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2024年7月22日付 2988号

収益力とROICを向上 日本事業をさらに強靭化 インタビュー 日本通運(株)・竹添進二郎社長

 ――就任から半年が経過しました。

 新経営計画のスタートと同時に着任しましたので、計画の達成に向け何としても結果を残したいとの決意で臨んでいます。

 ――日本通運の果たすべき役割について。

 NXグループ5リージョンのうちの一つ、という位置づけではありますが、グループの中核企業として存在感を示していかなければならないことは強く意識しています。

 新経営計画は、創立100周年を迎える2037年に「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニーになる」という長期ビジョンを実現するための第2ステップという位置付けです。日本通運は日本市場において収益性を高めていくと同時に、NXグループがグローバル市場で成長していくための起点にならなければなりません。

 日本国内は人口減少などの要因によって、マーケット規模が大きく成長することは見込みにくい状況にあることを前提に、持続的かつ一定以上の収益を上げられるように、さまざまな変革を進めていきたいと考えています。

記事全文は電子版から。

レベル4実現に向け自動運転の実証実験 東京~大阪間で 佐川急便・セイノーHD・T2

自動運転の実証実験に使用される 大型トラック

 T2、佐川急便、セイノーホールディングスは11日、本年10月から来年6月にかけて、T2が開発した自動運転トラックを用いた幹線輸送の実証実験を、東京~大阪間の高速道路一部区間で実施すると発表した。

 実証実験は東京~大阪間の東名高速のほか、新東名高速、伊勢湾岸道、名神高速、新名神高速、京滋バイパスで行われ、さまざまな条件下の公道で、運送事業者である佐川急便、セイノーHDの荷物を輸送することにより、将来の事業化に向けた知見の獲得や改善点の洗い出しを行う。

 なお、すべての実証実験はドライバー乗車の上、レベル2相当で行う。

 持続可能な物流の実現に向け、モーダルシフトの推進やラストワンマイルでのAIによる配送ルート提案など、課題に対しさまざまな施策を講じている佐川急便・セイノーHDと、自動運転トラックの技術開発を行っているT2が手を取り合い、運送オペレーションノウハウと自動運転技術を掛け合わせることにより、2027年のレベル4自動運転(特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態)トラックを活用した幹線輸送の実現を目指している。

 また、今回の実証実験を契機に自動運転トラックでの幹線輸送実現に向けた協議会の設立も、今後検討するとしている。

今週掲載トピック一覧

  • 夏季第1特集号 
    ☆インタビュー-日本通運株式会社・竹添進二郎社長 
    ☆人物ウィークリー-国土交通省物流・自動車局貨物流通事業課・三輪田優子課長

  • ☆社整審道路分科会物流小委、国交省が新東名高速で実施する自動運転トラック実証実験の概要を報告
    ☆高速道路3社が24年度末に運用開始予定の新たな高速道路料金の深夜割引の内容を公表、1時間当たりトラック90キロメートルなど上限距離を設定
    ☆全日通労組定期全国大会、25年経営施策を巡り成田委員長「労働組合としても誤りなき会社対応が不可欠」と強調
    ☆佐川急便とJR貨物、顧客の利便性向上などで両社の経営資源を有効活用する基本合意書を締結
    ☆日本通運、企業向け小口貨物輸送商品「プロテクトBOX」の国際輸送サービスの提供開始
    ☆日本通運とKWE、SAFを活用しCO2排出量削減を目指す取り組みで京セラ・ANAとそれぞれ3者間契約を締結
    ☆NX総研の貨物輸送見通し、24年度の国内貨物輸送量は2%減で3年連続マイナスと予想
    ☆ロジスティード、グループ会社ロジスティード中部が名古屋市瑞穂区に「熱田物流センター」を稼働
    ☆SGHD、C&FロジHDのTOBが成立し22日付で連結子会社に
    ☆帝国データバンク調査、24年上半期の道路貨物運送業の倒産件数は186件と過去最多ペースで推移

今週のユソー編集室

  • ▼暑い日が続き、ビールなどを楽しまれている方も多いだろう。酒類は、ルールと適量を守れば楽しい時間を与えてくれるが、ルールが守られない場合には恐ろしい結果をもたらす。
    ▼その最たるものが、飲酒運転による事故で、残念なことに営業用トラックでもいまだ撲滅には至っていない。国土交通省は、これまでも運行管理者が運転者に対して実施すべき「指導監督義務」で、飲酒・酒気帯び運転禁止などに関する指導を求めていたが、来年1月からは酒酔い・酒気帯び運行が行われた場合に指導が未実施の事業者には、行政処分を行う方針を示している。
    ▼いま一度、「乗るなら飲まない」当たり前の指導を再徹底したい。

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