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2022年11月14日付 2910号

インタビュー NIPPON EXPRESS ホールディングス(株)執行役員 大辻智氏 高評価のソリューションと提案力でハイファッション物流さらなる強化へ

 ――アパレル産業の実績と目標値を。

 ファストファッションなども含め、21年度実績は日本が155億円、海外が787億円です。23年度を最終年度とする現経営計画では日本200億円、海外800億円の売上高を目標に設定しています。

 ――アパレル産業のうち、ご担当のハイファッション業界の動向は。

 いわゆる高級ブランドを指すわけですが、ハイファッションの定義そのものが明確に定まっていないこともあり、対象をどのように設定するかで統計データが大きく異なるものの、市場規模は堅調に伸びていくと言われています。以前は横ばいで推移していく業界と見られていましたが、新型コロナウイルス感染症拡大によって志向やライフスタイルが変わり高級品への購買意欲が高まっており、ある調査機関ではハイファッション業界は年率3.7%で伸長していくと予測しています。

 ――ハイファッションを扱う物流の市場規模は。

 こちらも調査機関によって差はありますが、あるシンクタンクの調べでは20年の売上高は2500億米ドル市場と推計されています。

 ――ハイファッション物流を開始したイタリアでのM&A戦略等について。

 当社は13年に、イタリアで高級ファッションブランドを中心としたアパレル関連のフォワーディング事業を展開するフランコ・ヴァーゴを買収し、18年には同じく高級ファッションブランドを主要顧客とし、ファッション、ライフスタイル関連の倉庫保管・配送サービスを中心とした事業を、イタリアをはじめ欧州や米国において展開するトラコンフの買収を行いました。

 フランコ・ヴァーゴはフォワーディング、トラコンフはロジスティクス、倉庫、域内配送の機能を有していました。

 当時、私は欧州日通(現・NX欧州)に出向していて、両社のロジスティクス、倉庫、フォワーディングの機能を生かし、その行き先であるアジアにおいて日本通運とアジア各現地法人とをつなげることで、ハイファッション向けのサービスを強化するという戦略のもと、両案件のM&Aに携わりました。

 また、人的なネットワークも重要な要素で、この業界は、「はじめまして」では入口にさえ入ることができない敷居の高さがあり、両社に仲間になってもらい、突破口を開いてもらおうと考えたのです。

 20年には、旧イタリア日通とフランコ・ヴァーゴ、トラコンフの3社を経営統合し、新生イタリア日通(現・NXイタリア)を発足させ、ハイファッション物流を本格的に事業展開する上で、NXグループの要としています。
  
記事全文は電子版から。

物流関連の法令など実効性に欠く運用に対する委員からの指摘相次ぐ 持続可能な物流検討会

 国土交通省・農林水産省・経済産業省は11日、対面・オンライン併用で第3回「持続可能な物流の実現に向けた検討会」を開催し、関係者ヒアリングを行うとともに、中間とりまとめに向けた論点整理などについて審議。論点整理では委員から現行の物流に関する法令やガイドラインが実効性ある形で運用されていない点を問題視する意見が相次いだ。

 会合ではまず、NX総合研究所取締役の大島弘明委員が、前回会合で示した改善基準告示改正で不足する営業用トラックの輸送トン数について、修正後の試算値が年間拘束時間3300時間ではコロナ禍前の2019年度との比較で4.0億トンとなったことなどを説明。併せて発荷主別・地域別の不足輸送能力を示し、発荷主別では農産・水産品出荷団体が3.5%、地域別では中国地方が20.0%で、それぞれ最も高い数値となったことを紹介した。

記事全文は電子版から。

今週掲載トピック一覧

  • ☆インタビュー―NIPPON EXPRESS ホールディングス執行役員・大辻智氏

  • ☆政府が本年度2次補正予算を発表、高速道路料金の大口・多頻度割引率50%への引き上げを1年間延長
    ☆物流連がモーダルシフト優良事業者発表、大賞に三井倉庫HDの建機に関する海上モーダルシフトを選出
    ☆ヤマトHD・栗栖副社長が決算会見、改革投資先行で大幅減益も「やるべきこと順調に」との認識示す
    ☆トナミHD・髙田専務が決算会見、営業利益の目標達成見通しを受け適正運賃収受活動の継続でさらなる改善に意欲
    ☆運輸労連の年末一時金闘争が最初のヤマ場、大手妥結状況は前年比減額の組合が増加
    ☆日倉協・日冷倉協など、自民党倉庫議連に電気料金高騰対策など要望
    ☆トナミ運輸のお歳暮ギフト、富山・石川・福井えりすぐり・北陸3県の旬の味
    ☆全労連・建交労が軽貨物ドライバーの働き方を考えるシンポジウム開催、労働実態把握調査やドライバー同士の連携強化・交渉力を高める勉強会開催などを訴える
    ☆ヤマト運輸・京セラコミュニケーションシステム、北海道石狩市で無人自動配送ロボットを活用した実証実験開始
    ☆佐川急便が福岡県大川市と包括連携協定を締結、防災や地域活性化など
    ☆SIP管理法人がシンポジウム開催、最終年度迎え技術開発は順調に進む
    ☆国交省、ダブル連結トラックの走行可能区間拡充や高速サービスエリア等での優先駐車マス整備計画など発表
    ☆東京都、燃料高騰対策で営業用トラック1台当たり2万3千円を支援
    ☆物流各社の第2四半期決算

今週のユソー編集室

  • ▼10日に開かれたSIP「スマート物流サービス」のシンポジウムでは、5年間の研究開発期間の最終年度を迎えた同サービスの技術開発や社会実装に関する報告などが行われ、物流・商流データ基盤を開発して幅広い領域のデータ連携により物流効率化を図るというプロジェクトは、すでに実装の段階に入っていると感じた。
    ▼同サービスのうち、「地域物流」では、実証のメインフィールドになっている岐阜県が予算を計上し、データ基盤の活用を通じて物流効率化に取り組もうとする荷主などに支援を行っている。
    ▼これまで競争相手だった同業他社とのデータ提供を通じた「協創」により、持続的な物流の実現につなげたい。

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