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2025年4月7日付 3020号

標準的運賃と比較して7割以下が過半数 引き続き課題に 全ト協24年問題調査

 全日本トラック協会は3月31日、物流の2024年問題対応状況調査の結果を発表したが、運賃・料金が上がったとする回答が多かった一方で、標準的な運賃の水準には届いておらず、引き続き課題と捉えている事業者が多いことが分かった。

 調査はインターネットで行い、運送事業者2973社(調査期間は昨年11月~今年1月)、荷主企業3601社(同昨年11月)から回答を得た。

 運送事業者については、約7割が24年問題の影響が「ある」と回答。良い影響では「運賃・料金の引き上げ」68・5%、「ドライバーの労働時間・拘束時間削減」45・8%をあげる声が多く、悪い影響では「運送コスト増加」46・8%、「ドライバーの採用が困難になった」41・2%などの声が多かった。

 運賃交渉では7割超が半数以上の発注者と交渉に臨み、何らかの引き上げにつながったケースは約9割に達した。運賃のアップ率は「5~10%未満」が50・3%、「5%未満」が31・6%となっている。標準的な運賃と比較した運賃水準は、7割以下が全体の54・8%と過半数に達している。
 
記事全文は電子版から。

AIを活用した出荷予測サービスを開始 物流ウェブアプリで 日本通運

 日本通運は3日、D2C(Direct to Consumer)向け物流ウェブアプリ「DCX(デジタル・コマース・トランスフォーメーション)」で、AIを活用した出荷予測サービスを新たに開始した。

 在庫管理を委託している顧客に対し、蓄積された過去の出荷データをもとにAIを活用してアイテムごとの月別出荷数量を短時間で予測することが可能。加えて「DCX」のオプションメニュー「Business Insight」を活用し「エリア別の出荷状況」「期間別の在庫量」など、必要なデータをサブスクリプション(定額課金)サービスで販売やマーケティング分析に利用できる。

 出荷予測サービスでは、最大3ヵ月先までの出荷数量を上限から下限までの3パターンで予測することができる。

 さらに、過去のセールやキャンペーンなど予測における「例外値」の除外や対象の納品先の特定など、さまざまな視点から予測精度の改善や検証を行う仕組みも設けている。

今週掲載トピック一覧

  • ☆物流大手各社の新入社員入社式トップ訓示(要旨)
     NXHD・堀切智社長    目標実現の主役に
     ヤマトHD・長尾裕社長   堅実な思想と礼節を
     JR貨物・犬飼新社長    主体的な行動を
     西濃運輸・髙橋智社長    世界の見方は多様
     トナミ運輸・髙田和夫社長  アンテナを広げて
     KWE・鳥居伸年社長    「志」具現の計画を
     SBSHD・鎌田正彦社長  夢を追い続け成長
     三井倉庫HD・古賀博文社長 One三井倉庫へ
     三菱倉庫HD・斉藤秀親社長 パーパス常に胸に
     第一貨物・米田総一郎社長  生産性と利益率確保へ
     丸運・中村正幸社長     「利他自利」精神で
     鴻池運輸・鴻池忠彦社長   アジャイルな挑戦を

  • ☆セイノーHD、ベトナムITLグループの物流企業に出資し同国全土で特積み輸送を展開へ
    ☆西濃運輸が宮城県亘理町に「仙台南支店亘理物流倉庫」を開設、荷主である住化積水フィルム向けの専用倉庫として活用
    ☆WebKIT成約運賃指数、2025年3月は143で同月最高値更新し45ヵ月連続で前年同月超え
    ☆日本郵政グループが新社長会見、日本郵便社長に就任する小池伸也常務「カバナンス強化が最優先課題」と強調
    ☆国交省、2024年度補正予算による「商用車等の電動化促進事業(トラック)」の公募開始
    ☆NX商事が大阪湾で東洋建設にバイオ燃料の供給開始、東京湾以外での供給は初の試み
    ☆センコー、千葉県市原市の「京葉PDセンター」内に危険物倉庫3棟と屋外危険物貯蔵所を増設
    ☆センコーが群馬県玉村町に「高崎第2物流センター」を開設、運営は関越センコーロジに委託
    ☆トナミ運輸、奈良県大和郡山市にある営業所と流通センターを集約し天理市に「新奈良事業所」を開設
    ☆JR貨物が2025年度事業計画を発表、篠部常務「かなりチャレンジングな設定だが、何としても達成を」と強調
    ☆JR貨物、安治川口駅で大阪・関西万博開催を記念し「鉄道コンテナリレー到着式」を開催
    ☆SGHDグループ入社式、栗和田会長が467人の新入社員に「新しいことに果敢に挑戦を」と祝辞
    ☆ロジスティード入社式、中谷CEO「経営スキル身に付け、会社全体を支える人財へ成長を」とエール送る
    ☆福山通運がグループ入社式、小丸社長「創業者の『謙虚に本質を見極め』の言葉を胸に挑戦し続けて」と強調
    ☆三井倉庫HD、輸出業務を支援する「LVL船積手配管理サービス」を三井化学物流部に提供
    ☆センコー、杉本健司社長が辞任し大越昇専務が1日付で社長に就任

今週のユソー編集室

  • ▼「夢」「志」「多様」「One」「堅実」…。これらは、4~5面で伝えているとおり、物流企業の入社式で経営トップから発せられた言葉の一部である。
    ▼自らの信念や経験を語ったものもあれば、仲間入りする社員たちへの期待を込めた言葉もあり、各企業の文化や経営者の考え方が伝わってくる。新入社員のみならず、われわれ社会人経験者の胸にも迫って、「初心を忘れてはいないか」と問いかけてくるものも少なくない。
    ▼今後、物流業界で活躍する中で、悩みや不安、課題に直面することも多くあるに違いない。そんな時、入社式で経営トップから贈られた言葉の数々が、良き心の支えになるものと信じてやまない。

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