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2022年12月12日付 2914号

グリーン物流パートナーシップ優良事業者の大臣表彰など決定 22日に表彰式開催 国交省・経産省

 国土交通省と経済産業省は8日、2022年度物流パートナーシップ優良事業者表彰の受賞者を公表。国交省・経産省とも、大臣表彰1件、局長級表彰3件(物流DX・標準化表彰、物流構造改革、強靭・持続可能の各部門各1件)、グリーン物流パートナーシップ会議特別賞1件を表彰することを決定した。22日に開催の「グリーン物流パートナーシップ会議」で表彰式が行われる。

 国交大臣表彰を受賞した鈴与、富士フイルムロジスティックス、サッポログループ物流、南光運輸、MGCウッドケム、ユニリーバ・ジャパン、ライオン、PALTAKの8社による「異業種連携による中間拠点を起点にした中継輸送等の推進」では、輸送の起点を中間に置くことで空走距離を最大限短縮した中継輸送を実現。①統合配車センター機能と自動配車シミュレーションの活用②2拠点中継輸送③フェリー輸送と陸送の組み合わせ運行④戦略車両の投入―を実施して実車率の高い往復運行と車両使用台数削減によりCO2排出量を削減した。

 経産大臣表彰を受賞したホンダアクセスほか4社による「Honda純正アクセサリーの九州地区供給モーダルシフト」では、鉄道輸送へのモーダルシフトと輸送容器の導入により、ドライバーの長距離運行・荷役作業削減と環境負荷低減を実現した。

 そのほかの受賞事業概要は表のとおり。

物流連池田会長が2023年の展望語る「2024年問題目前に迫り業界課題が鮮明に」

会見する池田会長

 日本物流団体連合会の池田潤一郎会長は6日、東京都千代田区の海運クラブで記者会見し、2022年を「物流が混乱した年」と振り返るとともに、23年は「業界の課題がさらに鮮明に浮き上がってくる年になるだろう」と展望した。

 池田会長は22年について「外航海運の混乱や中国のロックダウン、半導体不足など、至る所でサプライチェーンが厳しい状況に置かれ、責任の一端は物流業界にもあった」と語り、物流が混乱し荷主のサプライチェーン見直しが進んだ1年と振り返った。

 その上で23年の展望について「米国西海岸の大量の滞船は解消されつつあり、荷物量の減少から混乱も収束してきているが、インフレによる労働者の家計圧迫等で欧州を中心にストライキの恐れがあり、一部で混乱は残るだろう」と分析。国内物流については「24年問題が目前に迫り、対応が大きくクローズアップされる。物流現場は厳しい状況で、コロナ禍以前のように低コストでなんでもやるのは不可能。対価をしっかりもらう必要があることについて、社会の認識は高まっていくだろう。業界の課題がさらに鮮明に浮かび上がる1年になるのではないか」と語りながら「物流業界もプロアクティブにさまざまなソリューションを提案していかなければ、将来的にサステナブルな発展は見通せない」とも強調した。

 自身の関心事としては、生産拠点の中国から日本への回帰の動きがあることに触れ「物量が増えるのでありがたい話ではあるが、労働力不足問題を抱える中で、果たして物流は対応できるのか」と疑問を呈した上で、荷主と物流事業者が認識を共有し、共同して対応していく必要があることを指摘した。

記事全文は電子版から

今週掲載トピック一覧

  • ☆ウオッチ(139) 『国際海上物流の今』

  • ☆物流連がモーダルシフト大賞の表彰式開催、大賞の三井倉庫HDなど各社を表彰
    ☆JR貨物がグループ社長会議、BCP対策で意見交換など行う
    ☆運輸労連が運輸セミナー、難波委員長が標準的な運賃届け出進め命を守り安全を確保する運動展開を訴える
    ☆センコー、ノーリツの物流業務を全面受託し東西2拠点に集約
    ☆澁澤倉庫、プラスオートメーションと共同で水平移動ロボットソーターと垂直移動ロボットソーターを統合運用する「物流3Dロボット」の実用化に成功
    ☆JIFFAが22年度上期国際複合輸送実績発表、輸入は復調で輸出入合計でも前年同期を1%上回る
    ☆センコーGHDが来年3月に日立造船子会社のオーナミを子会社化、重量物輸送拡大図る
    ☆SGHD、オープンイノベーションのパートナー企業4社を選定
    ☆第一貨物、関連会社都留貨物自動車の株取得し筆頭株主に
    ☆JR貨物、貨物鉄道論文賞と住田物流奨励賞の受賞作品を発表
    ☆ヤマト福祉財団、第23回小倉昌男賞の贈呈式開催
    ☆東ト協環境委、グリーン・エコプロジェクトの参加促進へさらなるインセンティブ付与を求める声があがる
    ☆警視庁三田署の飲酒運転根絶キャンペーンに東ト協港支部らが参加
    ☆東ト協引越専門部会、クレームの対応方法など学ぶ
    ☆日冷倉協が年末記者会見、池見会長が首都圏の庫腹不足も電気料金高騰に苦慮する現状明かす
    ☆日本郵便が物流専用ドローン公開、飛行距離35キロメートルなどレベル4飛行前提に開発
    ☆SBSHDが埼玉県に「LTラボ」開設、ロボットソリューションの検証施設を開設

今週のユソー編集室

  • ▼師走も中旬を迎え、気ぜわしい日々を送る読者も多いことだろう。コロナ禍前に比べると、まだ街のにぎわいは完全に戻っていないが、今年はサッカーワールドカップが世界中に熱気を加えた。
    ▼今年を振り返ると、「3年ぶり」をうたう催しや会合に立ち会う機会が多かった。新型コロナウイルス感染拡大の波はいま、第8波を迎えているが、ワクチン接種や感染予防対策の定着などにより「ウィズコロナ」がフレーズから現実に移行した。
    ▼その実現には、変化を受け止め、対応してきた物流の役割が大きかったことを忘れてはならない。物流というピッチで走り続ける多くのプレイヤーに感謝の気持ちをささげたい。

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