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2020年9月14日付 2808号

アサヒ飲料、日清食品は11日、関東~九州間で共同輸送を開始 トラック台数20%減  日通

 日本通運(齋藤充社長)、アサヒ飲料(米女太一社長)、日清食品(安藤徳隆社長)は11日、関東~九州間で共同輸送を開始した。

 茨城県内に生産工場を持つ日清食品とアサヒ飲料は、パレットサイズの異なる両社製品を日通のトラックに混載するスキームを確立。個別に製品輸送していた従来の方法に比べ、トラックの使用台数を20%削減できるほか、バラ積みしていた日清食品の即席麺製品の積載方法をパレット積みに変更することや低床トレーラーを使って運用することで、ドライバーの荷役作業が大幅に軽減されるなど、3社それぞれにメリットが見込まれることになる。

 これまで、アサヒ飲料の製品は重量貨物であることから2段積みができず、1段積みした荷台の上部には空きスペースがあった。一方、日清食品の即席麺製品は軽量貨物であることから、バラ積みにより荷台の容積いっぱいに貨物を積んでも積載可能重量に余裕があった。

 そこで、積載率の向上を図るため3社で協議、実証を重ねた結果、サイズが異なるために組み合わせが困難だった2種類のパレット(日清食品T12パレット、アサヒ飲料ビールパレット)について、製品の種類、数量の組み合わせを調整して効率的に混載するノウハウを確立した。

 日清食品は茨城県取手市の関東工場から福岡県糟屋郡の福岡物流センターまで、アサヒ飲料は茨城県守谷市の茨城工場から佐賀県三養基郡の佐賀配送センターまで個別に製品を輸送していたが、アサヒビール茨城工場で飲料製品を積載したトラックが、日清食品の関東工場に立ち寄って即席麺製品を積み込み、九州の物流倉庫に向けて2社の貨物を日通がまとめて輸送する。

 開始当初は週1便体制でスタートし、早期に週2便を目指す方針で、順次拡大させていく計画。

共同輸送のイメージ図

ネコポス厚さ拡大で利便性向上へ、個人間取引サイト事業者へ  ヤマト運輸

 ヤマト運輸(栗栖利蔵社長)は10月1日から、フリーマーケットサイトやオークションサイトなど個人間取引サイトなどの事業者を対象に「ネコポス」の取り扱いサイズを現行の厚さ2.5センチメートル以内から、3.0センチメートル以内に拡大する。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響でEC需要が高まる中、事業者からの商品購入に加え、フリマ・オークションサイトなど、個人間取引の利用客が急増している。同社のポスト投函型サービス「ネコポス」も、本年度8月までの累計で前年同期を50%近く上回る実績となるなど取扱量が急増、特にポスト投函による非対面での受け取りを希望する利用者から高い評価を得ているという。

 その一方で、さまざまな商材を購入・出品したい利用者から、厚さ2.5センチメートルを超える商品にも「ネコポス」を利用したいという声が多数上がっているため、同社の配送連携APIを利用する事業者を対象に、現行のサイズを拡大するもの。

 変更の内容は左上表のとおり。ポストに投函できなかった場合は、連絡票を投函の上で持ち戻り、希望に従って再配達する。

今週掲載トピック一覧

  • ☆四文字『効果大きい「高速利用」』
    ☆ウォッチ(112) 『今年の北極海「北東航路」の開発・利用状況』

  • ☆佐川急便が文科省構想参加事業者向けのGIGAスマート・サポート開始、機器設置など一括で学校のICT化支援
    ☆米国日通がシカゴの自社倉庫内に医薬品専用庫を新設、GDP認証取得
    ☆自動車運転者の有効求人倍率1倍台で他産業との格差縮小
    ☆栗田国交事務次官が会見、新型コロナへの対応で必要な支援進める
    ☆国交省がシベリア鉄道輸送実験の追加公募を実施、1編成借り上げ列車で
    ☆社整審道路技術小委員会、特定車両停留施設の技術基準はトラックターミナルを参考に検討
    ☆事業用自動車事故調査委員会が報告書3件公表、議決37件の事故を5パターンに分類
    ☆JILSが2019年度物流システム機器生産出荷統計公表、総売上高前年度比微減に
    ☆東ト協運輸安全委員会が飲酒運転撲滅へ協力要請、秋の全国交通安全運動は7支部が統一実施日活動
    ☆佐川急便がオープンイノベーション推進へ飛脚LABO開始、今月25日まで募集
    ☆センコーが欧州ネットワーク強化へドイツに現地法人設立
    ☆ヤマト運輸労組、本年の「夏のカンパ」は総額9千万円超に
    ☆佐川急便が新業務用自転車導入へ、作業効率と生産性が向上
    ☆日貨協連がWebKIT2活用事例集を発行、導入のメリットなど紹介
    ☆富士物流が三重物流センターC棟竣工、保管能力を従来の2倍に
    ☆都築幹彦元ヤマト運輸会長が死去、小倉氏の右腕として活躍

今週のユソー編集室

  • ▼国土交通省によると、2020年1~6月の事業用自動車による重大事故の報告件数(速報ベース)は、前年同期に比べ約3割減少したという。
    ▼新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた外出自粛や経済活動の鈍化などにより、道路上を通行する車両の台数や事業用自動車の走行距離が減少したことによる影響が大きいと考えられるが、これまでの交通事故防止に向けた地道な取り組みの成果でもある。
    ▼不可能と思われていた「事業用自動車総合安全プラン2020」で掲げた事故件数等の目標が思わぬ形で達成される見込みも出てきたが、「ポストコロナ」を見据え、対策の手を緩めずに取り組みを進めたい。

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