ロジスティクス大賞の受賞6事例を発表 気象予測で安定的な物流確保など JILS
日本ロジスティクスシステム協会(JILS、遠藤信博会長)は1日、ロジスティクス推進に向けて優れた実績をあげた企業を表彰する「ロジスティクス大賞」の2021年度受賞企業・テーマを発表した。
「ロジスティクス大賞」は、ロジスティクス部門関係者の意識高揚を図ることを目的に創設され、今回で38回目。
21年度の各賞の受賞企業・テーマは次のとおり。
【ロジスティクス大賞】◎会社名=日本気象協会◎テーマ=「台風や大雪による輸送影響リスクの早期把握および効率的な輸送計画作成支援~ドライバーの安全と円滑な物流確保のための新たな取組み~」◎受賞理由=「物流事業者に特化した新たなサービスとして、独自の高精度の気象予測を活用してトラックの走行ルート上の気象リスクを算出し、物流事業者がウェブサイト上で、ひと目で把握できるようにした。これにより、物流事業者の気象情報収集時間の短縮と効率化、輸送影響リスクの評価に基づく事前の迂回ルートや代替輸送の検討を可能としている。また、物流事業者が荷主企業に客観的根拠の提示を可能とすることで、関係者間の対応調整や円滑な情報共有を実現した」。
◎会社名=プラスオートメーション/富士ロジテック・ネクスト◎テーマ=「物流向けRaaS(Robotics as a Service)の活用による庫内仕分けシェアリングサービスの実現」◎受賞理由=「物流向け最先端ロボットをシェアリングして借用するサービス(RaaS)を提供した。特に優れているのは、作業スペースも物量の波動に合わせてシェアリングにより安価に変動費化した点と、導入前コンサルティングから実際の導入・運用・改善までを内包した物流向けサービスRaaSとしている点」。
【ロジスティクス大賞 特別賞】(ロジスティクス大賞 ロボティクス・イノベーション賞)◎会社名=Mujin◎テーマ=「混載ケース積み付けの自動化実現~MujinRobotパレタイザーの開発~」◎受賞理由=「異なる寸法、重量のケースを、荷崩れしないように、荷物の押しつぶれを避けるため重量物を下に置くなどのルールを考慮した上で、さらには出荷先の陳列効率やトラックの積載効率を考慮して、かご車等に積み付けることを可能とするロボットを開発。1台のロボットで、パレットやかご車など複数の什器に積み付けや什器のゆがみを検知してロボットの動作を補正することができ、汎用性と可用性を実現」
(ロジスティクス大賞 業務革新賞)◎会社名=エヌ・ティ・ティ・ロジスコ◎=「『AI画像認識技術を用いた自動検品システム』の導入による、検品作業の改善~自動化によるリファービッシュ業務高度化の取り組み~」◎受賞理由=「水を使えない精密機器などの清掃に、ドライアイスを用いて行う装置を開発したほか、バーコード等の識別子が表示されていない機器の検品を行うAI画像認識技術を用いた自動化装置を開発した」。
(ロジスティクス大賞 AIデマンドマネジメント賞)◎会社名=資生堂◎テーマ=新製品の発売前需要予測におけるAIとプロフェッショナルの協同◎受賞理由=「新製品の販売の機会損失、または過剰在庫発生の抑制を図るため、AIを活用し顧客の心理、購買行動を踏まえた仮説を構築した上でのデータの創造が必要であること、さらにはオペレーションに活用するためには、関係者の納得感の醸成が重要であり、AIによる予測根拠をデマンドプランナーが解釈し、関係者への解説が重要であると示した」。
(ロジスティクス大賞 SDGs社会貢献賞)◎会社名=佐川グローバルロジスティクス/王子コンテナー/王子ホールディングス/アルテック◎テーマ=「社会を支える物流企業として、SDGs貢献への試み~EC物流における自動梱包機を活用した次世代型オペレーション~」◎受賞理由=「次世代型大規模物流センターを新設するのにあたり、後工程となる輸送におけるCO2排出量の削減、さらにはエンドユーザーにおける廃棄物処理までも意識したマテハン選定を実現」。
なお、表彰式および各賞受賞記念講演は、10月18日(月)および21日(木)に開催されるロジスティクス全国大会2021にて行われる。