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2020年7月27日付 2802号

インタビュー 佐川急便(株)代表取締役社長 本村正秀氏
躍進支える「GOAL」 時代の流れを先取り、最適な提案続ける

 SGホールディングスの躍進を支える「GOAL(GO Advanced Logistics)」。その取り組みの全貌と、新型コロナウイルスを踏まえた今後の展開について、中核となる佐川急便の本村正秀社長に聞いた。

――GOALとは、どういう取り組みなのでしょうか。
 チームの名称であり、活動の名称でもあります。佐川急便の営業開発部に、佐川グローバルロジスティクス(SGL)、SGHグローバル・ジャパン、SGムービングといったグループ各社の専門知識を持ったスタッフを集めて先進的なロジスティクスチームを編成し、お客さまのニーズに対して、グループ各社の機能を組み合わせながら、コスト面まで含め最適な提案を行っていくことを目指しています。2014年4月から取り組みを開始し、現在7年目に突入しました。

 6月末現在の人員規模は378人で、うち佐川急便の所属者が242人になります。佐川急便の本社および全国18支店に設置していて、メインとなる東京本社と関西支店には、それぞれ98人、49人が勤務しています。支店によっては、グループ他社のメンバーが合流しているところもあります。

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コロナ・ショックでリーマン以上の影響、20年度見通し  日通総研

 日通総合研究所(青山陽一社長)は17日、2020年度経済.貨物輸送の見通し改訂版を発表、20年度の国内貨物輸送は新型コロナウイルスショックにより前年同期比6.9%減と大幅に落ち込み、09年度のリーマン・ショック時の6.0%減以上の下げ幅になると予測している。

 国内貨物総輸送量は19年度通期で1.2%減、20年度は6.9%減を見込み、消費関連貨物の19年度は5.7%減、20年度は7.4%減とマイナス幅が拡大、生産関連貨物の19年度は3.8%増も、20度は9.2%減に、建設関連貨物の19年度は2.3%減、20度は4.0%減とそれぞれ予測。

 輸送機関別では、JRコンテナの19年度は2.5%増、20年度は6.3%減、営業用自動車の19年度は0.0%増、20年度は7.4%減、内航海運の19年度は3.6%減、20年度は6.6%減、国内航空の19年度は5.6%減、20年度は16.1%減と見込んでいる。

 国際貨物輸送の外貿コンテナ貨物については、輸出の19年度は5.0%減、20年度は6.6%減、輸入の19年度は2.8%減、20年度は4.8%減。国際航空については輸出の19年度は22.4%減、20年度は9.0%減、輸入の19年度は4.7%減、20年度は7.2%減と予想している。

 なお、日本経済の見通しについては◎19年10月の消費税率引き上げを契機に景気後退局面入りし、さらにコロナ・ショックが景気悪化に拍車◎新型コロナの感染拡大は、日本では20年7~9月期におおむねピークアウトし、以降、感染者数や死亡者数が減少していく。冬季に感染再流行(第二波)が発生する可能性があるものの、経済活動の抑制策などはとられず、影響も第一波に比べて小さいと想定◎20年度の日本経済は、前期比(季調値)ベースでは4~6月期が大底となる。7~9月期からプラスに転じるものの、新生活様式の定着に伴い、回復基調は緩慢にならざるを得ない◎前年同期比(原系列)では4~6月期、7~9月期とも10%程度の大幅な落ち込みとなる。プラスに転換するのは1~3月期に入ってからで、かつ小幅なプラスにとどまる◎大規模経済対策の実施を受け、官公需には堅調な動きが期待できるものの、民需や外需の低迷により20年度の実質経済成長率は5.6%減と、リーマン・ショックが発生した08年度の3.4%減を下回る、大幅なマイナス成長が避けられない―等を前提に予測作業を行ったとしている。

今週掲載トピック一覧

  • 夏季第2特集号
     インタビュー-佐川急便社長・本村正秀氏
    ☆車両整備特集
     SGモータース
     ヤマトオートワークス
    ☆臨海鉄道特集『安全最優先を基盤に、西濃専用列車が第3の柱~仙台臨海鉄道』

  • ☆YLCがアルフレッサとの間で「ヘルスケア商品」の共同配送スキームの構築に向け提携
    ☆北海道経済局等がドローンで処方箋医薬品を配送、日通総研が実証実験支援
    ☆国交省が27日から車両整備の「スキャンツール」導入補助に関する公募開始、予算額約1.5億円

今週のユソー編集室

  • ▼前号で伝えたとおり、次期総合物流施策大綱策定に向けた検討がスタートした。大綱は、その名のとおり、物流に関する施策の大枠を盛り込んだ政府の5ヵ年計画で、近未来の物流のあるべき姿と取り組むべき課題が示される。
    ▼メインテーマは現行の大綱と同様、労働力不足への対応となることは間違いがなさそうだが、解決策についてはこれまでの標準化などに加えて、デジタル化をスピード感を持って進めることが求められるだろう。
    ▼さらに、「ウィズコロナ・ポストコロナ」の社会で経済活動や国民生活がどう変化するかによっても、物流の役割や課題も変わってくる。今後の策定に向けた検討を注視していきたい。

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