コスト転嫁進む一方で規模間格差鮮明に 22年度決算版経営分析 全ト協
全日本トラック協会が15日に公表した2021年10月~23年8月を対象期間とする22年度決算版経営分析では、経済活動の正常化によりコスト上昇分の運賃転嫁が進み、営業収益(貨物運送事業収入)が21年度比4.4%増加、営業損益率は0.0%で0.9ポイント改善、経常損益率も1.8%となり1.2ポイント改善している。
一方で、51~100台保有する事業者では営業損益率が1.2%、101台以上では2.1%と業績回復基調がみられたが、20台以下ではマイナス圏を脱することができず、事業規模による運賃転嫁の進捗(しんちょく)率格差が浮き彫りとなった。
全国2532者(有効数)から提出された22年度決算の「一般貨物自動車運送事業報告書」について決算内容を分析したところ、営業収益は1者平均2億5383万円で、前年度に比べ4.4%増加した。
貨物運送事業における黒字事業者の割合は営業損益段階では42%、経常損益段階では57%となっているが、10台以下では64%が営業赤字、51%が経常赤字となっている。
車両規模別分析では、101台以上の営業損益率が2.1%、51~100台が1.2%、21~50台が0.0%となっている一方、11~20台ではマイナス1.2%、10台以下ではマイナス3.6%とマイナス圏に沈んでいる。
地域別分析では、営業損益率で北海道、関東、中部以外がマイナスとなっている。