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2022年10月17日付 2906号

2025年度のコンテナ輸送量196億トンキロの必達へ JR貨物が数値目標を発表

 JR貨物は12日、国土交通省の「今後の鉄道物流のあり方に関する検討会」が7月に公表した中間とりまとめを受けて、2025年度の重要目標達成指標(KGI)と重要業績評価指標(KPI)を発表。コンテナ輸送量の具体的な増送目標を定め、積載率の向上を中心に目標達成を目指す姿勢を示した。

 KGIは20年度に168億トンキロだったコンテナ輸送量について、25年度のチャレンジ目標を総合物流施策大綱の目標値である209億トンキロに設定し、必達目標は過去最高だった17年度の積載率を元に196億トンキロとした。

 達成に向けたKPI=表参照=では、20年度に69.6%だった全日平均の積載率について、チャレンジ目標81.2%、必達目標76.5%に設定。定温コンテナと31フィートコンテナ輸送量は20年度比11.2%増、中距離帯(400~600キロメートル)の輸送は23.8%増を目指すほか、関東~関西間で5トンに満たない小口貨物の混載・共同輸送の定期ルート設定や、積替ステーションの4駅から22駅の拡大などを盛り込んだ。

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3年ぶりび事業者大会開く 全国から1100人参集 全ト協

 全日本トラック協会は5日、名古屋市の名古屋東急ホテルで3年ぶりとなる事業者大会を開催。全国から約1100人が参集し、分科会でのパネルディスカッションを通じて健康経営やドライバーの働き方改革に関して取り組み事例などを学ぶとともに、燃料高騰対策の推進や標準的な運賃・燃料サーチャージの活用による適正運賃・料金の収受推進などを柱とする大会決議を行った。

 27回目となった今大会の冒頭であいさつした坂本克己会長は、3年ぶりに開催することができた事業者大会を通じて会員相互の協調を深めたいと述べた上で、「現場で汗を流しているドライバーに、最低でも世間並みの給料を家庭に持ち帰ってもらえる業界にしなければならない」との考えをあらためて強調。2018年12月に改正された貨物自動車運送事業法に盛り込まれている規制の適正化による「悪質事業者の排除」や、標準的な運賃と燃料サーチャージの活用による適正運賃・料金収受を通じたエッセンシャルワーカーとしての経営基盤強化などを進めていく必要があるとの考えを示した。

 また、荷主対策については、国土交通省のほか、荷主を所管する経済産業省や農林水産省、公正取引委員会が「悪徳荷主を“とっちめる”体制ができている」と説明。「右手に運賃・料金、左手に荷主対策を武器に、荷主との交渉でこれまで以上にアタックしていく必要がある」とした。

 さらに、改善基準告示見直しの議論の中で、発着荷主に対して恒常的な荷待ち時間を発生させないことなどについて、労働基準監督署による「要請」などが実施される方針が示されたことに触れ、「地元の監督署が一気にやっつける運びになっている。(要請に従わない荷主については)どんどん申告する必要がある」と述べるとともに、「勇気を持って荷主に思いを届ける交渉につながるようにという気持ちで大会を開いた」と、事業者大会開催の意義をあらためて強調した。

記事全文は電子版から。

今週掲載トピック一覧

  • ☆特集・全国トラックドライバー・コンテスト

  • ☆日本通運、四日市市の半導体新センターがサービス開始
    ☆ヤマトオートワークス、本年度は原点回帰で計画精度向上への取り組み推進
    ☆運輸労連が運輸問題研究集会開く、先人の思い忘れず労働条件改善へ
    ☆日通労連が定期大会開く、組織名称を「NX労連」に
    ☆陸災防がフォークリフト運転競技大会開く、一般・女性の両部門で日立物流がダブル優勝
    ☆持続可能な物流検討会、改善基準告示改正の影響で19年度比4億トンの輸送量不足との試算示される
    ☆センコーGHD、旭化成開発のボックス利用し冷蔵品混載輸送開始
    ☆NXHD創立記念で齋藤社長が社内メッセージ、「安全・コンプライアンス・品質」を基盤に「NXブランド」への信頼盤石に
    ☆セイノーHDほか、茨城県境町でドローンと自動運転バスを組み合わせたスマート物流の実装目指す連携協定締結
    ☆ヤマト運輸の長尾社長がアマゾンのオンラインイベントに出演、保冷輸送ネットワークの改革で食品などの販売事業者にさらなる機会拡大提供へ
    ☆NX総研が22年度の国内貨物輸送量見通し発表、総輸送量は再びマイナスへの転換を予想
    ☆NX総研、倉庫内作業計測の自動化で海洋大と共同研究開始
    ☆丹羽国交省道路局長が会見、物流円滑化に向けた道路施策を引き続き着実に実施する考え示す
    ☆農水省が青果物流通標準化検討会で物流事業者へのアンケート結果公表、標準化が進む一方でさらなるパレットサイズ統一や荷主の理解・協力が必要との認識示される
    ☆物流博物館、鉄道史学会住田奨励賞特別賞を受賞

今週のユソー編集室

  • ▼今月中にも軽乗用車を使用した貨物軽自動車運送事業が解禁される。
    ▼6月に閣議決定された規制改革実施計画を踏まえたもので、これまで貨物車両にのみ認めてきた軽貨物自動車運送を軽乗用車にも認めることから、ラストマイルの担い手拡大への期待も高い。
    ▼ただ、軽乗用車による貨物運送を行う場合にも運輸支局などへの届け出や黒ナンバーの取得が必要で、2輪車のフードデリバリーのように気軽に開始することはできない。
    ▼電動キックボードやドローンにも言えることだが、規制改革などによって生まれた乗り物には、ルールのわかりにくいものが多い。制度開始に当たっては、丁寧なルールの周知が不可欠だ。

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