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2025年3月31日付 3019号

規制的措置の判断基準等で初版解説書を公表 トラック事業者・荷主それぞれに 国交省

 国土交通省は27日、あす4月1日に施行される新物流二法に基づく規制的措置などに関する解説書(初版)をホームページ上に公表した。トラック事業者向けと荷主向けがあり、物流効率化のために取り組むべき措置に関して国が策定した判断基準の内容などについて解説している。

 いずれの解説書でも、主務大臣が定めた基本方針のうち、「貨物自動車運送役務の持続可能な提供の確保に資する運転者の運送および荷役等の効率化の推進の意義および目標」については、安全の確保を前提に、荷主・物流事業者・施設管理者をはじめとする物流に関わる多様な関係者が協力して①運転者の荷待ち時間等の短縮②積載効率の向上等③関連する施策への貢献―を達成すべきと説明。①では1運行当たりの荷待ち時間等が全国平均で合計2時間以内となるよう荷待ち時間等を削減する必要があるとした上で、荷待ち・荷役等時間の算定方法について、「起算点の場合分け」や「荷役等に該当する業務」について、表や荷待ち時間等の計測イメージ図などを交えて詳細に説明している。

 積載効率の向上については、「運転者一人当たりの一回の運送ごとの貨物の重量の増加」の例として、◎輸送網の集約◎配送の共同化◎復荷(帰り荷)の確保◎配車計画や運行経路の最適化◎運送ごとの貨物の総量の増加―などを挙げ、イメージ図や実現に有効なシステム、必要な検討の内容などについて説明している。

記事全文は電子版から。

M&A2社のシナジー発揮の果実生む3年間に 中期経営計画を発表 SGHD

左:松本社長 右:栗和田会長

 SGホールディングスは27日、2025~27年度の3年間を期間とする中期経営計画「SGH Story 2027」を策定・公表するとともに、30年度を見据えた長期ビジョンの目標数値を更新した。

 同日、都内で会見した栗和田榮一会長は「物流企業として求められるサービスを、少子高齢化が進む日本において、温室効果ガス排出削減目標を達成しながら守り抜くことが当社の使命」と語った上で「C&F社とモリソン社への投資によって、当社グループが社会インフラであり続けるための大きな柱はおおむね備わった。これからは社会インフラを維持するための投資と、株主・従業員・パートナー企業への還元を実現したい」と強調。

 松本秀一社長は「次の3年間のなるべく早い時期に、2社への大きな投資がキャッシュという果実を生み出すよう育てたい」と意欲を示し、「米中対立などのリスクはあるが対応は可能。中計目標達成の確度は相当に高い」と自信をのぞかせた。

 新中計では、長期ビジョンで掲げるありたい姿『お客さまおよび社会において、必要不可欠な存在、(=インフラ)』の実現に向けて『トータルロジスティクスの高度化とグローバル物流の基盤拡大』を基本方針とする。

 重点戦略には◎宅配便のサービス競争力の拡大と効率化による収益基盤の強化◎低温物流ソリューションの拡大による国内屈指のコールドチェーン構築◎国内ロジスティクスの付加価値向上とTMS事業領域の拡大◎グローバル物流の顧客基盤拡大と収益性向上―など9項目を設定し、それぞれ細かく目標数値を設定した。

記事全文は電子版から。

今週掲載トピック一覧

  • ☆主要物流企業の2025年度新卒新入社員数一覧
    ☆運輸労連の2025春闘妥結状況(3月28日現在)

  • ☆西濃運輸、埼玉県伊那町に環境認証取得の先進的な物流施設「桶川伊奈物流倉庫」を4月1日オープン
    ☆セイノー情報サービス、物流業界初となるロジスティクス版「AIエージェント」の開発スタート
    ☆ワールドサプライ、2025年11月からの本稼働目指し茨城県つくば市に化粧品に特化した物流センター新設
    ☆国交省の「物流拠点の今後のあり方に関する検討会」、倉庫税制の特例措置巡り営業用以外も対象にすることを検討
    ☆ヤマトHD、バランスシート・マネジメント強化の一環で本社など都内の四つのビルの不動産を売却
    ☆NX商事、同社国際営業部が航空宇宙マネジメントの国際規格「EN9120」の認証取得
    ☆NX汽車物流中国、広州市で行われた植樹活動に従業員および家族51人が参加し苗木を植樹
    ☆国交省物流・自動車局安全政策課の永井課長、軽貨物事業者に対する安全対策強化巡り「制度の周知に注力」と強調
    ☆国交省、4月を「再配達削減PR月間」として地方公共団体や宅配事業者などと連携し削減に向けた取り組みを推進
    ☆日倉協、「倉庫管理主任者ウェブ講習会」のプログラムなど概要を発表し近々募集開始へ
    ☆日倉協が倉庫業PR動画の新作を公開、人に焦点を当て仕事の魅力を伝えることをコンセプトに
    ☆東ト協連の運賃動向に関するアンケート調査、標準的な運賃と現行運賃との比較で「低い」の割合が調査開始以来初の減少
    ☆取引環境・労働時間改善東京地方協議会、2024年問題など巡り行政機関の取り組み報告とともに各委員が意見表明
    ☆SGHD、佐川急便などグループ各社と連携し2028年6月稼働に向け福岡県に大型中継センターを建設
    ☆ロジスティード、倉庫運営の効率化と精度向上を実現する3Dシミュレーションサービスの提供開始
    ☆全国通運の永田社長、過去最大規模のコンテナ投資を踏まえ「社会課題の解決に全力を尽くす」と強調

今週のユソー編集室

  • ▼明日4月1日に新物流二法が第1弾の施行時期を迎え、荷主や物流事業者に各種規制的措置が導入される。
    ▼一方で、法律が所期の目的を達成するためには、趣旨から逸脱した事業者を摘発し改善を促す活動が必要不可欠だ。全日本トラック協会が求める適正競争推進特措法には、適正競争推進機関(仮称)の設置が盛り込まれている。
    ▼この組織は、現在の適正化実施機関を発展させる形を想定していると思われるが、肝心の適正化実施機関も人手不足の現状にあり、全ト協目標の2年に1回の巡回指導が達成できていない自治体もある。
    ▼改正法の実効性を担保するためには、適正化実施機関の強化が極めて重要になる。

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