労働局と運輸支局長が優良企業を合同訪問 岡山労働局・岡山運輸支局
岡山労働局と岡山運輸支局はこのほど、厚生労働省の「過重労働解消キャンペーン」の一環として、中四国地方では初めて両局長が合同で県内の優良運送事業者を訪問すると発表した。実施日時は21日午前10時から1時間半程度で、成毛節岡山労働局長と出口敦岡山運輸支局長が、岡山市中区の鶴信運輸を訪問する。
鶴信運輸は岡山・広島・山口・兵庫・神奈川の各県に拠点を構え、従業員約160人・車両約130台の規模で、一般貨物自動車運送事業と産業廃棄物収集運搬事業を展開している。
働きやすい職場づくりや長時間労働の削減に向けた取り組みでは、スワップボディコンテナ車両による中継輸送の導入で日帰り運行を実現したほか、コンテナの切り替え作業をドライバー以外が行うことで労働時間短縮も図った。年次有給休暇についても取得率の向上を図っており、2021年に取得率52%を達成。このほか休憩室に酸素カプセル等の健康器具を設置するなど健康経営にも取り組んでおり、20年には「働きやすい職場認証」を取得している。
両局長は鶴信運輸の経営トップから、これらの労働時間削減やドライバー不足解消に向けた具体的な取り組み事例を聞くほか、従業員も交え意見交換などを行う予定。
厚生労働省では、過労死等の防止の重要性について国民の関心と理解を深めるため、毎年11月を「過労死等防止啓発月間」と定め、過重労働解消キャンペーンの展開など各種取り組みを行っている。キャンペーンでは、都道府県の労働局長が働きやすい職場づくりや長時間労働削減に積極的に取り組む「ベストプラクティス企業」を訪問し、優良事例の周知を図っている。
一方で岡山運輸支局は、2024年4月のトラックドライバーに係る時間外労働上限規制の適用が迫る中、トラック運送業界の働き方改革を業界全体に幅広く周知をしていく必要があるとして、労働局と合同でベストプラクティス企業を訪問することを決めた。岡山運輸支局はこれについて「省庁間でしっかりと連携を図りながら、これまで以上に安全・安心な輸送の確保に努めていく」としている。