インタビュー 東京都トラック運送事業 協同組合連合会会長・石川和夫氏
東ト協連型災害ネット BCPの取り組みで社員・家族を守る
東京都トラック運送事業協同組合連合会が東ト協連型災害ネットを立ち上げて1年半が経過した。近年の気候変動に伴い災害大国となったわが国で、東ト協連型災害ネット立ち上げに至る経緯と今後について、石川和夫会長に聞いた。
――東ト協連型災害ネットを作ることとなった経緯を教えてください。
ご高承のとおり、政府は、30年以内に首都直下型地震や南海トラフ地震が70~80%の確率で発生すると予測しており、さらには異常気象による集中豪雨、新型コロナウイルス等により、企業活動や社会活動が、突然停止に追い込まれる大きなリスクが高まっております。
一方で経済のインフラを担っているトラック運送事業者は、災害に直面しても常に自らの事業を継続させる準備をするとともに、自社の従業員および事業を守ることによって、お客さま(荷主)や社会の信頼獲得につながるものと存じます。
今まで、中小企業庁や経済産業省はじめいろいろな機関が策定しているBCP(事業継続計画)は、初めて取り組む企業にとって難解な部分が多く、策定に困窮していたことを鑑み、BCPの策定のコンセプトとして「ご家族及び従業員全員参加型の目で見るBCPの策定支援」を概念として、おおむね三つのカテゴリに分けBCPの実務対応を策定させていただきました。
そのために、各協組および各組合員のために東ト協連でBCP策定のための防災およびBCPの策定知識を付けるため、説明会を何度も開催しました。
防災は各自で取り組んでもらわないと始まらないので、その仕掛けとして『防災の達人』というポケットサイズ版の絵コンテの小冊子を、中小企業診断士の協力を得ながら1年かけて作りました。これは子どもや高齢者など誰が読んでも分かるように、防災やBCPについて漫画チックに優しくかみ砕いて説明し、取り組みやすくしたものです。さらにA2判サイズの東ト協連型BCP掲示板を参考にすることで、発災時に「災害状況表」「災害対策本部体制表」「現状の組織図」「重要業務遂行表」「参考資料編」が一目で分かるようになっています。365日、毎日掲示されていれば、いざという時にどういう行動をとればいいのか、少なくとも決められた任務だけは各自が認識できるように考えました。
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