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2023年1月30日付 2919号

トラックの標準的な運賃の延長の必要性認識 堀内国交省自動車局長 軽貨物で協議会を設置

 国土交通省の堀内丈太郎自動車局長は、26日の定例会見で、EC需要の増加に伴って急増している貨物軽自動車による事故の防止などを目的に「貨物軽自動車運送事業適正化協議会」を設置し、きょう30日に初会合を開くことを明らかにするとともに、昨年末現在の全国の届け出率が52%=表参照=にとどまり2024年3月末までの時限措置となっているトラックの標準的な運賃について、「道半ばの現状にあって、来年3月で時限措置が切れるというのがいいことなのか。不十分な中で終わらせるのはどうかと思う」とし、延長の必要があるとの認識を示した。

 標準的な運賃については、これまで関係事業者・業界団体などが延長・恒久化の必要性を訴えてきたことに加え、国交省が農林水産省・経済産業省とともに開催している「持続可能な物流の実現に向けた検討会」が先日示した中間取りまとめ案で、ドライバーの賃金水準の向上がまだ道半ばであることから時限措置の延長など所要の対応を検討する必要があると指摘するなど、延長の検討に向けた機運が高まっている。

 こうした状況に対し堀内局長は、20年の告示以降、標準的な運賃の届け出などを契機とした荷主との交渉が急速に増えているとの認識を強調。交渉の結果、望みどおりの結果が得られない事例も多いものと見ているが、適正なコストや利潤などからなる運賃を示す「ものさし」として標準的な運賃の果たす役割は大きいとの考えを示した。

 一方で、届け出が約半数の事業者にとどまる現状については、「十分ではない」とし、そうした状況の中で、期限を迎え措置が終了することについては、「どうかと思う」と述べ、「客観的な情勢としては、延長が必要なのではないかと認識している」とした。

 記事全文は電子版から

医薬品のシームレス流通体制 温度管理を可視化へ 三菱倉庫 メディパルHDと合意

 三菱倉庫とメディパルホールディングスは26日、医薬品流通過程の温度管理可視化に向けた実証実験を行うことで合意したと発表した。

 両社の持つ機能を融合させることで、医薬品のサプライチェーン全体において温度情報の可視化を実現するためのシームレスな流通体制の構築に向けた検証を実施する。

 医薬品卸から医療機関まで、厳格な温度管理が必要な保冷医薬品の温度情報を可視化し、三菱倉庫が構築した製薬企業から医薬品卸までのデータプラットフォーム「ML Chain」との連携を目指す。

 メディパルは、厳格な温度管理が求められる保冷医薬品の配送では温度ロガーを付けた特殊な保冷箱を使用しており、今回の実証実験では、保冷箱に取り付けられた温度ロガーにより取得する配送時の温度情報を「ML Chain」に送信する仕組みを構築する予定。

 両社はこれまで培ってきたGDP(医薬品の適正流通)対応の経験やノウハウを活用して、製薬企業の工場出荷時の「医薬品の完全性」をそのまま維持・担保するとともに、医療関係者や製薬企業に対して高品質な医薬品物流サービスを提供できるよう、協力して取り組んでいくとしている。

今週掲載トピック一覧

  • ☆23春闘展望
    ◎難波淳介運輸労連委員長「命を守る取り組み」
    ◎園田龍一交通労連委員長「格差是正へ強い思い」

  • ☆SGムービングとリネットジャパン、家電製品のリサイクルで全国31自治体と連携協定を締結
    ☆全ト協の坂本会長が記者会見、標準的な運賃交渉に向け「体当たりの交渉」訴える
    ☆運輸労連が中央委員会開催、賃上げ要求1万3700円中心など2023春闘方針を決定
    ☆明治と昭和産業、オートフロアコンテナ利用したラウンドユース化で物流の効率化推進
    ☆NXHD、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンドのウェブサイト公開
    ☆JFEグループ、国内初の2層式鋼材運搬船「JFE白隆」を就航
    ☆ヤマト運輸が配送連携API対象にクール宅急便を追加、顧客ニーズに対応
    ☆野村総研調べ、ドライバー不足で2030年には日本全国で約35%の荷物が配送不能に、共同輸送で供給不足に対応を
    ☆福山通運が岐阜県可児市と「災害時における物資輸送等に関する協定」を締結、四国福山通運は徳島県東みよし町と
    ☆富士物流、三重県四日市市の「三重物流センターA棟」に太陽光発電システムを導入、CO2排出量を約70%削減
    ☆セイノーHDなど7者、ドローン活用し千葉県勝浦市で地域課題の解決に貢献する新スマート物流「SkyHub」の提供始める
    ☆ヤマト運輸労組が春闘中央討論集会、森下委員長が「CtoC荷物拡大で退社食い止める」と強調
    ☆建交労首都圏労使協がSDGsなどをテーマに定例会とセミナー開催、2023年度事業計画を承認
    ☆ヤマト運輸、三井不動産と日鉄興和不動産が2024年9月に竣工する都内最大級の街づくり型物流施設に入居へ
    ☆NTTロジスコがフォークリフトオペレーターの技能コンテスト開催、安全教育に活用
    ☆日本ロジスティクスシステム協会が2月16・17の両日、大阪市で2024年問題と物流DXテーマに「ロジスティクス関西大会2023」を開催
    ☆JR貨物関西支社が広島銀行と業務提携し同行の顧客に物流最適化を提案する事業開始、第1弾として3月8日に勉強会
    ☆JIFFA、成績優秀者5人招いて2022年度「国際複合輸送士資格認定講座」の認定授与式開く
    ☆物流業界の新年会

今週のユソー編集室

  • ▼先週、強い寒波が日本列島を襲った。この影響を受け新名神高速などで、トラックの立ち往生が発生した。
    ▼昨年末に示された自動車運転者の新たな改善基準告示では、運転中の災害発生により道路が渋滞した場合など「予期し得ない事象に遭遇した場合」には、客観的な記録が認められる場合に限り、対応に要した時間を1日の拘束時間や運転時間などから除くことができるとの内容を新設している。
    ▼あくまで予期し得ない事象を対象にした特例だが、悪天候での無理な運行は労務管理上の問題だけでなく、ドライバーの命を守る観点からも絶対に避けねばならないことを、トラック事業者も荷主も心に刻む必要がある。

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