インタビュー―ヤマト運輸(株)執行役員DX推進担当・中林紀彦氏
データ・ドリブン経営で資源の最適配置や新サービス開発も
データ・ドリブン経営の推進を担当しています。当社は2020年1月に経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」、21年1月に中期経営計画「Oneヤマト2023」を発表し、その中で「データ・ドリブン経営への転換」を掲げています。
現在、DXを進めていくために必要となるデジタル基盤「Yamato Digital Platform(YDP、ヤマトデジタルプラットフォーム)」をクラウド上に構築しています。基本設計となるアーキテクチャをデザインし、社会環境やニーズが変化してもすぐに対応するためのデジタル基盤です。デザインとは、デジタルの中に仮想の都市や建造物を作っていくような感覚です。例えば、増改築を繰り返した旅館よりも、最初から一棟建てのホテルを建てた方が宿泊者にとって利用しやすい構造になります。
YDPの現状は、都市に例えると道路や電気・ガス・水道などのインフラが整い、その上に必要な建物を建築しているところです。YDPで作った仕組みの一つが、EC向け配送商品「EAZY」です。その後もいくつかのサービスを提供していますが、直近では個人向け会員サービス「クロネコメンバーズ」のリニューアルや、複数のデジタルキーに対応し、オートロック付きマンションでもEAZYの置き配を可能とする「マルチデジタルキープラットフォーム」も、YDP上に構築しました。
20年6月以降に発表した商品・サービスは、ほぼ全てYDP上に構築しています。
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