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2024年9月30日付 2996号

荷主等への規制的措置で取りまとめ案公表 パブリックコメントの募集も開始 国交・経産・農水省

 国土交通省、経済産業省、農林水産省の3省は27日、改正物流効率化法の荷主・物流事業者等に対する規制的措置の施行に向け、交通政策審議会交通体系分科会物流部会、産業構造審議会商務流通情報分科会流通小委員会、食料・農業・農村政策審議会食料産業部会物流小委員会の合同会議取りまとめ案を公表するとともに、パブリックコメントの募集を開始した。募集期間は10月26日まで。

 取りまとめ案では、今年5月の公布から1年以内に施行される規定と、2年以内に施行される規定について、特定荷主・物流事業者の指定基準値などについて記載している。

 1年以内に施行される規定関係では、2028年度までに、全トラック輸送のうち5割の運行で荷待ち・荷役等時間を1時間削減することで、トラックドライバー1人当たり年間125時間短縮との目標を示し、実現のためトラックドライバーの1運行の平均拘束時間のうち、荷待ち・荷役作業などにかかる時間が約3時間と推計されていることを踏まえ、1運行当たりの荷待ち・荷役等時間が計2時間以内となるよう荷待ち・荷役などの時間を削減する必要があると指摘。荷主は1回の受け渡しごとの荷待ち・荷役などの時間について、安全性の確保を前提に、原則として目標時間を1時間以内と設定しつつ、業界特性その他の事情によりやむを得ない場合を除き、2時間を超えないよう荷待ち・荷役等時間を短縮することとしている。

 記事全文は電子版から。

航空混載仕立て自動化で業務時間25%削減へ 最適化技術を活用 NXHD

 NIPPON EXPRESSホールディングスは25日、AIと量子技術の活用に強みを持つグルーヴノーツ社と航空貨物の混載仕立て業務自動化に向けた実証実験を開始したと発表した。同業務に関わる時間の25%削減を目指す。

 NXグローバルイノベーション投資事業有限責任組合の案件として3月にグルーヴノーツと資本業務提携契約を締結した。グルーヴノーツはAIや量子コンピュータなどの最先端テクノロジーを活用し、企業の課題に対して最適解を導くクラウドプラットフォーム「MAGELLAN BLOCKS(マゼランブロックス)」を提供しているスタートアップ企業。「組み合わせ最適化」や「数理最適化」を複合的に行うことに強みを持っている。今回の提携により、NXグループとグルーヴノーツはマゼランブロックスを活用して、今まで実現が困難とされてきた航空貨物の混載仕立て業務の自動化に向けた検証を実施する。業務の効率化だけではなく、ヒューマンエラーの防止など正確性の向上を目指す考え。

 5月からレーンと貨物種別を限定して業務プロセスを整理し、サンプルデータを用いて最適化技術を活用した混載仕立ての検証を開始しており、今後、検証結果をもとに航空拠点での導入・実用化に向けた制約条件等を確認し、特定路線だけではなく取り扱い航路全体での運用を検討する。導入効果として、航空混載仕立て業務に関わる時間を2025年中に5%削減、その後5年で25%削減することを目標にしている。将来的にはNXグループ内で水平展開を行い、船舶、鉄道、トラック輸送といったさまざまな輸送モードで活用し、グループ全体の物流効率化に貢献することを目指す。

今週掲載トピック一覧

  • ☆ウオッチ(160)「中国の交通運輸分野におけるグリーンモデル転換の加速」
    ☆人物ウィークリー-全国通運連盟・馬場﨑 靖理事長

  • ☆JR貨物、金沢貨タ~隅田川・東京貨タ間で能登半島地震で発生した災害廃棄物の輸送開始
    ☆NTTロジスコ、店舗間の在庫移動を支援する「スマートエスアール」の提供始める
    ☆通運連盟の2024年度事業計画改定、輸送障害時の代行トラック準備費用など新たに盛り込む助成事業の概要案まとまる
    ☆ロジスティードの中谷CEO、株式再上場を目指すに当たり「グローバル部門の強化を進める」と強調
    ☆セイノーHDグループのセイノースタッフサービス、外国人人材採用支援会社「フォースバレー・コンシェルジュ」との協業開始
    ☆トナミ運輸労組、第79回定期大会を開き2025年度運動方針と秋季年末闘争方針を原案どおり決定
    ☆国交省の「モーダルシフト推進・標準化分科会」、多様な輸送モード活用について10月下旬に最終とりまとめ行い具体的な施策内容を決定
    ☆国交省、飲酒運転防止に関する点呼未実施巡り10月1日から初違反で100日車の車両使用停止処分に
    ☆NXHD、東京都板橋区に剣道・柔道・相撲部の稽古施設「NX武道館」を竣工
    ☆総務省の「2023年度特定信書便実績報告書」、信書便法施行から20年で事業者数596者に
    ☆国交省、11月30日期限に「中小トラック事業者向けテールゲートリフター等導入支援事業」の申請受け付けを開始
    ☆千葉ト協、千葉県自動車大学校で2回目の「車輪脱落防止および日常点検実施要領講習」を実施
    ☆JILS中部支部、11月26日に名古屋商工会議所で「中部物流改善事例発表会2024」を開催
    ☆NXHD、NXグループビル内に「ラグザスpresents第3回WBSCプレミア12」の優勝トロフィーを展示
    ☆NXHDグループのcargo partner社、オーストリアで非GPS環境下におけるドローン自律飛行のデモストレーションを実施
    ☆第一運輸、シナジー効果見込み岩手県北上市に本社を置く北上運輸の全株式を取得し子会社化

今週のユソー編集室

  • ▼DX推進の必要性が叫ばれて久しいが、物流業界では2024年問題により、その声がさらに高まっている。一方で、中小トラック事業者などからは「何をやってよいか分からない」との悩みも耳にする。
    ▼全日本トラック協会はこのほど、ホームページ上に中小トラック事業者のDX推進に向けた手引きを公開した。DXの前段階である「デジタイゼーション」や「デジタライゼーション」として着手できるデジタル化の例を示すとともに、「荷主や取引先に課題とメリットなどを説明し、協力して取り組むようにしましょう」とアドバイスしている。
    ▼荷主と悩みを共有し、少しでもDX化が進むことを望みたい。

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