荷主との交渉通じ前へ 業界の現状を周知し会員の交渉を支援 インタビュー
東京都トラック協会・浅井隆会長
――会員各社の2024年問題への対応状況は。
2月に開かれた3組織(青年部会・女性部会・ロジスティクス研究会)合同の新年会で、対応状況に関する簡易的なアンケートを行ったところ、「対応が取れている」との回答が半数を超えており、「勇ましい」と心強く感じました。
――半数以上で対応が進んでいる背景は。
回答事業者の多くが長距離運送を手掛けていないことも要因としてあったと思います。一方で、新たな改善基準告示の影響を受けやすい長距離輸送を行っている事業者は、24年問題を前にして荷主との交渉に出向き、トラックドライバーの労働時間短縮に向けたお願いを進めているものとみています。
究極的には、ドライバーの待遇改善に直結する運賃アップが重要なので、国土交通大臣が告示している標準的な運賃などを積極的に活用してほしいと思います。
――東京運輸支局管内での標準的な運賃の届け出率が低い理由は。
東京都内のトラック事業者は、トラック協会に入っていない「非会員」の割合が高く、それらの事業者の多くが届け出を行っていないことが背景にあります。
東ト協の会員だけで見ると届け出の割合は半数を超えており、一定程度標準的な運賃の活用が進んでいると考えています。
――協会による会員への支援策は。
まずは、荷主や一般消費者などにトラック運送業界の現状や、新たな改善基準告示による影響、必要な協力などについて理解してもらうため、広く周知に努めています。
――具体的には。
厚生労働省の働き方改革推進支援金を活用して、日本経済新聞に広告を3回、週刊東洋経済に記事広告を1回掲出し、荷主サイドに向けた強いアピールを行ったほか、今月には一般紙の東京都内版にも広告を2回、経済誌に記事広告を1回出すなどして、会員が荷主と交渉しやすいよう環境整備を進めています。
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