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2023年9月4日付 2947号

標準的な運賃などの見直しに向けての検討開始 物流革新に向けた政策パッケージ受け 国交省

 国土交通省は、6月に示された「物流革新に向けた政策パッケージ」で、今年中に所要の見直しを図ることとされた「標準的な運賃」と「標準運送約款」について、見直しに向けた検討会を設置。8月30日に東京都千代田区の同省で初会合を開き、見直し・改定に向けた議論を開始した。
 「物流革新に向けた政策パッケージ」で、荷待ち・荷役の費用や燃料高騰によるコスト上昇分、下請けに発注する際の手数料などを荷主企業に適正に転嫁できるよう、今年中に標準的な運賃や標準運送約款について所要の見直しを図るとされたことを受けて検討会を設置したもので、委員は野尻俊明流通経済大学名誉教授を座長に、矢野裕児流通経済大学流通情報学部教授、首藤若菜立教大学経済学部教授、若林亜理砂駒澤大学法科大学院教授、小熊弘明国交省自動車局貨物課長、平澤崇裕国交省総合政策局物流政策課長、中野剛志経済産業省商務・サービスグループ物流企画室長、藏谷恵大農林水産省大臣官房新事業・食品産業部食品流通課長で構成。このほか、オブザーバーとして、馬渡雅敏全日本トラック協会副会長や労働組合の代表者らが参加している。

記事全文は電子版から。

北海道・奥尻島で買い物困難者の支援拡充 移動販売専用車をリニューアル ヤマト運輸

新規導入の専用車両は冷蔵・冷凍商品にも対応

 ヤマト運輸は8月28日、北海道・奥尻島で行っている移動販売専用の車両をリニューアルし、従来よりも大型で冷蔵・冷凍商品にも対応する車両を新規導入した。食品を中心としたより多くの商品ラインナップを販売できる環境を構築することで、買い物困難者に対する支援を拡充する。
 ヤマト運輸は奥尻島の住民の生活や買い物環境を支えるため、2021年11月に札幌市に本部を置くドラッグストアチェーン、サッポロドラッグストアーのサテライト店舗をヤマト運輸奥尻営業所内に設置。22年8月から移動販売専用車による出張販売の実証実験も行っている。
 今年7月25日にはサッポロドラッグストアーの持ち株会社であるサツドラホールディングスとパートナーシップ協定の基本合意書を締結。この中で、奥尻島で運行する移動販売用の新型専用車両の導入などを盛り込んだ。
 ヤマト運輸とサツドラHDは21年からヤマト運輸の道内4営業所でのサツドラ店舗商品の販売や、ヤマト運輸のウォークスルーを改造した移動販売車によるサツドラ店舗商品の販売などに取り組んでいる。協力分野が多岐にわたりそれぞれ成果を上げていることを踏まえ、あらためてパートナーシップ協定を締結している。

今週掲載トピック一覧

  • ☆総合物流施策大綱(2021~25年度)の23年度フォローアップ会合で示された施策の進捗状況

  • ☆NXHD、NECと共同でフォークリフトの自律遠隔搬送ソリューションを開発
    ☆セイノーHDなど4者、石川県小松市でドローン配送と陸上輸送を融合した新物流インフラ「SkyHub」のサービス開始
    ☆セイノーHD、本社経営企画室内に「インテリジェンスチーム」を設置
    ☆国交省、経産・環境両省と連携したエネ特来年度予算概算要求で「商用車の電動化促進事業」の対象に充電設備などを追加
    ☆中小企業庁、今年3月に実施した「価格交渉促進月間フォローアップ調査結果」の第2弾として発注側の評価を公表
    ☆東京都の燃料費高騰緊急対策事業が申請受け付けを開始、緑ナンバー車両1台当たり2万3千円を補助
    ☆国交省の「運行管理高度化ワーキンググループ」、業務前自動点呼などの実現に向けての検討始める
    ☆NX中国、日系企業で唯一「2023年中国物流企業トップ50」の称号を受賞
    ☆福山通運、千葉県内で16ヵ所目の拠点となる「千葉八千代支店」を開設
    ☆キユーソー流通システムが三菱食品と合弁会社、食品を中心に低温物流事業展開へ
    ☆損害保険ジャパン、トレードワルツと貿易デジタル化に向けAPIによるデータ連携を開始
    ☆日本ロジスティクスシステム協会、9~10月を「ロジスティクス強化月間」として各種イベントを展開
    ☆日本通信販売協会調べ、2022年度通販市場の売上高は前年度比約11%増の12兆7100億円で24年連続の増加に

今週のユソー編集室

  • ▼9月に入っても相変わらずの暑さで寝苦しい夜が続いている。そうした暑さとは無関係に、日々の安眠を得られず、昼間の強い眠気に悩まされる人たちがいる。SAS(睡眠時無呼吸症候群)の患者である。
    ▼谷川武順天堂大大学院教授によると、SASの治療を要する患者は全国で500万人以上いると推定されているが、実際に治療を受けているのは約40万人にとどまるという。
    ▼プロドライバーの中には、自覚症状がありながらも、乗務を外される可能性を恐れて、検査を避けているようなケースも少なくないという。
    ▼治療の可能なSASを早期に発見するためには、検査を受けやすい就業ルールなどの整備が必要だ。

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