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2024年7月29日付 2989号

自動物流道路の実験は新東名の未供用区間活用 検討会の中間取りまとめを報告 物流革新関係閣僚会議

自動物流道路のイメージ(一部)

 「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」は25日、総理大臣官邸で第5回会合を開き、自動物流道路に関する検討会の中間取りまとめ内容の報告などを行った。自動物流道路の中間取りまとめでは、2027年度に供用開始予定の新東名高速新秦野インターチェンジ(IC)~新御殿場IC間を実験線とすることや、小規模の改良で10年後をめどに実装可能な区間を「先行ルート」として開業させ「第一期区間」として整備するとの方向性が示されたほか、物量が特に大きい東京~大阪間を「長距離幹線構想」として位置付けることなどが盛り込まれている。

 自動物流道路の実験は、27年度に供用開始予定の新東名高速新秦野~新御殿場間で、高速道路として供用が開始される前に、自動輸送カートの走行実験などを行う。自動輸送カートについては、現在倉庫などで使用されている無人搬送車(AGV)をベースに、標準仕様パレットを運搬可能な仕様とした上で、実験線で屋外や中距離輸送での安定性や耐久性などの検証を行う。

 10年後をめどに開業させるとしている「第一期区間」については、大都市近郊で特に渋滞が発生する区間を想定しており、その後「一部区間ずつできるところから」(国交省担当者)開業させる計画。また、モード結節のため、JRの貨物駅などに物流拠点を建設することを想定している。

 記事全文は電子版から。

NEDO採択事業でレベル4自動運転トラックの実証実験 年度内に新東名で実施 ヤマト運輸など4社

 ヤマト運輸、NEXT Logistics Japan(NLJ)、ダイナミックマッププラットフォーム、BIPROGYの4社は24日、本年度中に新東名高速でレベル4自動運転トラックを用いた実証実験を行うと発表した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募している「産業DXのためのデジタルインフラ整備事業/デジタルライフラインの先行実装に資する基盤に関する研究開発」のうち「自動運転支援道」事業の実施予定先として採択されている。

 4社はコンソーシアムを組み自動運転を支援するデータ連携システムを開発し、各事業者の業務に共通する機能に必要なデータセットを提供することで、複数の企業や業種間でデータ連携が可能となるデジタル基盤を構築する。

 このうちダイナミック社は、自動運転運行に必要な各種データの処理・接続を可能とする「データ流通システム」と、路側インフラ等から提供される各種情報と同社が有する3次元地図データを統合した情報を配信し、自動運転車両の安全走行を支援する「車両情報連携システム」の開発を担当。BIPROGYは、車両や外部システムから取得したヒヤリハット情報をシミュレーション化し、自動運転システムの開発に活用する「ヒヤリハット情報共有システム」を開発する。

 ヤマト運輸とNLJは、荷主の輸送需要を元に作成された運送事業者のダイヤ計画やルート計画のデータ連携が可能となる「共同輸送システム」を開発、データ流通システムや車両情報連携システムとの連携を実証することで、物流サービスにおける自動運転導入やデータ連携による効率化の検証などを行う。

 実証実験は、新東名高速の駿河湾沼津サービスエリア(SA)~浜松SA間で、本年度中に実施する予定としている。

今週掲載トピック一覧

  • 夏季第2特集号 
    ☆グローバル版大手物流企業業界地図2024
     NXグループ
     ヤマトグループ
     SGグループ
     KWEグループ
     ロジスティード
    ☆臨海鉄道特集『地元との強い結びつき 貨物は新たな柱開拓~水島臨海鉄道』
    ☆人物ウィークリー-国土交通省物流・自動車局総務課・大辻 統課長

  • ☆センコー、福岡市東区の大型物流施設内に開設した常温・低温複合型センター「イオン福岡XD」の稼働開始
    ☆JPICがCLOに求められる要件を発表、CLOは「全体最適の視点を持つことが特に重要」などと強調
    ☆全ト協が24年度のGマーク申請9460事業所分を受理、12月中旬の認定・公表を予定
    ☆三菱倉庫、8月からノボノルディスクファーマの特約店向け医薬品輸送にEVトラックを活用する実証実験を開始

今週のユソー編集室

  • ▼昨年7月のトラックGメン制度創設から1年が経過した。荷主へのアポなしパトロールなど独自の活動を行う中国運輸局はこのほど、この1年間のトラックGメンの活動状況をまとめ、パトロールの際に気づいた点などを発表している。
    ▼このうち運賃に関しては、値上げに応じる荷主が増えている一方、その後一定の割合で値下げを認めさせた荷主もあり、コストの見える化など根拠に基づく交渉が重要と指摘、不当な安値を提示する悪質なトラック運送事業者への対策も必要としている。
    ▼パトロールから見えてくるのは、改善が進むも理想にはほど遠い取引環境だ。政官業が一体となって、粘り強い取り組みを継続したい。

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