が小さいのが実情です。
 
記事全文は電子版から。

価格転嫁や賃上げに向けトラック業界に要請 全ト協の坂本会長らに 中野国土交通大臣

坂本全ト協会長(右)に要請文書 を手交する中野国交大臣(左)

 中野洋昌国土交通大臣は8日、坂本克己全日本トラック協会会長らに対して、トラック運送業界での価格転嫁や賃上げに関する要請を行った。

 要請は東京都千代田区の国土交通大臣室で行われ、全ト協からは坂本会長のほか、杉山千尋・馬渡雅敏両副会長らが出席。

 冒頭に中野大臣が重要な生活インフラである物流を支えるトラック運送業界に感謝の言葉を述べた上で、政府一丸となって必要なコストの運賃への価格転嫁や、トラックドライバーの賃上げ実現に向けた環境整備に取り組んでいることを説明。坂本会長らに対しては、現在国会で改正に向けた審議が進んでいる下請法の新たなルールについて、業界への周知を進めるとともに、成立・施行前から積極的に対応を進めるよう求めた。

 また、下請け多層構造の影響により、実運送のコストを賄うことができないような商慣行の見直しや、「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を踏まえた積極的な価格交渉の実施、運賃が上がった場合にはドライバーの賃金引き上げに反映させることなどを要望した。

記事全文は電子版から。

今週掲載トピック一覧

  • ☆インタビュー-SBSホールディングス株式会社・鎌田正彦社長
    ☆運輸労連と交通労連の春闘妥結状況(4月10日現在)

  • ☆NX総研、国内貨物輸送量は2024・25年度ともにマイナスで4年連続の減少になると予想
    ☆日本通運がタイガー魔法瓶などと共同で高性能保冷器材を開発、大阪・関西万博で飲食店等への保冷貨物輸送に活用
    ☆佐川急便などが青梅市で4回目のドローン物流実証実験、社会実装に向けた検討を引き続き推進
    ☆西濃運輸、岡山支店と倉敷営業所の2拠点を統合し「新岡山支店」を2026年10月に竣工
    ☆国交省、6月6日を期限に2025年度「モーダルシフト等推進事業」の公募開始
    ☆経団連が2023年度CO2排出量実績を公表、運輸部門は前年度比2・8%増と増加に転じる
    ☆省エネ法に基づく事業者クラス分け評価制度、日本通運などが最高位の「Sランク」を獲得
    ☆福山通運、タイのフォワーダーRenown Transportの発行済み株式60%を取得し買収
    ☆三井倉庫HDの古賀博文グループCEO、米トランプ政権の関税政策受け従業員向けにメッセージ発信
    ☆ヤマト運輸、大阪・関西万博開催に合わせ関西エリアにおける「手ぶら観光」の取り組み紹介
    ☆日本郵政、トナミHDの株式公開買い付けが成立し議決権所有割合は87%に
    ☆SGムービング、家電製品協会創立50周年記念表彰で「家電リサイクル事業功労賞」を受賞
    ☆三井倉庫HD、物流センターで化粧品製造業務の品質向上目的に「AI画像検査機」を導入
    ☆国交省の「物流拠点の今後のあり方に関する検討会」が報告書、基幹物流拠点の整備に対する関与や支援の必要性指摘
    ☆JR貨物が伊藤直彦元社長の「お別れの会」、物流業界などから多数が参列し故人をしのぶ

今週のユソー編集室

  • ▼米トランプ政権による相互関税の第2弾が、日本時間の9日午後に発動した。株価はその前後に乱高下し、世界中が混乱に陥った。
    ▼その後の流れから、「トランプ関税」が外交交渉に向けたカードだということが明らかになりつつあるが、一方で米中対立の激化や自動車関税の行方など、今後の動向はなお不透明な状態にある。
    ▼懸念されるのは、日本の物流業界に与える影響だ。国内人口が減少する中で、成長への活路をグローバルに求める物流企業は多く、サプライチェーンを破壊しかねないトランプ関税は最大級のリスクになる。日本政府は早期に交渉に臨むとしており、今後の動向に大きな注目が集まっている。

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