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2021年11月22日付 2865号

NXグループ 来年1月の組織・役員陣容を発表グループ118社の社名変更も

 日本通運(齋藤充社長)は16日、来年1月4日の持ち株会社「NIPPON EXPRESSホールディングス」への移行に向け、組織体制、役員人事、グループ会社の社名変更等について発表した。経営計画『日通グループ経営計画2023~非連続な成長(Dynamic Growth)~』に掲げる長期ビジョン「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニー」の実現に向け、グループ経営の一層の強化と各事業の専門性と競争力を高め、グループの持続的な成長と企業価値向上を図るための新たな経営体制が年明けに始動する。

 組織体制では、持ち株会社の組織設計について、持ち株会社としての役割である経営戦略機能、コーポレートマネジメント機能、リスクマネジメント機能、グローバル事業推進機能に対応した4本部体制を取る。 事業会社となる日本通運の本社組織については、現在の部門を廃止するとともに、本部についても7本部から6本部へと見直し、組織の効率化を図る。また、海外ブロックは持ち株会社の直下に配置する。

 役員人事では、持ち株会社に渡邉健二代表取締役会長、齋藤充代表取締役社長、堀切智代表取締役副社長が就任するとともに、近藤晃専務執行役員が副社長執行役員に昇格する。日本通運は齋藤代表取締役社長、堀切代表取締役副社長が就任し、近藤専務執行役員が代表取締役副社長、中村栄一専務執行役員が代表取締役副社長に昇格する。

 グループ会社の社名変更では、日通商事のNX商事への社名変更をはじめとする国内関係会社43社、米国日本通運のNXアメリカへの社名変更をはじめする海外関係会社75社、合計118社の変更を行う(一部会社は変更予定時期が異なる)。

戦略的費用の増加もなんとか増収増益に ヤマトHD決算会見

 ヤマトホールディングス(長尾裕社長)の樫本敦司常務執行役員は12日、電話会見で2022年3月期通期連結決算の内容を説明した。

 22年3月期は、リテール部門で宅急便が小口法人顧客を中心に取扱個数を伸ばしたことに加え、法人部門でEC需要取り込みや輸出入の回復、法人顧客の物流最適化の取り組みが奏功し、増収を達成。営業費用は、下払い経費が39.4%増の1691億円となった一方で、人件費は1.6%減の4320億円にとどまった。経常利益には投資事業運用益41億円を計上しており、当期純利益では退職給付制度改定費用149億円を特別損失として計上している。ネコポスを除く宅急便単価は7円減の693円、ネコポスの単価は10円減の191円。

 樫本常務は決算の評価として、コロナ禍でのEC需要拡大などによる取扱数量の増大はあったものの、原価構造を変えてEC物流に対応するためのオペレーション改革など、戦略的費用も増大していることを指摘し「なんとか増収増益にこぎつけた」と慎重な構えを見せた。

 通期については、ネコポスを除く宅急便の取扱個数が18億8100万個、ネコポスが4億1900万個を予想し、宅急便全体では当初予想と変わらず23億個の取り扱いを見込む。ネコポスを除く単価は当初予想比1円減の694円、ネコポスは同1円増の191円を想定している。

今週掲載トピック一覧

  • ☆特集・日通警備
    インタビュー―日本通運執行役員警備輸送事業部担当・藤代正司氏

  • ☆日本通運、来年1月の新体制移行後の組織は現行7本部体制を6本部体制に
    ☆新生「NIPPON EXPRESSホールディングス」と日本通運の役員陣容
    ☆トナミHD・綿貫社長が決算会見、燃料高騰に懸念も物量回復に期待感
    ☆全ト協7~9月景況感、輸送量は改善基調も燃料高騰受け景況感は悪化
    ☆セイノーHD・田口社長が決算会見、ロジ事業強化を継続し顧客サプライチェーン効率化のワンストップ対応窓口を同業他社にも拡大へ
    ☆JR貨物・真貝社長が定例会見、カーボンニュートラルプロジェクトで社員から提案300件
    ☆自民党倉庫議連が総会、日倉協・日冷倉協が物流施設の税制延長等要望
    ☆全ト協がロボット点呼機器導入に10万円補助、申請受け付け開始

今週のユソー編集室

  • ▼全日本トラック協会が12日に発表した今年7~9月期の景況感では、貨物輸送量が回復基調にあるものの、燃料価格の上昇により利益面が悪化、労働力の不足感も強まっている実態が浮き彫りになった。
    ▼貨物量が回復し、「これから」という時期に燃料価格が上がり、人手の確保に必要な原資の手当てが追い付かない状況が透けて見える。
    ▼こうした状況に対して国土交通省はこのほど、荷主関係団体に対してトラック事業者と協議の上、燃料費の上昇分を反映した運賃・料金への見直しを行うことなどを傘下会員に周知するよう求める文書を発出した。要請にとどまらず、荷主勧告・公表など具体的かつ強力な対策も急務だ。

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