4~6月期の景況感、判断指標が大幅悪化 今後はやや改善の予測 全ト協
全日本トラック協会(坂本克己会長)は14日、2020年4~6月期の景況感(第110回速報)を公表した。
新型コロナウイルスの影響による経済活動停滞により、輸送量や経常損益などが大幅に悪化したため、判断指標はマイナス112・5で1~3月を対象とした前回調査から30.1ポイントの大幅悪化となっている。
今後の見通しについては、引き続き新型コロナウイルス感染拡大による影響は大きいものの、経済活動が徐々に再開されていることなどからマイナス110.8となり、1.7ポイント改善すると見込んでいる。
実働率は、マイナス91.4と前回調査に比べ35.3ポイント悪化。実車率もマイナス86.0で34.0ポイント悪化し、輸送効率が低下している。採用状況は、マイナス3.8で1.3ポイント上昇し、雇用状況(労働力の不足感)は19.6で30.9ポイント低下、前回に引き続いて労働力の不足感は弱まっている。
所定外労働時間は、マイナス65.4で17.2ポイント減少し、貨物の再委託(下請け運送会社への委託割合)は、マイナス63.5で34.8ポイント減少。
一般貨物の輸送数量はマイナス116.9で53.8ポイント悪化、運賃・料金の水準はマイナス40.8で36.4ポイント悪化している。売上高は、マイナス114.8で57.2ポイント悪化、営業利益もマイナス104.2で40.2ポイント悪化している。
宅配貨物の輸送数量は、新型コロナの感染拡大防止で消費者のライフスタイルが変化し通販需要が拡大したことなどから、78.1で156.7ポイントの大幅改善。
運賃・料金の水準は12.5で1.8ポイント悪化したものの、売上高は68.8で133.1ポイント改善し、営業利益も71.9で136.2ポイント改善した。
宅配以外の特積み貨物の輸送数量はマイナス173.9で38.2ポイント悪化、運賃・料金の水準はマイナス95.7で99.3ポイント悪化した。売上高は、マイナス173.9で52.5ポイント悪化、営業利益はマイナス196.6で52.5ポイント悪化した。
今後の見通しは、実働率がマイナス86.4で5.0ポイント改善、実車率はマイナス82.1で3.9ポイント改善すると予測。
採用状況はマイナス10.5で6.7ポイント悪化、雇用状況は29.7で10.1ポイント上昇し、労働力の不足感は強まると見込んでいる。
一般貨物では、輸送数量がマイナス109.5で7.4ポイント改善するものの、運賃・料金水準はマイナス44.4で、3.6ポイント悪化することを受け、営業利益はマイナス107.7で3.5ポイント悪化すると見込んでいる。