株主総会や通常総会が縮小や書面開催も、各社・団体が対応に追われる
新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言が全面的に解除されたものの、再び感染者が増加傾向を見せる自治体が出るなど、収束にはほど遠い事態が続いている。そうした中で各企業・団体は、例年5月から7月に決算説明会・会見、株主総会、通常総会、定期大会などの集会を行っているが、これらはいずれも“三密”に陥りやすいことから、“前例のない事態”への対応を迫られている。
決算については5月29日現在、大手のうち鴻池運輸が未発表となっており、すでに発表している企業でも、次期業績予想を未定とする企業が続出した。これらに関する説明会や記者会見についても中止とする企業があったほか、ウェブ会議ツールや電話会議システムを利用して行う企業も見られ、各社とも試行錯誤しながら取り組みを進めている状況がうかがえる。
6月には各企業とも相次いで株主総会が予定されているが、12月期決算のSBSホールディングスは、すでに3月26日に開催、社内株主へは出席自粛を要請し、出席株主にはマスクの着用や消毒の励行を呼び掛けるなどの対策をとった。関係者によれば、参加した株主の数は例年より少なかったという。
6月24日に定時株主総会の開催を予定しているSGホールディングスは、ホームページ上で対策を公表。株主に対して健康状態にかかわらず可能な限り来場を控えるよう検討し、書面またはインターネットによる議決権行使を要請しており、併せてマスクの着用と消毒の励行を呼び掛けている。座席間隔の確保により座席数が減少することや、発熱状態が確認された株主に対しては、入場制限が行われる可能性があることも案内した。
その他の各社についても、ほぼ同様の感染予防措置をとりながら予定どおり開催すると見られており、日立物流のように議事に要する時間を短縮するため、報告事項や議案の詳細な説明を省略する企業も多いようだ。一方で、ヤマトホールディングスは会場規模を大幅に縮小し、出席株主を50人に制限している。各社・団体・労働組合のイベント・総会・大会等に関する現段階の開催予定は左表のとおり。
多くのイベントが中止となっているほか、総会や大会もほとんどが書面開催や縮小開催される見込みで、縮小開催される場合は、総会後に例年行っている懇親会を中止するケースが多い。
現在検討中の大会等でも、縮小開催などの影響が出る可能性が高いとみられている。