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2024年11月11日付 3002号

WebKIT運賃成約指数が40ヵ月連続前年超え 10月は139に 全ト協・日貨協連 

 全日本トラック協会と日本貨物運送協同組合連合会はこのほど、2024年10月のWebKIT成約運賃指数が、前年同月比13ポイント増加の139だったと発表した。前年同月を上回るのは40ヵ月連続で、10月の指数が130を超えたのは19年以来5年ぶり。

 成約運賃指数は、8月に140、9月に142と過去最高値を2ヵ月連続で更新。10月は前月比では3ポイント減となったものの、24年度3番目の高さで、10月に135を超えるのは初めて。

 10月の求車(荷物)登録件数は18万3399件で前年同月比15.1%増、前月比4.7%減。成約件数は2万6306件で前年同月比0.2%減、前月比14.1%増。成約率は14.3%で前年同月比2.2ポイント減、前月比2.4ポイント増。

 求荷(車両)登録件数は、1万2278件で前年同月比4.6%減、前月比22.9%増。成約件数は713件で、前年同月比19.9%減、前月比7.0%減。成約率は5.8%で前年同月比1.1ポイント減、前月比1.9ポイント減。

 追加ID数は2318で前年同月比0.3%減、前月比0.2%減、合計端末は6495で前年同月比0.5%増、前月比0.2%減。

ナカノ商会を連結子会社化 ロジスティクス事業強化へ9割弱の株式取得 ヤマトHD

収益シナジーの例

 ヤマトホールディングスは5日、保管・庫内作業・輸送サービスや物流施設のサブリースを展開するナカノ商会の株式を取得し、連結子会社化すると発表した。

 ヤマトHDが中期経営計画で掲げる、コントラクトロジスティクス事業の拡大、エクスプレス事業とのシナジー創出、両社リソースの共同利用等によるコストシナジー創出を目的としたもの。

 栗栖利蔵副社長は「当社のロジスティクス事業を大きく成長させるシナジーが見込まれる」と期待感を示した。

 ナカノ商会の筆頭株主である沼澤宏氏から株式を譲受するとともに、第三者割当増資を引き受けることで、議決権所有割合の87.7%に当たる2036万5960株を取得する。

 取得価格は469億4300万円で自己資金を活用。取得日は2024年12月1日。

 ナカノ商会は東京都江戸川区に本社を置く非上場会社で、小売事業者や食品等のメーカー・サプライヤー、EC事業者の上流の物流領域を対象に、保管・庫内作業・輸送サービスや、顧客仕様に再構築した物流施設のサブリース事業を展開。顧客ニーズに合わせた複数機能の一貫提供や、倉庫管理者の育成重視と作業員の派遣活用などによる高効率な自社管理者モデル、属人化を防ぐドライバー教育とパートナーを含めた自動配車システムの構築などによる柔軟な輸送ネットワークを強みとしている。

 従業員はパート約1600人を含め約3100人(うち倉庫関連約1400人、ドライバー約700人)で、東北・関東・関西・九州の主要都市に51拠点を構えるほか、約100ヵ所のサブリース物件も提供。全体の3割に当たる約400台の車両を保有し、パートナー車両を含め1日当たり3500~5千回運行。23年9月期の売上高は867億円、営業利益は46億円となっている。

 ヤマトHDは、両社が持つ法人顧客の業種が異なることに加え、サプライチェーンの上流に強みを持つナカノ商会と、下流に強みを持つヤマトグループが連携することで、営業機会の増加やサプライチェーン全体を見据えた総合的なソリューション提案が推進できるとしている。

 収益シナジーの具体例として、消費者近くの都道府県までの物流をナカノ商会が担い、以降の配送をヤマト運輸が行うことでリードタイムの短縮が図られることや、両社の輸配送ネットワークを活用することで、荷量やサイズに応じた最適な輸配送手段の提供と、在庫拠点から納品先までの一元管理によるコスト最適化が図られることを挙げている。

 記事全文は電子版から。

今週掲載トピック一覧

  • ☆ウオッチ(162)「中国の『低空経済』発展におけるドローン配送の商用拡大をみる」

  • ☆NX総研短観9月調査、国内向け出荷量7~9月実績では低下も10~12月見通しは上昇に
    ☆官民物流標準化懇、ダブル連結トラックの活用など「新たなモーダルシフトに向けた対応方策」素案の報告受ける
    ☆国交省の運行管理高度化WGが会合、10月末時点で一般貨物運送事業者31社の業務前自動点呼の先行実施申請を受け付け
    ☆セイノーHD、バリュー・チェーン全体を投資対象とするファンドに福山通運が新たなLPとして参画
    ☆NXHD、鳥取県日南町の「NXグループの森」で通算25回目の秋の森林育成活動を実施
    ☆日本通運、大成建設と協働で進める建設副産物の巡回回収の活動が3R推進功労者等表彰「内閣総理大臣賞」を受賞
    ☆国交省、日系荷主・物流事業者などを対象に「国際物流の多元化・強靭化に向けた実証調査」の公募開始
    ☆国交省が改正貨物自動車運送事業法巡り意見公募、「実運送体制管理簿」の作成対象となる貨物の重量は1・5トン以上に
    ☆ヤマトHDの栗栖副社長、2025年3月期第2四半期決算巡り重点課題対策を進め「下期の挽回目指す」と表明
    ☆ヤマト運輸の梅津CSO、BSIジャパン設立25周年記念イベントで「カーボンニュートラル宅急便の実現」をテーマに講演
    ☆カンダHD、さいたま市の岩槻物流センターで「第42回カンダ祭り」を開催
    ☆T2、レベル4自動運転トラックの社会実装に向けて物流大手など10社が参画する「実現会議」を設立
    ☆物流業界の2025年3月期第2四半期連結決算

今週のユソー編集室

  • ▼官民物流標準化懇談会モーダルシフト推進・標準化分科会は昨年11月、「今後10年程度で鉄道・内航海運による輸送量・分担率の倍増」との方向性を取りまとめたが、ハードルは相当に高く、実現可能性に疑問符が付くとする関係者の指摘も多い。
    ▼そうした状況を踏まえ、中小事業者でのダブル連結トラック活用促進など、あらゆる輸送増強策を総動員する「新モーダルシフト」を行っていくとの方針が新たに示された。
    ▼鉄道・内航海運へのシフトだけでは、2030年に34%不足すると見込まれる輸送力の穴埋めは難しいとのサインにも読み取れるが、名称は別にしても、新たな種々の取り組みが奏功することを祈りたい。

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