小口保冷配送サービスのISO規格が発行 ASEANでの普及図る 国交省
国土交通省は3日、国際標準化機構(ISO)で、官民一体となって取り組みを進めてきた小口保冷配送サービスにおける適切な温度管理を実現するための国際規格「ISO23412」が発行したと発表した。
国交省は、日本の高品質なコールドチェーン物流サービスなどの国際標準化や普及を重要施策の一つとして位置づけ、2016年3月には「我が国物流システムの国際標準化等の推進に関する連絡検討会」を設立。物流事業者・業界団体・関係省庁が連携し、オールジャパン体制で標準化の検討を開始した。
さらに、ASEAN各国との物流政策対話やワークショップなどを活用し、各国の物流関係省庁、標準化機関等との連携を図った結果、18年1月にISOで日本提案による新たな委員会(小口保冷配送に係るプロジェクト委員会)が設立され、わが国は議長国として、ISOにおける議論を主導してきた。
このほど、ISOで行われた発行の是非を問う最終投票で全会一致で可決され、5月28日にISO23412が正式発行した。
ISO23412は、輸送過程で積み替えを伴う保冷荷物の陸送配送サービスについて、適切な温度管理を行うため①保冷配送サービスの定義②輸送ネットワークの構築③保冷荷物の取り扱い④事業所、保冷車両、保冷庫、冷却剤の条件⑤作業指示書とマニュアル⑥スタッフへの教育訓練⑦保冷配送サービスの監視と改善―の規格を定めている。