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2024年5月13日付 2979号

1年後の「定常化」目指す 幹線輸送の共同運行に向けた業務提携で合意 日本郵便と西濃運輸

会見後に握手する髙橋西濃運輸社長 (左)と、千田日本郵便社長(右)

 日本郵便と西濃運輸は9日、幹線輸送の共同運行に向けた業務提携に関する基本合意書を締結したと発表。今後深刻化する労働力不足などへの対応として、1年後の幹線共同便の「定常化」に向けて合同チームを立ち上げ、ルールや仕組みづくりを進めるとともに、同業他社も利用できる共同輸送プラットフォームの構築や幹線輸送以外の共同化などについても検討していく。

 両社は2~3月にかけて、日本郵便輸送やJPロジスティクス、四国西濃運輸を含めたグループ輸送会社でのトライアル運行を5区間で実施し、荷物の積合せや、これまで自社内で積載調整を行っていた荷物の融通、積載率の下がる土日の荷物集約などについて、共同運行による効果や課題抽出を行ってきた。

 その結果、既存の輸送日数を変更することなく、トラック台数を削減できることが確認できたことなどから、本格的な幹線共同輸送の実施に向けて、基本合意した。

 9日に日本郵便の千田哲也社長と西濃運輸の髙橋智社長が都内で会見し、基本合意に至った経緯や今後の展望などについて説明した。
 
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2025年3月期の増収増益へ営業強化に注力 栗栖副社長コメント ヤマトHD決算会見 

栗栖副社長

 ヤマトホールディングスの栗栖利蔵代表取締役副社長は8日、電話会議形式で開いた決算会見で、減収減益に終わった2024年3月期連結決算について「満足できるものではない」と総括する一方、コストコントロールが進み第3四半期末時点の予想利益を達成できたことなど、評価できる部分もあるとの見方を示した。25年3月期の増収増益達成に向けては、各地域の小口法人など基盤顧客への営業強化を図っていく考えを強調した。

 売上高はプライシングの適正化により宅配便収入が増加したものの、ロジスティクスや国際輸送関連の収入が減少したことから減収に。営業利益はネットワーク・オペレーション構造改革の推進で人件費などのコスト削減を進めたものの、時給単価や委託単価などの上昇、業務量の想定以上の下振れなどにより減益となった。

 栗栖副社長は決算の内容について「宅急便を中心に売上高が想定に届かず、満足いくものではない」と総括する一方で「第4四半期は構造改革の効果等で費用面を削減できたことから、第3四半期末時点の予想利益を達成できた」と話し、評価できる部分もあったことを指摘。25年3月期については「この流れを継続し、しっかりと利益を出せるよう増収に注力する」と強調した。
 
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今週掲載トピック一覧

  • ☆ウォッチ(156)「対外貿易を取り巻く中国の製造と越境物流」

  • ☆ロジスティード、8月中旬めどにアルプス物流株式の公開買い付け実施へ
    ☆センコーGHD、ITO・BPO事業展開の日東テクノブレーンの全株式を取得
    ☆JPRとupr、両社の共通サービス基盤「ⅩROP(クロップ)」の共同運用を開始
    ☆全ト協、7月1~14日まで2024年度Gマークの申請を受け付け
    ☆運輸労連2024春闘、4月末時点で75%の単組が前年同額以上の賃上げ獲得
    ☆JPIC、物流統括責任者(CLO)を対象とした協議会設置し6月にオープンシンポジウム開催
    ☆NX総研短観3月調査、4~6月の国内向け出荷量はマイナス7で1~3月比10ポイント上昇と予測
    ☆国交省物流・自動車局の鶴田局長、貨物自動車運送事業法と物流効率化法改正法の付帯決議は「先を見据えた宿題」と強調
    ☆国交省、倉庫事業者などを対象とした物流拠点への非常用電源設備の導入支援で追加の公募開始
    ☆LEVOの商用車電動化促進事業、予算繰り越しで納車が間に合わない事業者も申請可能に
    ☆国交省、6月20日期限に「モーダルシフト加速化緊急対策事業」の公募開始
    ☆日本通運、滋賀県湖南市に半導体関連産業対応の「NX栗東湖南倉庫」を稼働
    ☆センコーGHD、傘下の東京納品代行がハンガー輸送可能なオリジナルトレーラー導入
    ☆物流各社の2024年3月期と2024年12月期第1四半期連結決算

今週のユソー編集室

  • ▼貨物自動車運送事業法などの改正案に関する参議院国土交通委員会での審議の際に、ある議員が発した次のような言葉が強く印象に残った。
    ▼「本当にトラックドライバーが不足しているなら、“神の見えざる手”で自然に運賃は上がるはず」。この発言はある意味で正しく、現状では必ずしも機能していない神の手を働かせるため、阻害要因を解消していくことが改正法の趣旨だろう。
    ▼くだんの議員は「改正法は規制強化であり、現状では規制緩和こそ望ましい」とも発言した。規制緩和をこのまま続ければ、神の手が発動する以前に物流そのものが崩壊するだろう。残念ながら、そちらの意見には同意できない。

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