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2024年1月29日付 2965号

一般消費者の9割以上が「24年問題」を認知 アンケート調査で判明 物流連 

 日本物流団体連合会は24日、一般消費者を対象に実施した「物流の2024年問題」に関するアンケート調査結果を公表した。24年問題について「聞いたことがある」割合は9割を超え、このうち「内容も知っている」は7割以上となり、24年問題に対する認知度は非常に高いことが明らかになった。

 物流連は昨年12月26日付の朝日新聞朝刊に24年問題に係る意見広告を掲載。同広告を通じてアンケート調査を行い、同31日までに1133人から回答を得た。回答者は年代別に40~59歳53%、60歳以上40%、39歳以下7%で、中高年層が90%以上を占めた。

 調査結果について物流連は「主に中高年層の意識や考え方を反映している」と述べるとともに「一般消費者に向けても、しっかりと物流の実情を伝え、物流について考えていただくための取り組みを継続していく必要がある」としている。

 24年問題への認識を尋ねたところ「聞いたことがあり内容も知っていた」75%、「聞いたことがあるが内容は知らない」19%で、両者を合わせると94%に達する。

 24年問題への対応としては「物流の効率・生産性の向上」75%、「賃金を上げて担い手確保」62%の回答が多かったが、「サービスが多少低下してもやむを得ない」も56%に上った。

 宅配の再配達削減の方策については「事前の日時指定」69%、「置き配の利用」59%、「宅配ボックスでの受け取り」55%。「再配達の回数制限・料金徴収」などの回答も数多く見られた。

 送料無料表記についての回答で最も多かったのは「表記を工夫して『送料込み』などとする」で82%を占めた。「これまで無料でモノが届くと思っていた」は2%だった。

 自由回答欄では、物流業界で働く人への感謝や労いの言葉が多数寄せられたほか、「社会全体で考えていかないといけない問題」「消費者にしっかりと実情を訴える取り組みを継続して欲しい」などの意見があった。

「クロネコゆうメール」2月から全国発売 集荷は年中無休で対応 ヤマト運輸

 ヤマト運輸は25日、2月1日から法人顧客向けの新たな投函サービス「クロネコゆうメール」を発売すると発表した。

 同社が集荷し日本郵便の配達網で届け先の郵便受けに投函するサービスで、日本郵政グループとの協業第2弾となる。

 クロネコゆうメールは①365日年中無休で集荷に対応②1または2センチメートルの厚みに応じた全国一律料金―などが特長。数量などの諸条件に応じて顧客ごとに料金を設定する。

 ヤマトのSDによる集荷とともに、ヤマト運輸営業所への持ち込みにも対応する。配達は日本郵便が行う。

 サイズは上限が「長辺34センチメートル以内・短辺25センチメートル以内」、下限が「長辺14センチメートル以上・短辺9センチメートル以上」。重さは1キログラム以内の荷物を対象としている。

 送ることができる荷物は①冊子とした印刷物(書籍・雑誌・商品カタログ・会報・各種マニュアル類など)②電磁的記録媒体(CD・DVD・ビデオテープ・カセットテープなど)。サービス利用に当たっては、発送前または発送時に宛名の無いチェック用サンプルを提出する必要がある。

 ヤマトグループは昨年6月、日本郵政グループと持続可能な物流の推進に向けて協業することで合意。第1弾として10月、「クロネコゆうパケット」を発売している。

今週掲載トピック一覧

  • ☆2024春闘展望
     ◎運輸労連・成田幸隆委員長「産別として旗立てる」
     ◎交通労連・織田正弘委員長「社会的要請に応える」
    ☆物流総合効率化法の認定一覧(2023年2月~12月国土交通省本省集約分、社名公表分のみ)

  • ☆国交省、貨物自動車運送事業法に基づきヤマト運輸など2社に対して初の「勧告」実施
    ☆NXHD、意思決定迅速化に向け3月の定時株主総会後に監査等委員会設置会社に移行
    ☆NXアメリカが「ワンストップサービス」を開始、海外赴任に関わる業務をワンストップで代行
    ☆国交省物流・自動車局の小熊貨物流通事業課長が講演、物流負荷低減巡り荷主等の努力義務法制化へ
    ☆運輸労連が第62回中央委員会を開催、賃上げ要求1万5千円中心など春闘方針決める
    ☆交通労連トラック部会が24年度第2回中央委員会を開催、賃上げ要求率6・5%以上など春闘方針固める
    ☆日本通運、九州・山口エリアの貨物を東京に集約し全世界に向け輸出する「国際海上混載サービス」を開始
    ☆JILSが新春記者発表会、大橋会長と渡邉副会長「サプライチェーン全体を見据えた効率化」を強調
    ☆SGリアルティが東京都江東区に都市型物流施設を着工、佐川急便「東京中継センター」を主要テナントに2025年7月の竣工を予定
    ☆国交省、先進安全自動車(ASV)導入など「事故防止対策支援推進事業」の申請受け付けを2月14日まで延長
    ☆建交労首都圏運輸労使協が総会で2024~25年度事業計画を決定、離職防止をテーマにセミナーも開く
    ☆東電物流など3社、電力業界初の撤去電柱をアップサイクルし住宅用地盤改良材に再生
    ☆国交省など関係省庁と関係団体、商用車のカーボンニュートラル達成に向け「カーボンニュートラルセンター」を立ち上げ
    ☆千葉運輸支局と千葉労働局が第14回「取引環境・労働時間改善協議会」を開催、労働時間等改善実態調査の結果を報告
    ☆物流業界の新年会

今週のユソー編集室

  • ▼先週は強い冬型の気圧配置と今シーズン最強クラスの寒波の襲来を受け、日本海側を中心に大雪に襲われた。
    ▼このため広範囲にわたって道路交通網が大きな影響を受け、物流ネットワークも混乱した。特に大動脈である名神高速道路では、関ヶ原インターチェンジ付近で大規模な立ち往生が発生し、上下線合わせて約770台の車両が19時間も足止めされた。
    ▼この大雪は、その前日に国土交通省が緊急発表を行い、運送事業者に悪質な立ち往生は行政処分の対象になること、荷主にも不要不急の運送依頼を控えるよう求めている。厳しい冬はまだまだ続くかもしれない。防げる立ち往生はしっかりと防いでいきたい。

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