輸送原価上昇分の一部転嫁などで景況感が小幅改善 今後も改善の見込み 全ト協
全日本トラック協会は10日、2023年4~6月期の景況感(第122回速報)を公表した。
運賃・料金の水準が改善し、輸送原価の上昇分の一部が価格転嫁できるようになったことを反映し、業界の景況感はマイナス32・1となり、1~3月期の前回調査より2・7ポイント改善した。今後の見通しも3・3ポイント改善した改善の見込み。
実働率はマイナス23・2と前回調査に比べ5・5ポイント悪化。実車率はマイナス23・2で6・3ポイント悪化し、輸送効率は悪化した。
採用状況は、マイナス19・9で5・7ポイント低下、雇用状況(労働力の不足感)は74・5で7・0ポイント低下し、不足感は緩和した。
所定外労働時間は、マイナス36・2で8・5ポイント減少、貨物の再委託(下請け運送会社への委託割合)は、マイナス17・3で5・4ポイント減少した。
経常損益は、マイナス33・2で1・0ポイント改善。
一般貨物の運賃・料金の水準は22・2で4・3ポイント改善したものの、輸送数量はマイナス37・0で12・2ポイント悪化したことから、売上高はマイナス28・4で7・3ポイント悪化した。
営業利益もマイナス41・6で11・5ポイント悪化している。
宅配貨物の運賃・料金の水準は15・6で21・5ポイント改善したものの、輸送数量はマイナス20・3で14・4ポイント悪化したことから、売上高はマイナス46・9で29・3ポイント悪化し、営業利益もマイナス40・6で17・1ポイント悪化した。
宅配以外の特積み貨物は、輸送数量がマイナス65・2で1・5ポイント改善、運賃・料金の水準も15・9で19・6ポイント改善したことから、売上高はマイナス52・2と14・5ポイント改善、営業利益はマイナス60・9と24・3ポイント改善している。
今後の見通しについては、輸送数量、営業収入、営業損益が改善する見込みを反映して業界の景況感はマイナス28・8と3・3ポイントの改善を見込んでいる。