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2021年12月13日付 2867号

新たな環境行動計画にグリーン物流推進等盛り込む 社整審・交政審環境部会合同会議

 社会資本整備審議会環境部会と交通政策審議会交通体系分科会環境部会は7日、ウェブ会議形式で第38回合同会議を開き、2030年度までを期間とする新たな環境行動計画案について審議。計画案では、50年のカーボンニュートラル達成を見据え、国土交通分野でのグリーン化に向けた重点施策として、事業用トラックへの次世代自動車の普及促進やトラック輸送の効率化を通じたグリーン物流の推進などを盛り込んでいる。

 現行計画は、14年に策定、17年に改定されたが、政府の地球温暖化対策計画や気候変動適応計画の改定などを踏まえ、今月中に30年度までを期間とする新たな計画に改定することとしている。

 計画案は7月に作成された「国土交通グリーンチャレンジ」をベースにしており、関連施策の指標を85項目設定している。

 次世代自動車を活用した交通・物流サービスの推進では、「物流のサプライチェーン全体を通じた次世代自動車活用の取り組み推進」として、地域内輸配送の電動化や長距離輸送での燃料電池トラックの開発・普及などを行うとともに、次世代自動車に対する導入補助や税制優遇などを通じて、事業用トラックなどへの導入を促進するとしている。

 グリーン物流の推進では、共同輸配送の取り組み件数を13年度に対して30年度までに346%増加させるとの目標値を掲げている。

 トラック輸送の効率化・共同輸配送等の推進では、車両の大型化として13年度に9万8720台となっているトレーラーの保有台数を18万9371台まで増加させるなどの指標を設定。

 ドローン物流については、20年度1件にとどまっている「地方公共団体における社会実装の件数」を、30年度までに1496件に引き上げるとする意欲的な目標値となっている。

大阪・関西万博で場内貨物指定事業者に 日通

 日本通運(齋藤充社長)は9日、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の主催団体である「2025年日本国際博覧会協会」から、会場内の輸送を行う「場内貨物取扱指定事業者」と、出展関係者などの輸送に関する「推奨物流事業者」の指名を受けたと発表した。

 大阪・関西万博は25年4月13日~10月13日の間、大阪市の夢洲で「いのち輝く未来社会のデザイン"Designing Future Society for Our Lives"」をテーマとして開催される。日本国政府と博覧会協会は、昨年12月1日から招請活動を開始し、現在150の国、25の国際機関の参加を目指して準備が進められている。

 同社は、これまで日本国内で開催された過去5回の万博に、物流事業者として参加し、多様な輸送モード・グローバルネットワーク・現場力を生かし、人、企業、地域を結び社会の発展を支えてきたとしている。

 この大阪・関西万博も、コンセプトである「―People's Living Lab―未来社会の実験場」に共感し、同社グループの長期ビジョン「イノベーションによる新たな価値創造」を実践する場として、DXなど先進的な取り組みを駆使し、大阪・関西万博の開催とその成功に向けて、企業メッセージ「We Find the Way」のもとサポートしていくとしている。

 同社の過去の国際博覧会取り扱い実績は次のとおり。◎1970年「日本万国博覧会(大阪万博)」◎75年「沖縄国際海洋博覧会」◎85年「国際科学技術博覧会(つくば科学万博)」◎90年「国際花と緑の博覧会(大阪花の万博)」◎2005年「日本国際博覧会(愛・地球博)」。

今週掲載トピック一覧

  • ☆ウォッチ(127) 『中国「総合輸送サービスの第14次5ヵ年発展計画」を読む』
    ☆2024年問題への対応(4)『TAKAIDOクールフロー』

  • ☆三井倉庫HD古賀社長が記者会見で次期経営計画の方向性示す、DX投資100億円規模に
    ☆運輸労連・難波委員長が運輸セミナーであいさつ、ドライバー不足対応は物流を利用する皆が自分事として対策を
    ☆JR貨物グループ社長会議で真貝社長があいさつ、モチベーション上げる行動等で長期ビジョンの四つの価値提供へ
    ☆アートコーポレーションが来年1月に商号変更し「アート引越センター」へ
    ☆国交省・経産省、グリーン物流パートナーシップの優良事業者を公表
    ☆トナミ運輸バドミントン部のホキコバペアが世界大会で年間チャンピオンに、史上初の快挙
    ☆SGHDが気候変動対応で最高評価を国際団体から認定、国内陸運企業で初
    ☆ヤマト福祉財団が小倉昌男賞の贈呈式開催
    ☆ヤマト運輸が岡山県和気町でドローンによる医薬品輸送の実証実験をスタート
    ☆NTTロジスコが2021年度グループ優良事例報告会で1位に名古屋物流センター選出、標準化と生産性向上
    ☆フィジカルインターネット実現会議が第3回会合を開く、フィジカルインターネット実現の分かりやすいイメージ案を議論
    ☆物流博物館、12月のマンスリー上映会で重量品輸送の2作品
    ☆日通商事がカンボジア青年連盟から感謝状を受贈、使用済みオフィス家具404台を寄付
    ☆全ト協・日貨協連、11月のWebKIT成約運賃指数は5ヵ月連続前年同月比増
    ☆物流連が第23回物流環境大賞の募集開始、来月3年まで

今週のユソー編集室

  • ▼2日に全日本トラック協会などが開いた「燃料価格高騰経営危機突破総決起大会」では、主催者のみならず、来賓の国会議員や参加の労働組合・自動車・石油関連団体の関係者まで、燃料価格高騰による自動車運送事業への影響を「国家の一大事」として、危機感を共有した。
    ▼「激励」として壇上に上がった藤井聡京大大学院教授は、物流費の高騰は経済の停滞につながることから、「放置すれば財政が悪化する」と指摘。補助金などの対策をしっかり行うよう岸田文雄内閣に求め、満場の拍手を集めた。
    ▼燃料価格はいったん落ち着いても、繰り返し高騰の危機が訪れる。目先の経済対策だけでなく、中長期的な対策も不可欠だ。

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