トラックの標準的な運賃の延長の必要性認識 堀内国交省自動車局長 軽貨物で協議会を設置
国土交通省の堀内丈太郎自動車局長は、26日の定例会見で、EC需要の増加に伴って急増している貨物軽自動車による事故の防止などを目的に「貨物軽自動車運送事業適正化協議会」を設置し、きょう30日に初会合を開くことを明らかにするとともに、昨年末現在の全国の届け出率が52%=表参照=にとどまり2024年3月末までの時限措置となっているトラックの標準的な運賃について、「道半ばの現状にあって、来年3月で時限措置が切れるというのがいいことなのか。不十分な中で終わらせるのはどうかと思う」とし、延長の必要があるとの認識を示した。
標準的な運賃については、これまで関係事業者・業界団体などが延長・恒久化の必要性を訴えてきたことに加え、国交省が農林水産省・経済産業省とともに開催している「持続可能な物流の実現に向けた検討会」が先日示した中間取りまとめ案で、ドライバーの賃金水準の向上がまだ道半ばであることから時限措置の延長など所要の対応を検討する必要があると指摘するなど、延長の検討に向けた機運が高まっている。
こうした状況に対し堀内局長は、20年の告示以降、標準的な運賃の届け出などを契機とした荷主との交渉が急速に増えているとの認識を強調。交渉の結果、望みどおりの結果が得られない事例も多いものと見ているが、適正なコストや利潤などからなる運賃を示す「ものさし」として標準的な運賃の果たす役割は大きいとの考えを示した。
一方で、届け出が約半数の事業者にとどまる現状については、「十分ではない」とし、そうした状況の中で、期限を迎え措置が終了することについては、「どうかと思う」と述べ、「客観的な情勢としては、延長が必要なのではないかと認識している」とした。
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