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2023年5月15日付 2933号

既存NWの強靭化に向けSDの職務専門化 決算会見で表明 ヤマトHD栗栖副社長

 ヤマトホールディングスの栗栖利蔵代表取締役副社長は10日、電話会議形式で開いた2023年3月期の決算会見で、既存ネットワークの強靭化に向けて、拠点の集約・大型化を進めるとともに、職務を専門化するなどSDの働き方・体制を刷新する方針を示した。
 既存ネットワークの強靭化では、小規模・多店舗展開してきた宅急便営業所を集約・大型化し、ターミナルについても◎宅急便営業所との統合◎発送・到着作業の分離◎職務定義の見直しとフルタイマー・パートタイマーなど人材構成の標準化◎一部作業の外注化―を進め、安全・品質および働きやすさの向上と、輸送・作業・事務・管理コストの適正化を図る。23年3月時点で3331ある営業所を約1800(うち大型営業所約200)、76あるターミナルを70程度(発・着専用・共用ターミナル合計)にまで削減する。
 SDの働き方・体制刷新では、大口顧客の出荷比率増加に伴うSDの集荷・配達業務量のバランス変化や各業務の要求高度化によるマルチタスクの負担増加などを背景に、SDの職務を地域特性に合わせて「営業」「配達」「集荷」などに細分化し専門化。職務に応じた働き方・待遇を設計するとともに、配達特化型ドライバーの比率を高めることで、働きやすさや働きがい、専門性・サービス品質の向上、集荷対応力・営業力強化につなげる。

記事全文は電子版から。

物流事業者からの値上げ要請に「応じた」が95%超 22年度物流コスト調査 JILS

 日本ロジスティクスシステム協会はこのほど、2022年度物流コスト調査結果を公表した。全業種平均の売上高物流コスト比率は、物流事業者からの値上げ要請などを背景に、長期的な上昇傾向にあるが、22年度は過去最高を記録した21年度から0・39ポイント減少して5・31%となった。減少の理由については、「マクロ的には、コロナ禍当初の特異なビジネス環境における状況と比較して企業の売上高が回復し、その回復の勢いが物流コスト単価を上回ったことが要因の一つとして推測される」としている。また、物流事業者から値上げ要請を受けた企業のうち95・2%が「応じた」と回答していることが分かった。
 調査は、22年7~11月に実施し、195社から有効回答を得ており、回答総数は205社。
 売上高物流コスト比率を業種別で見ると、製造業が5・34%で0・32ポイント減少、非製造業は5・24%で0・56ポイントの減少となっており、非製造業のうち小売業が3・51%で2・57ポイントの減少となっている〓左表参照。
 物流コストの機能別構成比は、輸送費が55・1%、保管費が16・9%、その他(包装費、荷役費、物流管理費)が 28・0%。
 値上げ要請の有無については、回答企業164社のうち76・2%があったと回答し、前年度から5・3ポイント増加。値上げ要請のあった企業のうち95・2%が「応じた」と回答している。

今週掲載トピック一覧

  • ☆日本通運が熊本市に半導体事業所を開設、来年3月には「熊本ロジスティクスセンター」稼働へ
    ☆SGHD松本新社長の会見詳報、「先入観や過去に捉われず、全ての部分を強化」との方針示す
    ☆セイノーHD、エブリーとの資本業務提携でラストワンマイル配送を強化
    ☆三菱倉庫、8月目途に米・英の医薬品物流会社4社の株式を取得し連結子会社化
    ☆名鉄運輸が愛知県江南市に「名鉄トラックターミナル中部」開設、同社最大のトラックバースを設置
    ☆サカイ引越センター、地震災害支援で石川県珠洲市に緊急支援物資を輸送
    ☆YHCと日管協、賃貸住宅のエアコン回収スキーム構築に向け連携協定を締結
    ☆NXイタリア、ミラノの自社施設で医薬品輸送品質認証「CEIV Pharma」を取得
    ☆セイノーHD、徳島県佐那河内村など3者とドローンなど次世代技術活用による地方創生に向けた連携協定を締結
    ☆SBSHD、同社初の海外向けグローバルサイトを開設
    ☆多治見通運とJR貨物東海支社、全国の貨物駅をクロスドック拠点として活用する災害時バックアップ体制を構築
    ☆国交省、2023年度モーダルシフト等推進補助事業の公募始める
    ☆資源エネルギー庁の省エネ法に係る事業者評価制度、最高位のSランクに日本通運など
    ☆日本3PL協会が定時総会、関西以西での活動協会に向け「関西準備室」設置へ
    ☆WebKIT成約運賃指数、22ヵ月連続で前年同月上回る
    ☆アート引越センター、6月28日開催の小中生対象のサッカーイベントに特別協賛
    ☆物流各社の2023年3月期連結決算

今週のユソー編集室

  • ▼観光地などでは、電車やバスがコロナ前の水準に近い混雑を見せている。回復の兆しが見え始めた昨年11月ごろから、全国の乗り合いバス事業者は相次いで上限運賃の引き上げ申請を行っており、運輸審議会の答申を得て、すでに運賃値上げを実現している事業者も多い。
    ▼人の流れが戻ってくれば、バス・タクシードライバーの不足感は再び顕在化する。運賃値上げには、ドライバーの待遇改善の狙いも含まれているものとみられる。
    ▼トラックには認可運賃がない分、標準的な運賃の活用が重要だ。3月末現在で55%にとどまる届け出率を引き上げることが、業界全体でのドライバー確保にもつながることを肝に銘じたい。

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