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2023年4月10日付 2929号

グループで最大規模 3PL事業などの強化で尼崎に新物流拠点 トナミ運輸

 トナミ運輸は6日、3PL事業などの強化のため兵庫県尼崎市に物流拠点を新設、5月8日から業務を開始すると発表した。延べ床面積は5万平方メートル規模とトナミグループ最大の施設となり、関西圏全体を網羅する広域配送の拠点としてサービスを展開する。

 新設する「新尼崎事業所」=写真左=は尼崎市東海岸町21の10に所在。同市内にあり狭あい化・老朽化した旧・尼崎支店と大阪市西淀川区にある関西センターを移転・同居させた上で、尼崎流通センターを新設。3事業所併設の複合施設となる。

 敷地面積は約2万3400平方メートル、建物は鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造)4階建て・延べ床面積約4万8900平方メートル。1階に尼崎支店、2階に尼崎流通センター、3・4階に関西センターが入居。1階が特積み事業、2~4階が3PL事業の拠点となる。危険物倉庫と屋外貯蔵施設も併設した。

 1階を鉄骨鉄筋コンクリート構造にすることで、南北の両面バースや防火区画の全面シャッター対応が可能となり、より一層の物流効率化に貢献。BCP対策として、津波・高潮を想定した受変電設備のかさ上げ設置とともに非常用発電機を装備した。

 全館LED照明を採用しているほか、自家消費型太陽光発電システムの導入により、施設電力使用量の一部を再生可能エネルギーで賄い、施設の脱炭素化も進めるなど、環境面にも配慮している。設備は貨物エレベーター4基、垂直搬送機6基、トラックバースは113台(1階76台、3階37台)分を整備。非常用・太陽光発電機も備えた。

 所在地の尼崎市東海岸町は大阪市の中心街から10キロメートル圏内に位置し、阪神高速道路湾岸線尼崎東海岸インターチェンジ(IC)から約1キロメートル、中島ICから約4キロメートル、同神戸線尼崎東IC、尼崎西ICからは約5キロメートルと、利便性も高い。

湾岸弥富PDセンター開設 脱炭素化の先進拠点に センコー

湾岸弥富PDセンター外観

 センコーは6日、愛知県弥富市に「湾岸弥富PDセンター」を開設した。

 センコーグループホールディングスが2020年9月に発行したグリーンプロジェクトに必要な資金調達のために発行する債券「グリーンボンド」を建設資金に充当、資本業務提携しているミライラボ社が開発した太陽光路面発電パネルをはじめとする蓄電・発電システムを導入し、脱炭素化を推進する先進拠点となる。

 伊勢湾岸自動車道湾岸弥富・弥富木曽岬インターチェンジに隣接し、名古屋港まで8キロメートルの好立地にあり、一般物流センターとして輸出入貨物の通関から保管、輸送までの一貫した物流サービスを提供することが可能。輸出入貨物やEC需要を取り込むとともに、住宅や自動車部品など既存顧客業務の効率的な運営と深耕、アパレル輸入商材の湾岸拠点として活用することで、中部エリアでのさらなる事業拡大を目指す。

 敷地面積2万9699平方メートル、延べ床面積4万4898平方メートル、高床倉庫・鉄骨造5階建て、低床倉庫・鉄骨造平屋建ての規模で、エレベーター2基、垂直搬送機6基、クライミングレベラー2基、太陽光自家発電、インタンクなどを備える。

 ミライラボ社製の太陽光路面発電パネル「Solar Mobiway」、中古EVの廃バッテリーを再利用した「EVリパーパス蓄電池」、リフィルバッテリー式発電機「G―CROSS」をセンコーグループの物流センターに初めて設置し、路面設置型の太陽光パネルは屋上設置型に比べて、既存拠点の駐車場などに後付けで設置しやすいことから、グループ全体での導入を視野にミライラボ社と共同で実証実験と改良を重ね、脱炭素化社会の実現に貢献していく方針。

今週掲載トピック一覧

  • ☆物流企業各社の入社式でのトップ訓示要旨
     NXHD・齋藤充社長 身の丈気にせず挑戦
     ヤマト運輸・長尾裕社長 疑問や興味持って
     JR貨物・犬飼新社長 基本をしっかりと
     西濃運輸・小寺康久社長 気概を持って業務を
     ロジスティード・髙木宏明社長 社会的責任自覚を
     センコー・杉本健司社長 立ち止まらずに前に
     SBSHD・鎌田正彦社長 失敗恐れず挑戦を
     三井倉庫HD・古賀博文社長 学びをやめないこと
     トナミ運輸・髙田和夫社長 責任もって仕事に
     近鉄エクスプレス・鳥居伸年社長 グローバル基準を
     第一貨物・米田総一郎社長 新しい力に期待を
     丸運・桑原豊社長 「利他自利」の精神で

  • ☆西濃運輸が経営体制を刷新、経営の意思決定迅速化に向け取締役を2人以内に
    ☆SBS東芝ロジと東芝エレベータ、エレベーター製品の鉄道輸送を東京~大阪間で開始
    ☆経産省、2024年度中に新東名に約100キロメートルの自動運転車用レーン整備へ
    ☆日本郵便、「ゆうゆうメルカリ便」に大型商品対応の120~170サイズを追加
    ☆佐川急便、PALTACと「サステナブル・ロジスティクス連携協定」に向けた基本合意を締結
    ☆日立物流が「ロジスティード」に商号変更でキックオフイベント、全社員にメッセージ送る
    ☆JR貨物と日本山村硝子の合弁会社が福井県に植物工場を竣工、高機能野菜を生産
    ☆traevo、車両動態管理プラットフォーム「traevo」の提供を本格化
    ☆NX総研調べ、2023年度の国内貨物輸送量は前年度比0・5%減見込む
    ☆3月のWebKIT運賃指数、21ヵ月連続で前年同月上回る
    ☆経産省の「物価高における流通業のあり方検討会」が報告書、物流分野についても言及
    ☆日倉協が倉庫業PR動画第2弾を公開、倉庫業で働く「人」をクローズアップ
    ☆東ト協理事会、2024年問題への対応強化を盛り込んだ23年度予算と事業計画を承認

今週のユソー編集室

  • ▼今年も真新しい黄色の帽子をかぶり、大きなランドセルを背負って、まだ通い慣れぬ通学路を少し緊張しながら登下校する小学生の姿を目にする時期を迎えた。
    ▼例年この時期には、春の全国交通安全運動が展開され、子供をはじめとする歩行者の安全確保などに向けて、関係省庁や自動車関連の企業・団体を主催者として全国民が取り組みを進める。
    ▼今年は統一地方選挙の影響などで5月11~20日に実施されるが、運動期間中に限らず、自動車をはじめ自転車や7月にルールが緩和される電動キックボードなど、すべての道路ユーザーは、歩行者の安全確保が道路交通の基本であるということを、いま一度胸に刻みたい。

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