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2020年9月28日付 2810号

インタビュー (一社)日本物流団体連合会 理事・事務局長 宿谷肇氏
コロナ渦における連合会運営、業界団体は「膝を交えて」対面を最大限重視

 新型コロナウイルスの影響により、各企業とも事業運営で大きな影響を受けている。業界団体も同様に、限られたマンパワーの中、会員企業による委員会や一般向けのイベントなどで、前例のない対応を迫られている。ここでは日本物流団体連合会の宿谷肇事務局長に、コロナ禍における連合会運営の実情を聞いた。

 ――コロナ禍の中で事業を展開する上で重視している点は。

 このような時期だからこそ、感染対策を最大限に行った上で、実際に会って議論する機会を何とか設けることが重要で、その上でウェブを併用していこうと考えています。

 リスク回避のため社内会議をウェブに転換している企業は多いのですが、業界団体の場合、委員会などの構成メンバーが、いつも会っている方々であるとは限りません。ウェブだけでは「膝を交えて」の状況になりにくく、本音の話し合いにならない場合も多いのです。ですから渡邉健二会長、長谷川伸一理事長、事務局員とも話す中で、対面を最大限重視することを、現在の基本的な方向性としています。

 ――事務局を運営する上で留意している点は。

 もちろん、会員や委員会・イベントなどの参加者、事務局員を含め、感染症対策を最大限行うことです。検温、手指消毒、マスクは当たり前のこととして、受付や誘導など近い距離で人と接する場合はフェイスシールドを着用しています。書類を手渡ししないことや、マイクを極力共用しないこと、共用する場合でも使用の都度消毒することなどを徹底し、アクリル板やゴム手袋も一定数そろえました。

 おかげさまで、現在までのところ、物流連の事務局員から新型コロナの感染者は出ていませんし、会合やイベントがクラスター化したということもありません。

 行事があっても半分近くのスタッフで対応するようにし、万一の場合も機能不全にならないよう役割分担をしています。

 インタビューの続きは電子版かコンビニプリントサービスでお読みいただけます。

経営統合に向けた協議検討を当面見送り、資本提携を縮小  SGHD日立物流

 SGホールディングス(荒木秀夫社長)と日立物流(中谷康夫社長)は24日、両社が結んでいる資本業務提携の出資比率を引き下げ、経営統合に向けた協議についても、当面の間検討を見送ると発表した。

 SGHDは、保有する日立物流株式3234万9700株のうち1953万9100株を、日立物流の自己株式立会外買付により25日に697億円で売却。日立物流は保有する佐川急便株式1065万5240株の全てを、874億5800万円でSGHDに譲渡する。売却後のSGHDの出資比率(自己株式除く)は15.3%。株式取得はいずれも29日に行われる。

 新型コロナウイルスによる事業環境の激変を背景に、両社の協議により合意したものとしており、SGHDは佐川急便を完全子会社化することでより迅速な経営を可能とし、日立物流は特に海外におけるサプライチェーン最適化への取り組みを加速化させることが可能になるという。

 これに伴い、SGHDは2021年3月期連結決算の業績予想について、経常利益を当初予想から20億円減の890億円に、親会社株主に帰属する当期純利益を100億円増の625億円に修正。配当についても第2四半期末は特別配当10円を加算し34円に、期末は当初予想比3円増の28円に修正した。同社は11月1日付で1株につき2株とする株式分割を予定しており、これを反映すると期末配当は14円となる。

今週掲載トピック一覧

  • インタビュー-日本物流団体連合会理事・事務局長・宿谷肇氏
    ☆日中ビジネスワンポイント(203) 『食料を大切にし、浪費行為をなくす』
    ☆四文字『問題点探る「トレーラ」』
    ☆アベノミクス物流にとって「吉」か「凶」か(154) 『アベノミクスに対する評価(その1)』
    ☆働きやすい職場認証制度「一つ星」認証項目

  • ☆国交省が新型コロナ・災害踏まえ新規の予算を要求、21年度トラック強靭化など
    ☆日貨協連が新型コロナの影響踏まえ12月~来年3月の賦課金を減免、4~7月に続いて
    ☆国交省が19年度の宅配便実績公表、航空等利用運送大幅減に
    ☆国交省が飲料・酒物流改善へ分科会・WG設置、実験通じ対策検討
    ☆トナミ運輸労組が定期大会を開催、ピンチを好機と捉えるスピリットが重要
    ☆LEVOが低炭素型ディーゼルトラック補助、1事業者3台に引き上げ

今週のユソー編集室

  • ▼21日から始まった秋の全国交通安全運動では、街頭活動の実施方法見直しやオンラインでの交通安全教室など、新型コロナウイルス対策を織り交ぜながら、多くの関係者が事故防止に向けた活動を展開している。
    ▼トラック関係では、ドライバーや事業者はもちろん、トラック協会をはじめとする業界団体や、所管する国土交通省なども連携して事故対策に取り組んでいる。
    ▼交通安全運動期間最終日の30日は「交通事故死ゼロを目指す日」とされている。全ての道路ユーザーがルールを遵守して必要な注意を怠らなければ事故は起きない。そんな「当たり前」をもう一度見つめ直し、交通事故死ゼロを達成したい。

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