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2025年3月10日付 3017号

100箱単位の大口輸送にも対応 「はこビュン」を事業化 JR東日本

車両内のイメージ

 JR東日本グループは4日、荷物輸送サービス「はこビュン」を事業化し、グループ全体で年間100億円規模の収益獲得を目指すと発表した。

 4月18日から東北新幹線の新青森~東京間で客室を使用した車両貸輸送を開始するとともに、盛岡~東京間を運行するE3系新幹線1編成全号車の荷物輸送専用車両への改造(床面フラット化)に着手し本年秋に車両基地を活用した輸送を開始する。

 今回の事業化の輸送対象は北海道・東北・秋田・山形・上越・北陸の各新幹線、在来線特急および在来線で、今回の事業化により大口・車両貸切(基本輸送料金10万4500円から)を加え、1箱単位の小口から100箱単位の大口輸送まで対応していく。

 予約・受付方法等については、事前の契約締結が必要な法人向けの「はこビュン」は4月からJRE MALLの予約システムを活用できるようにする。事前予約不要で、荷物1個から列車出発の30分前まで申し込み可能な「はこビュンQuick」の個人向けについては25年度内に利用可能とする。

 東北新幹線の大口定期運行サービスは毎週金曜日に新青森駅午前8時29分発→東京駅11時44分着の定期運行を4月18日から開始。はやぶさ50号・E5系10両編成のうち1~2号車を活用する。取り扱いは最大200箱程度を見込み、将来的には上越新幹線ほか対象線区・区間の拡大を図る計画。

 記事全文は電子版から。

「自動運転支援データ連携システム」の記者説明会 4社共同体で開発 NLJ・ヤマトなど

走行実証に使用した自動運転トラック

 NEXT Logistics Japan(NLJ)、ヤマト運輸、ダイナミックマッププラットフォーム、BIPROGYは5日、相模原市南区のNLJ相模原センターで、4社共同体で開発した「自動運転を支援するデータ連携システム」に関する記者説明会を開いた。

 説明会にはNLJの梅村幸生社長、ヤマト運輸コーポレートグリーン物流事業推進部の髙野茂幸部長らが出席。NEDOの委託事業として、4社がコンソーシアムを組み開発した同システムの概要が実演を交え披露された。

 4社は2月25~27の3日間、新東名高速道路駿河湾沼津サービスエリア(SA)~浜松SA間で、同システムを活用した自動運転トラックの走行実証を実施しており、録画映像とパネルを用い走行実証時の様子も紹介。走行実証で使った自動運転トラックも公開した。

 自動運転支援データ連携システムは①ダイナミックマップ(高精度3次元地図に車両やさまざまな交通情報を付加したデータベース的マップ)情報配信による自動走行支援システム②シミュレーションを用いたニアミスシーンを情報共有するシステム③自動運転トラックを想定した共同輸送効率化の支援システム―からなる。

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今週掲載トピック一覧

  • ☆三菱倉庫、2030年度の事業利益目標を630億円などとする経営計画「2025-30」を発表
    ☆センコー、関東地区の12ヵ所の物流センターで使用電力を100%再エネ化する取り組みをスタート
    ☆SBS東芝ロジスティクス、宮城県名取市に東北地方のロジプラットフフォーム拠点となる「東北営業所名取倉庫」を開設
    ☆千葉ト協・NAAなど8者からなる24年問題対策協、成田空港の荷待ち問題巡りTDMS導入後の状況を報告
    ☆運輸労連の成田委員長、トラック運送業への許可更新制の導入巡り「全ト協と同一歩調で取り組んでいく」との考えを表明
    ☆西濃運輸、大阪府東大阪市に同社の西日本エリアで最大規模となる「東大阪物流倉庫」を開設
    ☆WebKIT成約運賃指数、2025年2月は前年同月比13ポイント増の139となり2月の最高値を更新
    ☆国交省の運行管理高度化WG、業務前自動点呼の制度化に向け要件の最終とりまとめを実施
    ☆三菱倉庫、グループ会社の医薬品輸配送業務のCO2排出量削減に向け中型EVトラックを導入
    ☆取引環境・労働時間改善千葉県協、県内トラック運送事業者の働き方改革に関する調査結果など確認
    ☆日本通運野球部、沖縄県宮古島市で春季キャンプとともに「少年少女野球教室」を開催
    ☆全ト協の坂本会長、トラック運送業への許可更新制の導入巡り「国会議員らからおおむね賛同が得られた」との認識示す
    ☆埼玉ト協、関東運輸局・経産局などと共催し「持続可能な物流の実現に向けたセミナー」を開催
    ☆JR貨物、芙蓉リースと新たに増備する鉄道輸送用31フィートコンテナに関するリース契約を締結
    ☆通運連盟、モーダルシフトトライアル助成の継続などを盛り込んだ2025年度事業計画まとめる
    ☆三菱倉庫、神戸支店の「新港第二営業所2号倉庫」で再生医療等製品の製造業許可を取得
    ☆NX商事、自動化機器の導入を促進する倉庫運用管理システムの提供始める
    ☆国交省の自動物流道路に関する検討会、自動物流道路の技術開発に係る官民協議会の設置を決定
    ☆トナミ運輸、千葉県野田市に戦略的物流拠点としての展開も視野に新センターを開設

今週のユソー編集室

  • ▼厚生労働省が先日発表した2024年の毎勤統計によると、道路貨物運送業と全産業平均の賃金格差が拡大した。
    ▼これまで道路貨物運送業は「全産業平均より労働時間は2割長く、賃金は1割安い」と言われてきたが、賃金の部分は「2割安い」と言い直さないといけなくなりそうだ。
    ▼物流業界は今、危険な状態に陥りつつある。賃金格差はドライバー以外の職種でも人手不足を加速化させ「運べなくなる」未来が駆け足で近づいている。
    ▼全日本トラック協会が求める事業許可更新制と標準的な運賃への法的根拠付与は、やはり必要だ。価格転嫁が一向に進まない今、多少強引にでも取引環境を適正化する必要がある。

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