官民物流懇談会パレット標準化推進分科会の初会合開催 標準化の検討は平パレットを優先 国交省
国土交通省は7日、ウェブ会議形式で「官民物流懇談会パレット標準化推進分科会」(味水祐毅座長)の初会合を開催。物流の生産性向上に高い効果が期待されるパレットの標準化に向け、国内外のパレット標準化の進捗状況などに関する実態調査を行うことや、幹線輸送で広く使用されている平パレットを優先的に標準化検討の対象とすることを決めた。
初会合では、分科会の今後の進め方について、「第1段階」として①実態調査②検討対象パレットの優先順位決定③パレットサイズ・使用に関する標準化方針検討④パレットの運用方法にかかる標準化方針検討⑤パレット標準化実証等―などを行い、「第2段階」として第1段階の結果を踏まえた標準化の具体的推進方策の取りまとめを行うとの事務局案が示され了承された。
検討期間は、現段階では厳密には決定しておらず、本年度を初年度とする総合物流施策大綱(2021~25年度)の期間である5年程度を想定しているが、早期の標準化を実現するため、前倒しで最終的な取りまとめを行う可能性もある。
実態調査では、国交省が荷主サイドのパレット利用実態や事例調査、効果・コストの試算などを行い、日本物流団体連合会の物流標準化小委員会が物流事業者サイドの実態を調査する。
国交省が行う調査では、業種別の利用実態やパレット化が進まない理由、海外でのパレット標準化の背景・推進体制などを調べる(左表参照)。調査は早ければ年度内に開始し、半年から1年程度をかけて行う。
物流連の小員会は、すでに調査を開始しており、物流連の会員約60社と倉庫協会会員110社にアンケート調査票を送付、回収している。
検討対象パレットの優先順位については、平パレット、ロールボックスパレット、シートパレットのうち、幹線輸送で広く使用され、普及によりトラックドライバーの長時間労働是正に大きな効果の見込まれる平パレットを他のパレットに先駆けて標準化検討の対象とする。
分科会は、4ヵ月に1回程度開催し、2022年度に第2回会合が開かれる物流標準化懇談会に分科会での議論の進捗を報告する。
初会合では委員から「パレットの標準化は長い間課題となっていたが、物流クライシスが目前に迫る中、今回こそ″総論賛成各論反対″の壁を越えて、連携して取り組みたい」「荷主側の理解と協力が必要」「サイズに加え、品質についても決定しないと規格にはならない」「標準化が進まないボトルネックについて調べる必要がある」「パレットの使用によって積載率が下がることに対するメリットを示すことで課題を乗り越えることができる」「標準化に当たって″あきらめた部分″などについて海外の事例も参考にすべき」などの意見が出された。
次回分科会は、年末から年明けにかけて開催の予定。