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2024年9月9日付 2994号

WebKIT成約運賃指数 8月は140で過去最高値を更新 全ト協・日貨協連

 全日本トラック協会と日本貨物運送協同組合連合会は1日、2024年8月のWebKIT成約運賃指数が、前年同月比16ポイント増、前月比9ポイント増の140となり過去最高値を更新したと発表した。

 過去最高値を更新するのは18年12月以来5年8ヵ月ぶりで、前年同月を上回るのは38ヵ月連続。

 求車(荷物)登録件数は15万8816件で前年同月比11・8%増、前月比11・1%増。成約件数は1万8907件で前年同月比16・9%減、前月比25・3%減。成約率は11・9%で前年同月比4・1ポイント減、前月比5・8ポイント減。

 求荷(車両)登録件数は、9669件で前年同月比18・9%減、前月比29・0%減。成約件数は578件で、前年同月比24・2%減、前月比22・1%減。成約率は6・0%で前年同月比0・4ポイント減、前月比0・5ポイント増。

 追加ID数は2314で前年同月比3・1%減、前月比0・6%増、合計端末は6472で前年同月比1・7%減、前月比0・4%増。

遠隔搬送ソリューション 2025年の事業化目指す NXHDとNEC

 NIPPON EXPRESSホールディングスとNECは4日、フォークリフトやロボットアームなどを活用した遠隔搬送ソリューション「テレロボフォーク」「テレロボハンドラー」の2025年の提供開始を目指すと発表した。

 NXグループとNECは、価値共創に向けた探索プロジェクトを20年10月に開始。24年1月からNXグループの倉庫でフォークリフト自律遠隔ソリューション「テレロボフォーク」の実証検証を開始しており、今後、NXグループ国内5拠点を対象に運用検証を展開していく計画。

 「テレロボフォーク」は、既存のフォークリフトにレバー、ハンドル、ペダルを制御するアクチュエータと、カメラや高精度センサLiDARなどを後付けすることで自律遠隔制御対応を実現するとともに、自律、遠隔、搭乗の三つの操作モードを簡単に切り替えることが可能。

 倉庫内の映像データをもとにシミュレーションを行い、輸送ルートを自動設計する。自律制御時には、フォークリフトに搭載したカメラやLiDARなどでセンシングした周辺の状況をもとにリアルタイムにルートの見直しを行う。また、搬送ルート上の障害物や人などへの衝突リスクを把握して、フォークリフトの速度を制限速度内で自動調整する。

 全てのフォークリフトのカメラ映像やセンサ情報をクラウドに集約し分析・制御することで、フォークリフトを倉庫外からも管理・操作することが可能。また、遠隔からの作業指示によりロボットアームの動きを制御できる「テレロボハンドラー」についても、24年中にNXグループの倉庫で実証検証を開始する予定。

 「テレロボハンドラー」は、ロボットアームを活用して複数のパレット、カゴ台車への仕分、隙間ない積付・積替などを、離れた場所から作業することが可能。事前のプログラミングは不要で、積付・積替作業の途中でカゴ台車やパレットの位置・物品、仕分方法が変わっても、GUI操作(グラフィカルユーザーインターフェース)などの簡易な遠隔指示により短時間で認識し、迅速な作業の再開を実現する。
 工事不要で設置でき、異なる作業場所に簡単に移動させることもできる。

 遠隔搬送ソリューションは、作業の効率化にとどまらず、オペレーションの常識の変革や、距離と時間のギャップの解消、労働力確保、マーケットの変革、作業スタッフの働き方の変革など、多岐にわたる変革をもたらすとし、今後、両社は遠隔搬送ソリューションのさらなる技術・安全性の向上に努め、25年に事業化し、サービスの提供を目指す方針。

今週掲載トピック一覧

  • ☆特集「国際物流総合展2024」出展社紹介
     ・トナミホールディングス
     ・ブリヂストン
     ・日本パレットプール
     ・SBSグループ
     ・ユーピーアール
    ☆ブリヂストンタイヤソリューションジャパン、仙台市で「第14回技能グランプリ全国大会と「第2回ソリューションエンジニアコンテスト」を開催

  • ☆日本通運、CBcloudのプラットフォーム活用し京都・滋賀で「NXクイックチャーター」の実証実験
    ☆ロジスティード、損保ジャパンなどと共同でAIを活用し最適な安全運転教育コンテンツをピンポイントで配信するサービスの提供開始
    ☆トナミ運輸と岡山県貨物運送、ドライバー不足への対応で北陸・中国地区における共同輸配送に向けた協議を始めることで合意
    ☆国交省の紺野物流政策課長インタビュー、物流革新に向けた政策パッケージ巡り「メニューの着実な実現を全力で進める」と強調
    ☆国交省の永井安全政策課長インタビュー、トラックの飲酒運転増加を踏まえ「絶無に向け努力を」と関係者に訴える
    ☆埼玉県、埼玉ト協など物流関係団体や物流大手各社の担当者が出席し「埼玉の持続可能な物流の確保に向けた共同宣言」を実施
    ☆NXHD、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールを活用しグループ内のDX案件を可視化
    ☆JADMA調べ、2023年度の通販市場売上高は前年度比6・7%増え13兆円規模に拡大
    ☆運輸労連24春闘最終結果、賃上げ妥結額単純平均は30年ぶりに5千円台に到達し夏季一時金は前年を7千円超上回る
    ☆日本通運、20日から静岡県浜松市の「浜松物流センター」で太陽光発電設備の運用開始
    ☆トナミ運輸、富山県砺波市と「災害時における支援物資の受け入れ、配送等に関する協定」を締結
    ☆SBSフレック、神奈川県厚木市に4階建て冷凍冷蔵倉庫「厚木低温DC」を開設

今週のユソー編集室

  • ▼このほど国土交通省が取りまとめた2023年のトラックによる飲酒運転事故件数は、22年の6件から23件へと大幅に増加している。
    ▼「絶対ダメ」と分かっていながら、酒を飲んでハンドルを握るドライバーの中には、アルコール依存症の状態にある人も多いとされる。
    ▼本人の自覚が薄く、気づきにくいとされる依存症の早期発見にはスクリーニング検査が有効だが、運転ができなくなることを恐れて検査を避ける心理が働く可能性がある点に配慮する必要がある。
    ▼そうならないために事業者は、検査結果により不利益を被らない社内規定の作成や、治療開始後の就業上の措置などを早期に策定し、示すことが有効だ。

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