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2023年5月1日付 2932号

元請け事業者に対し運送体制台帳義務付けを 新規措置案を提示 持続続可能な物流検討会

 国土交通省・農林水産省・経済産業省は4月27日、対面・オンライン併用で第9回「持続可能な物流の実現に向けた検討会」を開き、トラック輸送の下請け構造に関する実態調査の結果を報告するとともに、事務局が元請運送事業者に対して「運送体制台帳(下請け運送事業者リスト)」の作成を義務付けることを盛り込んだ新規措置案を提示した。
 実態調査は、トラック事業者向けアンケートと、荷主・実運送事業者・利用運増事業者向けヒアリングで実施。トラック事業者向けでは①荷主や元請け事業者等との関係性②下請け事業者との関係③発注手段や契約の書面化等の状況―についてアンケート調査を行い、全ト協の会員事業者4401社から回答を得た。
 下請けの利用状況については74%の事業者が利用していると回答し、下請け金額は受託金額のおおむね90%以上で委託している。下請けを利用する理由は、「自社のトラックドライバーが不足」「荷主からの突発的な運送依頼」が多い。
 中小零細事業者ほど3次請け以上となる割合が高く、資本金1千万円以下では「3次、4次、5次、それ以上、不明、把握不能」の合計が約15%に達している。
 真荷主との契約やトラック事業者同士の契約の両方でほとんどの契約が書面化されているものの、付帯業務料金や燃料サーチャージについては書面化されていない割合が高い。また、資本金が少ないほど書面化されていない割合が高い。
 契約書に記載のない付帯業務については、51%が「ある」と回答。そのうち85%がフォークリフトでの荷役があると回答している。
 荷主・実運送事業者・利用運送事業者14事業者に実施したヒアリングでは、次のような意見が出た。

記事全文は電子版から。

医薬品の製造・品質管理基準対応の文書記録管理システム導入 DXも実現へ ロジスティード

 ロジスティードは4月25日、グループの医薬品物流サービスに厚生労働省が定める医薬品の製造管理・品質管理の基準である「GMP」に対応した文書記録管理システムを導入したと発表した。
 医薬品は、製造工程だけでなく流通過程でも、品質低下のリスクを防ぎ患者の安全を確保するためデータインテグリティ(データが完全で一貫性があり正確であることを保証すること)への対応が求められており、同社では自主基準であるGDP(医薬品の適正流通基準)が将来的に厚生労働省により省令化されることも視野に入れ、製薬メーカーなどで実績のある日立産業制御ソリューションズの文書管理システム「HITQUAA」を導入した。日立産業制御ソリューションズとしても初めての物流事業者への導入であり、製造領域と同レベルの高品質な文書記録管理を物流領域へも展開する事例となる。
 システムの導入により、これまでの紙文書を中心とした管理手法では難しい、厳格な管理と承認作業の効率化という相反する課題を解決し、医薬品流通の安全性と信頼性の強化に貢献する。
 システムでは、ユーザー操作のシステム制御、改ざんや誤操作による文書消失の防止、文書の原本性の確保、電子署名機能や電子記録の監査証跡機能など、厚生労働省が定める ER/ES指針(医薬品等の承認や申請等に関する資料・原資料について、電磁的記録・電子署名を利用する際の必要な要件を定めたもの)に対応した厳格な管理を実現。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)により紙のコストや保管スペースを削減するとともに、保存管理を効率的に行えるようになり、これまで時間がかかっていた文書の検索や承認作業などのスピード化にもつながるとしている。

今週掲載トピック一覧

  • ☆2024年問題への対応(11)『第一貨物』
    磨き上げた採用活動 東北地域人気8位に

  • ☆春の叙勲・褒章、国土交通省関係の叙勲受章者は318人
    ☆NXHD、米国グループ会社がノースカロライナ州に医薬品専用倉庫を開設
    ☆SGHDが決算会見、6月就任予定の松本秀一新社長「厳しい環境を好機に」
    ☆トナミ運輸ほか、6月以降に富山県内で水素エンジン搭載トラックの実証実験を開始へ
    ☆三菱倉庫、ベトナムの物流会社ITLを持分法適用会社に
    ☆日本自動車ターミナル、東京都板橋区のトラックターミナルに同社初の2層式バースを竣工
    ☆国交省の堀内自動車局長が会見、関係閣僚会議が6月までにまとめる政策パッケージについて「スピード感を持って対応」
    ☆国交省の村上自動車局安全政策課長が春の交通安全運動前のインタビュー、飲酒運転の撲滅巡り「プロとして当たり前の取り組みを」
    ☆運総研がトラックの自動運転テーマにセミナー、4人のパネリストが課題と対応策を考察
    ☆全ト協、Gマークの申請受け付け期間は7月1~14日に
    ☆全ト協、環境対応車の導入に当たり最大100万円を補助
    ☆NX総研短観3月調査、トラック運賃・料金動向指数が過去最高値を記録
    ☆日本郵便の千田新社長が会見、協力会社とのパートナーシップ構築は「グループ全体の課題」
    ☆日本郵便、10月にゆうパックなどの付加サービス料金を改定
    ☆JP楽天ロジスティクス、東京都八王子市に「楽天24」の新物流センターを稼働
    ☆福山通運、東京都内で水素燃料電池トラックでの配送業務を開始
    ☆日本ロジテム、タイ現地法人が同国内に5ヵ所目の物流拠点を開設
    ☆AZ-COM丸和HD、2025年稼働に向け埼玉県松伏町に食品物流センターを建設
    ☆山九、天皇皇后両陛下が特例子会社「サンキュウ・ウィズ」を訪問
    ☆運輸労連・交通労連の春闘妥結状況(4月27日現在)

今週のユソー編集室

  • ▼ヤマト運輸は先日、6月1日発送分の荷物から、一部区間で配送予定日を翌日から翌々日に繰り下げると発表した。
    ▼2021年度初に約18万人いた同社リテール部門のパートタイマーを含む従業員数は、23年12月末段階で約17万4千人にまで減少している。因果関係は明らかではないが、EC需要激増による業務負担増大も背景にあるのではないだろうか。
    ▼ネットでは早速話題になっていたが、おおむね理解を示すコメントが多かった。社会インフラである宅配便を持続可能なものとするため、再配達防止に協力することはもちろん、いま一度自分にも問いかけたい。「その荷物は本当に明日必要なのか」と。

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