運転者の拘束時間など20年度に比べ減少に 労政審専門委が告示見直しに向けた会合開催
労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会(藤村博之委員長)は14日、東京都港区の三田共用会議所で第7回会合を開き、トラックドライバーの改善基準告示見直しに向けて2020年度に引き続いて実施した21年度の労働時間等の実態調査結果を報告するとともに、バス、タクシー・ハイヤーの各作業部会での議論を踏まえた告示見直しの追加案などについて審議した。
実態調査は、バス、タクシー・ハイヤーについては20年度に実施した調査結果を、告示見直しに向けた議論のたたき台として活用してきたが、トラックについては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う物流への影響を考慮して、21年度も引き続き実施。20年度の2倍となる1410事業所8460人を対象に調査を行い、427事業所(回答率30.3%)、1712人(20.2%)から回答を得た。
1年間の拘束時間については、「3300時間以上」との回答の割合が21.7%で20年度調査より7.6ポイント減少。
繁忙期の休日労働の回数についても「1回以上」が34.5%で13.7ポイント減少、「3回以上」も14.5%で16.5ポイント減少している。
このうち、20年度に回答のあった257社1542人に行った追跡調査では、1年間の拘束時間が3300時間以上の事業者の割合は21.2%で5.5ポイント減少、繁忙期の休日労働の回数も「1回以上」が33.7%で15.3ポイント減少、「3回以上」も17.2%で12.7ポイント減少するなど、全体的に年間の拘束・労働時間が減少している。
併せて実施された運転者の疲労度の医学的な調査の結果については、長距離トラックでは1運行の拘束時間が長くなると疲労が強まることや、ルート配送では業務間の休息時間の長さと急性疲労には負の関係が見られることなどが報告された。
こうした結果を踏まえ、21日にはトラック作業部会を開催し、告示見直しに向けた本格的な議論をスタートさせる。
記事全文は電子版から。