次期大綱に省力化等の課題や対策盛り込む SIPも着実に 久保田国交省公・物審議官
7月21日付で就任した国土交通省の久保田雅晴大臣官房公共交通・物流政策審議官は8月4日に会見し、物流分野でのデジタル・AI活用による生産性向上には、さらなる標準化が求められているとの認識を示すとともに、年度内の閣議決定を目指して策定に向けた検討を進めている次期総合物流施策大綱には、省力化や自動化を推進する上での課題や対策を盛り込むとの考えを明らかにした。
久保田審議官は会見の冒頭、「新型コロナウイルスの感染が広がる中、国民の生活を支えるエッセンシャルサービスを提供している公共交通や物流の事業者、現場の方々にまず感謝を申し上げたい」と述べた。
物流については、「人々の生活や経済活動を支える社会インフラとして、新型コロナや自然災害などの影響下にあっても、サプライチェーンをしっかり支える役割が求められている」とし、デジタルやAIを活用した生産性向上には、さらなる標準化を進める必要があると指摘。
また、新型コロナにより、BtoC物流が伸びたことで人手不足が顕在化したことに加え、非接触でのオペレーションやサービス提供が求められていることなどから、省力化や自動化を進める必要性が高まっているとの考えを示し、次期大綱の策定に当たっては、経済産業省や農林水産省などと連携しながら、標準化や省力化、自動化を阻む課題や対策を盛り込む姿勢を強調した。
SIPスマート物流については、あまり高すぎる目標を掲げず、少しでも標準化につながる取り組みを着実に行っていくとした。
【久保田雅晴(くぼた・まさはる)大臣官房公共交通・物流政策審議官略歴】1964年8月生まれの56歳。奈良県出身。88年に東大工学部を卒業し、運輸省に入省。近畿運輸局自動車交通部長、大臣官房人事課長、航空局航空ネットワーク部長などを歴任し、2019年7月から前職の大臣官房総括審議官を務めた。
趣味は街歩きとストレッチ。仕事の本質は現場にあると考えているので、現場の話をよく聞くことを心掛けている。