寺田交流審が就任会見 物流大綱の実効性確保にKPIを積極活用 国交省
1日に就任した国土交通省の寺田吉道公共交通・物流政策審議官(交流審)は16日、東京都千代田区の同省で就任会見を開き、総合物流施策大綱(2021~25年度)に盛り込まれたメニューの実現に向けてKPIを活用した取り組みを進めるとの方針を示すとともに、交通・物流関連行政の“フロンティア”を受け持つセクションとして、DXやドローンなど新技術の導入・普及に前向きに取り組む姿勢を強調した。
寺田交流審は会見の冒頭、「交流審部門は、自動車・鉄道・海運・航空などの複数の関係部局を横断的に受け持つセクションである」との認識を示した上で、仕事を進める上では、「現代的な視点で“フロンティア的な部分”を進める役割であることを意識したい」と抱負を述べた。
総合物流施策大綱の実効性確保については、政策メニューごとに達成度などの数値目標が盛り込まれたKPIを活用して進捗状況を確認しつつ、関係者のモチベーションアップにつなげていく方針を強調。併せて、物流の重要性や役割などについて広くPRを行い、消費者を巻き込んだ物流効率化などの取り組みにつなげていく考えを示した。また、東京オリンピック・パラリンピックは、国民の関心が物流にも寄せられる機会になる可能性があるとの認識を示し、荷主とも協力しながら、「物流の重要性について広く打ち出していきたい」とした。
DXやドローン、自動配送ロボットをはじめとする新技術については、実現・普及に高い期待を示す一方で、現段階では規制や技術の面で一部に障壁があるとの認識を示し、「やってみないとわからない部分もあると思うが、可能性を追求していきたい」と、今後も課題抽出や解決方策の検討に前向きに取り組んでいく姿勢を示した。
物流効率化法に基づく総合効率化計画の認定対象となるメニューが十分に認知されていないのではないかとの指摘については、「正確に伝わっていないのであれば申し訳ないと思う。物効法は、大きな予算が付くわけではないが、業界関係者の意識を高める上で有効な施策だ」とし、制度のさらなる周知に努める考えを示した。
【寺田吉道(てらだ・よしみち)公共交通・物流政策審議官略歴】1965年12月生まれの55歳。89年東大法学部卒、運輸省入省。自動車局旅客課長、大臣官房審議官(総合政策局、鉄道局、観光庁担当)などを経て、2019年7月に前職の鉄道局次長、今年7月1日付で現職。
趣味は、映画・ドラマ鑑賞。
岐阜県出身。岐阜高校時代は、歴史研究会に所属。