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2020年8月31日付 2806号

インタビュー 東京都トラック運送事業 協同組合連合会会長・石川和夫氏
東ト協連型災害ネット BCPの取り組みで社員・家族を守る

 東京都トラック運送事業協同組合連合会が東ト協連型災害ネットを立ち上げて1年半が経過した。近年の気候変動に伴い災害大国となったわが国で、東ト協連型災害ネット立ち上げに至る経緯と今後について、石川和夫会長に聞いた。

 ――東ト協連型災害ネットを作ることとなった経緯を教えてください。

 ご高承のとおり、政府は、30年以内に首都直下型地震や南海トラフ地震が70~80%の確率で発生すると予測しており、さらには異常気象による集中豪雨、新型コロナウイルス等により、企業活動や社会活動が、突然停止に追い込まれる大きなリスクが高まっております。

 一方で経済のインフラを担っているトラック運送事業者は、災害に直面しても常に自らの事業を継続させる準備をするとともに、自社の従業員および事業を守ることによって、お客さま(荷主)や社会の信頼獲得につながるものと存じます。

 今まで、中小企業庁や経済産業省はじめいろいろな機関が策定しているBCP(事業継続計画)は、初めて取り組む企業にとって難解な部分が多く、策定に困窮していたことを鑑み、BCPの策定のコンセプトとして「ご家族及び従業員全員参加型の目で見るBCPの策定支援」を概念として、おおむね三つのカテゴリに分けBCPの実務対応を策定させていただきました。

 そのために、各協組および各組合員のために東ト協連でBCP策定のための防災およびBCPの策定知識を付けるため、説明会を何度も開催しました。

 防災は各自で取り組んでもらわないと始まらないので、その仕掛けとして『防災の達人』というポケットサイズ版の絵コンテの小冊子を、中小企業診断士の協力を得ながら1年かけて作りました。これは子どもや高齢者など誰が読んでも分かるように、防災やBCPについて漫画チックに優しくかみ砕いて説明し、取り組みやすくしたものです。さらにA2判サイズの東ト協連型BCP掲示板を参考にすることで、発災時に「災害状況表」「災害対策本部体制表」「現状の組織図」「重要業務遂行表」「参考資料編」が一目で分かるようになっています。365日、毎日掲示されていれば、いざという時にどういう行動をとればいいのか、少なくとも決められた任務だけは各自が認識できるように考えました。

 インタビューの続きは電子版かコンビニプリントサービスでお読みいただけます。

制服リニューアル、働きやすさや環境追求  ヤマトHD

新制服は鮮やかな印象に

 ヤマトホールディングス(長尾裕社長)は21日、都内で新制服の発表会を開催した。

 20年ぶりの全面リニューアルとなる新制服は、ヤマト運輸のSDやゲストオペレーターなど顧客に接する社員が、9月16日から着用を開始する。現在の制服にあるクリーム色がなくなり、全面をより深い緑色で覆い一部に黄色を配するなど、鮮やかな印象となっている点が特徴。

 開発に当たっては①働きやすさ②安全性③環境④デザイン―を重視。伸縮性の大幅な向上や通気性・耐久性の確保、左右両袖のポケット配置等による収納性の向上、高輝度反射材の防寒着・ブルゾン・ベルト・安全靴への使用による夜間視認性の向上、防寒着・ブルゾンのはっ水性の向上などを実現。特に環境面では、東レや帝人フロンティアの協力を得て植物由来のPET素材生地を開発し、初回製造枚数の220万点で、化石燃料由来のPET素材と比較して、約500トンのCO2削減効果が得られるとしている。

 発表会では、実際に着用した社員が、ズボンの伸縮性が向上していることや両袖にポケットがあり左利きでも使いやすくなっていることなど、働きやすさが大幅に向上していることを強調。デザインを担当した相澤陽介氏は「ヤマト運輸で働いている方々は“町のアイコン”。歴史と未来をつなげることをデザインのコンセプトとした」と話し、ヤマトHDの大谷友樹執行役員は「ヤマトグループは現在、徹底的にお客さまに向き合おうとしている。新しい制服で、お客さまに『ヤマトは変わったな。もっといいサービスをしてくれるのだな』と思っていただきたい。そのためにも、社員が気持ちよく仕事ができることが重要。社員が笑顔で仕事ができることが、いいサービスにつながる」と制服全面リニューアルの目的を説明した。

今週掲載トピック一覧

  • インタビュー-東京都トラック運送事業協同組合連合会会長・石川和夫氏
    ☆アベノミクス物流にとって「吉」か「凶」か(152) 『今後の日本経済 荷動きの行方は?(その1)』
    ☆四文字『高速道路の課題「利用価値」』
    ☆人物ウィークリー、国土交通省自動車局・金子修久自動車情報課長

  • ☆日通、品川支店物流センターで倉庫向け自律協働型ピッキングロボ稼働
    ☆SGLがスペースシェアサービス全国展開、コスト抑えEC参入が可能に
    ☆佐川急便とJR九州が九州新幹線での貨客混載に基本合意、福岡~鹿児島間を輸送
    ☆センコーGHDがグリーンボンド発行予定、二つのPDセンター開設へ
    ☆労政審専門委、改善基準告示改正は予定より後ろ倒しに
    ☆全ト協坂本会長が会見、運輸事業振興助成交付金のさらなる安定化に取り組む姿勢強調
    ☆国交省が働きやすい職場認定制度を16日から受け付け開始
    ☆ヤマト運輸・ヤフーが非対面の配送連携を強化、ネコポス値下げなど
    ☆YGL・JALが海外在住駐在員を支援する取り組み開始、日本の通販品配送
    ☆セイノーHD、1月に新設のFundが目標金額の70億円に到達し3社に投資実行
    ☆SBSHD鎌田社長が今後のM&A戦略語る、中小トラック事業者も積極的に受け入れ
    ☆日立物流がインド・チェンナイ近郊に物流センター開設
    ☆YHCが9月1日から単身向けの引越サービスを契約法人企業の社員向けに提供開始
    ☆全ト協坂本会長が厚労大臣に雇用調整助成金の特例措置期間の延長を要請
    ☆物流連がダイバーシティ推進WTの初会合開催、外国人材の活用へ
    ☆日通がインドネシアのロジセンターで2拠点目のハラール認証取得
    ☆物流連が本年度のインターンシップ開始、大阪およびウェブでも開催

今週のユソー編集室

  • ▼猛暑続きだった8月も今日が最終日。例年であれば各省からの予算概算要求が出そろう時期だが、今年は新型コロナの影響で、9月末まで先送りされている。手続きも簡素化される見込みだが、各省とも、これからが勝負どころだ。
    ▼また今年は、社会資本整備重点計画や交通政策基本計画、総合物流施策大綱が最終年度を迎え、これから見直しに向けた検討が本格化する。自動車運転者の改善基準告示の見直しに向けた調査も順次実施されるものとみられ、涼しくなる空気とは反対に、物流関係者にとっては熱い秋になりそうだ。
    ▼新型コロナの中ではあるが、予算も計画も大綱も、しっかりしたものを仕上げてほしい。

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