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2021年6月14日付 2843号

第22回物流環境大賞にベイシアなど7社 静脈物流を効率化 物流連

 日本物流団体連合会(渡邉健二会長)は7日、第22回物流環境大賞の受賞者を発表した。

 大賞となったのは、ベイシア、河村商事、日本アクセス、関東デイリー、南日本運輸倉庫、ケーツー、昌和商事の7社連名による「特許技術による6輪カートでの効率的な往復運用」。7社は、1都14県で行っていた空段ボール回収で、回収拠点の集約によるCO2排出削減と、6輪カート用被覆材の使用による回収量の大幅増加を達成したほか、廃棄物であった段ボールの資源としての高付加価値化を実現したことなどを評価したもの。

 表彰式は6月29日午後3時15分から、東京都港区の第一ホテル東京で開催する。

 大賞以外の各賞の受賞者と受賞テーマは次のとおり。

 【低炭素物流推進賞(2件)】◎ランテック「セミトレーラーを活用した海上モーダルシフトによるドライバー不足と環境負荷低減の取り組み」◎メディセオ、JR貨物、日本フレートライナー、日本石油輸送「物流センター間(埼玉ALC~東北ALC)の在庫移送をトラック輸送から鉄道コンテナ輸送へのモーダルシフト」―。

 【サステナブル活動賞(2件)】◎ランテック「冷凍・冷蔵物流におけるCO2排出量の削減取り組み①トラック&冷凍冷蔵装置の『ダブルハイブリッド』車導入推進②物流センターの再生可能エネルギー自家消費③自然冷媒を活用した冷凍冷蔵機器の導入」◎ユーピーアール、東レ「アクティブRFIDタグ搭載スマートパレットの活用による物流の生産性向上」―。

 【先進技術賞(2件)】

◎プロロジス「IoT技術を活用した環境負荷低減の取り組み」◎日立物流「スマートウエアハウス(EC物流向けシェアリング自動倉庫)運営による環境負荷低減」―。

 【日本物流記者会賞】◎浪速運送「ハンガー物流推進によるファッション業界サプライチェーン全体の環境保全と経済効果実現の両立」―。

 【特別賞(18件)】◎SK―Ⅱ滋賀工場(ピー・アンド・ジー)、濃飛倉庫運輸「31フィート鉄道コンテナへの『モーダルシフト』『往復共同利用』『混載化』の取り組み(関西⇔関東)」◎日本パレットレンタル、サッポロビール、サッポログループ物流、エバラ食品工業、エバラ物流「モーダルシフトが物理的、コスト的に不可能な地方同士の幹線輸送の強靭化と長距離幹線輸送における女性ドライバーの活躍」◎日本通運「日通オリジナル器材、プロテクトBOXの開発とマルチモードユニットサービスの推進」◎アサヒ飲料、日清食品、日本通運「関東~九州間における共同輸送」◎JFEスチール、日本通運「広島県~千葉県の鋼材輸送のモーダルシフト」◎クラベ、日本通運「福山港を利用した海上輸送」。

 ◎山九、三井化学、旭化成「千葉⇔山口・広島間の海上モーダルシフトおよびコンテナ・ラウンドユース~東・西日本の化学メーカーによる定期コンテナ船の共同利用~」◎オリオン機械、センコー「酪農機器の長距離輸送における海上輸送モーダルシフトの取り組み」◎日本梱包運輸倉庫、YKK AP「宮城~富山21フィートフルトレーラーによる乗り継ぎ運行における、CO2排出量の削減と乗務員の負荷低減対応」◎NEXT Logistics Japan、アサヒグループホールディングス、江崎グリコ、千代田運輸、トランコム、ニチレイロジグループ本社、日本梱包運輸倉庫、日野自動車、三菱HCキャピタル、ユーネットランス「新たな幹線輸送スキームによる省人化、環境負荷低減、働き方改革の実現」◎ネスレ日本、鈴与、鈴与カーゴネット「フェリー輸送採用のモーダルシフト」◎アイシン北海道、鈴与、鈴与カーゴネット「東北向け物流網の構築」。

 ◎ニチレイ・ロジスティクス東海「低温物流施設におけるトラック予約システム活用による車両待機時間削減および環境負荷低減への取り組み」◎住友倉庫「照明器具LED化、空調機器更新および太陽光発電設備設置によるCO2排出量の削減ならびにグリーンボンド発行による環境意識の高揚」。

 ◎日鉄物産、住友倉庫「揚地港変更によるCO2排出量の削減の取り組み」◎ロジスティクス・ネットワーク「3PLがコーディネートした31フィート冷凍コンテナの活用」◎F―LINE業務本部東日本ブロック南関東支店マルチモーダルサービスセンター「”地球にやさしい物流の構築”持続可能な社会を目指して」◎ニチレイ・ロジスティクス東海「物流施設における共同配送によるCO2排出量の削減とトラック予約システム活用によるドライバー待機時間の削減]―。

高速料金の見直しに対し早期の要望が重要 総会で再任され抱負 日貨協連吉野会長

 日本貨物運送協同組合連合会(吉野雅山会長)は9日、東京都新宿区のハイアットリージェンシー東京で第57回通常総会を開き①高速道路問題に関する要望活動の推進②燃料共同購入事業(燃料価格交渉)をはじめとした燃料対策事業の推進③WebKIT次期システムの開発とネットワークの普及拡大④生命保険・損害保険事業等の各種経済事業の推進⑤小規模事業者コロナ時・災害時特別委員会答申への対応⑥AIロボット点呼機器の普及拡大―を重点事項とする2021年度事業計画を決定するとともに、任期満了に伴う役員改選で吉野会長を再任した。

 再任後のあいさつで吉野会長は、高速道路の大口・多頻度割引をはじめとする料金体系見直しに向けた議論が行われているが、新たなルールが示されてから要望を行うのでは遅いとし、全日本トラック協会道路委員会と一体となった要望活動を早期に展開していく必要性を強調。一部報道で指摘されている契約者単位割引撤廃となれば、協同組合の存亡にかかわるとし、各協同組合・日貨協連・全ト協が一体となって、要望活動を全国展開すべきとした。

 また、新型コロナウイルス感染拡大により停滞している働き方改革についても、コロナ後の物量増加を見据え着実に進める必要があるとし、デジタル化による生産性向上などに取り組むとともに、自らが委員長を務めた全ト協小規模事業者コロナ時・災害時特別委員会答申への対応を進めていくべきとの考えを示した

 役員改選では、吉野会長のほか、中川才助、庄子清一、石川和夫、飯沼健史、山田秀一、重博文、西尾保幸、御手洗安、深田康氏の9副会長と村田省蔵専務理事、永嶋功常務理事を再任。奈良幹男副会長は相談役に回り、大友龍之理事を副会長に新任した。

今週掲載トピック一覧

  • ☆ウォッチ(121) 『中国「海南自由貿易港」建設の今』
    ☆四文字 『危機に直面「石油燃料」』

  • ☆ヤマト総研・野村総研がフィジカルインターネットの国際会議で日本の取り組み発信、初のケースに
    ☆アートが「引越基本料金30%OFFキャンペーン」開始
    ☆JR貨物・通運連盟が「鉄道コンテナ利用キャンペーン2021」展開、関西物流展など6イベントに出展
    ☆日倉協が通常総会を開催、新型コロナワクチンの優先接種を要望
    ☆国交省が新技術の導入によるサプライチェーン効率化を支援、補助公募を開始
    ☆ヤマトHDが8月に「音楽宅急便2021」を2年連続オンライン開催、参加者募集中
    ☆ボックスチャーターが2020年度の事業概況など発表、販売減少も荷物事故等は改善
    ☆埼玉ト協が総会で瀬山氏を新会長に、標準的な運賃届け出推進など掲げる
    ☆経産省・東証が「DX銘柄2021」発表し陸運業からSGHDを選定、コロナ対策でヤマトHDも
    ☆JIFFAが総会で内田・國清両氏を新副会長に、前年比会員13社増
    ☆JR貨物の真貝社長がグループ社長会議で「グリーン社会の実現」と「地域活性化への貢献」を進める考え示す
    ☆社整審・交政審グリーン社会WG、DXを通じた積載効率の向上などを「国土交通グリーンチャレンジ」素案に盛り込む
    ☆千葉ト協がドラコンを開催、総合優勝は日本通運・鈴木選手
    ☆国交省が「加工食品分野における物流標準化アクションプラン」推進などに向けフォローアップ会を設置
    ☆厚労省が「トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」に荷主企業向けのショートセミナー形式動画掲載
    ☆JPRが荷主間の共同輸送マッチングを行う「共同輸送マッチングサービス」のモニター企業募集を発表、無償でサービス公開

今週のユソー編集室

  • ▼国土交通省は、国際連合欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラムで「後退時車両直後確認装置に係る協定規則」が採択されたことを受け、後退時車両直後確認装置(バックカメラ、検知システム等)を自動車に備えなければならないことなどを盛り込んだ道路運送車両の保安基準等の一部改正を行った。
    ▼運輸の教育現場では「前進の10キロメートルよりもバックの1メートル」などと教えられるほど、事故の起こりやすいバック走行での安全確保は、トラックにとっても大きな課題だ。
    ▼すでにバックカメラの装着は進んでおり、義務化によって装着の加速が期待されるが、カメラの映像にも「死角」が潜んでいることに留意したい。

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