ソフトバンクと新会社を設立、トラック配車システムや荷主マッチングサービスも 物流DXを支援へ 日通
日本通運(齋藤充社長)とソフトバンク(宮内謙社長執行役員兼CEO)は、物流業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する新会社を共同で設立し、15日からトラック輸送を担う物流事業者向け配車支援サービスの提供を開始した。
両者が設立した新会社「MeeTruck」(ミートラック、横井直樹社長兼CEO)は、物流事業者向けアプリケーションサービスの開発・販売を事業内容とし、株主構成はソフトバンク51%、日通49%。
新サービスは、トラック輸送を担う物流事業者向けのクラウド型配車支援サービスで、受注した運送業務の案件登録やトラックの割り当て、勤務計画表の作成などを、場所や時間にとらわれずウェブアプリケーション上で誰でも簡単に行うことができ、デジタルデータとして一元管理することが可能。
ソフトバンクが企業のDXを支援する中で得た知見と、日通が長年培ったロジスティクスに関する豊富な知見を生かし、運用しやすく操作性に優れたサービスを低価格で提供し、業務効率化を支援する。今後は、サービス利用者の要望を基に柔軟・継続的にサービス開発・改善を行い、受発注や実績管理等の機能を拡充する予定。
さらに、第2弾として、物流事業者・荷主企業向けに、両者をつなぐマッチングサービスの提供を2021年度中に開始する予定で、貨物を探す物流事業者と、トラックを探す荷主企業が、それぞれの条件に合う貨物やトラックを簡単に見つけることができる。
将来的には、第1弾の配車支援サービスの提供で知見やデータを基に、AIなどの先端テクノロジーを活用し、サービス利用者のニーズや傾向に応じた、より高品質なマッチングの実現を目指す。
ソフトバンクは、通信事業を基盤に最先端テクノロジーを活用した新規事業の創出および産業のデジタル化を推進しており、その一環としてDXによる物流業界の変革に注力。物流のサプライチェーン全体の最適化を目指し、ラストワンマイル配送やIoT宅配ボックスに関する実証実験を行っており、今回新たにトラック輸送領域に取り組む。
日通は、グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニーに成長することを目指し、顧客や社会にとって新たな価値につながる変革(イノベーション)を提供し続けることが必要であると考え、これまでに倉庫業務での自動走行フォークリフトや自律協働型ピッキングロボットなどの技術を積極的に導入してきたが、今回、社外のステークホルダーも多いトラック輸送の現場にDXをもたらすため、新たな取り組みとしてソフトバンクとの共創により、革新的なサービスの提供を通じ、物流業界の変革を目指す方針。