車両・マテハン能力向上で輸送効率の15%向上、内覧会開催 佐川急便Xフロンティア中継センター
佐川急便(本村正秀社長)は9月29日、東京都江東区の同グループXフロンティアに入居する、中継センターのメディア向け内覧会を開催した。
Xフロンティアには佐川急便のほか、佐川グローバルロジスティクス、SGムービングなどが入居し、すでに一部が稼働している。佐川急便の中継センターは7階建ての1・2階(吹き抜け構造で事実上1層)と3・4階(同)に入居、このうち1・2階部分は年末までに本格稼働させ、3・4階部分は来年2月の本格稼働を予定している。
関東地方の五つの中継センター機能を集約し、関東一円への到着荷物の仕分および東京・千葉・神奈川の発送荷物の仕分を行う。従来施設と比較して車両の処理能力とマテハン機器の処理能力を大幅に向上させ、スピードや品質、波動対応力を強化する。
これにより、今まで70~80%程度だった幹線運行車の積載効率をほぼ100%にできるほか、輸送効率の15%向上や、五つのセンターの合計人員の約3分の1の人数での稼働など、省人化効果も見込んでいる。
車両処理能力については、到着60バース、発送が1層120・2層116の合計236バースを確保。屋上にも約250台の駐車スペースを設け、周辺地域の渋滞緩和も図られる。
マテハン処理能力では、同社初となるクロスベルトソータやコンパクトソータ、小物仕分機を導入。これまで手仕分を行っていた貴重品や壊れ物の自動仕分を実現し、従来型の中継センターと比較して約5倍となる1時間当たり10万個の処理を可能とした。
到着の荷卸では、これまで車両尾部に対して直角方向に流していたコンベアについて、車両尾部に正対する形に配置し、コンベア下流での荷物の滞留を解消することで、作業時間を最大で半減できるほか、1台に対して上部と下部の二つのコンベアに接続できるようにしたことで、補助要員を不要にするなど省人化効果も実現した。コンベアの入り口ゲートを通過できない荷物については、自動搬送機や自動フォークの利用を検討していく。
内覧会に出席した西井茂輸送ネットワーク部部長は、車両動線と人員動線を分離するなど安全面に配慮している点や、構内に715台のカメラを設置しコントロールルームで一元管理することで、作業の進捗(しんちょく)状況等を確認しやすくしていることなどを強調した。