新物流大綱の報告会 期末にフォローアップ会議 国交省
国土交通省は6月28日、総合物流施策大綱(2021~25年度)に関する報告会をオンライン形式で開催、大綱の策定に関与した検討会のメンバーらが参加した。
冒頭あいさつした国交省大臣官房の久保田雅晴公共交通・物流政策審議官は、新大綱と旧大綱の違いとして①経済産業省・農林水産省と連携を図ったこと②定期的に政策評価を行うなど決定後の推進体制を構築したこと③大綱としては初めて数値目標を設定したこと―の3点を挙げ、すでに官民物流標準化懇談会の設置や高度物流人材シンポジウムの開催など、具体的な動きが始まっていることも指摘した上で「関係者の関心が高まっているこの機を逃さず、しっかりと推進していきたい」と意欲を示した。
引き続き国交省総合政策局の阿部竜矢物流政策課長が、検討会最終報告から追加した数値目標などについて解説。現状では物流のDXや機械化に関する統計データは存在しないことから、DXに関するKPIについては、トラックや倉庫等の業界団体の協力を得て事業者にアンケートを実施し、定点観測を行うこととした。広報に関するKPIでは、国交省が約千人に対して行っているインターネットモニターアンケートを活用し、本年夏以降に実施するとした(これらの具体的な数値目標は左上表参照)。
推進体制では、検討会メンバーらで構成されるフォローアップ会議を年1回年度末に近い時期に開催することとし、行政から関連施策と展開状況等の報告を受け、その評価や今後の課題について意見交換した上で、次年度の取り組みの方向性を決める方針とした。
これらに対しメンバーからは次のような声が挙がった。
「DXの数値目標は、オペレーションの改善や働き方改革の土台。数値目標の達成が物流DXの完遂を意味しているのではないことに注意したい」「高度物流人材の具体的イメージが欲しい」「高度物流人材を育成するためにはカリキュラムの開発が必要」「標準化では国際的な視点も必要。国際的な物流の標準化機関であるGS1の動向を注視しながら進めるべき」「トラックドライバーの所得目標が示されたのは非常にありがたい」「大綱の内容を物流関係者以外にも広く発信したい」。