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2020年3月2日付 2784号

トラックの標準的運賃について運輸審議会に諮問、4月2日に公聴会 運転者の待遇改善へ  赤羽国交大臣

 赤羽一嘉国土交通大臣は2月26日付で、一般トラックの標準的な運賃の告示に関して運輸審議会に諮問した。運輸審議会は今後、非公開で審議を行うとともに、4月2日には公聴会を開催する。

 諮問された標準的運賃は、一般トラックの貸切・帰り荷なしの場合の運賃・料金を運輸局ごとに距離制・時間制について、小型(2トンクラス)、中型(4トンクラス)、大型(10トンクラス)、トレーラー(20トンクラス)別に示している。

 距離制では10キロメートル刻み(沖縄の最短のみ5キロメートル)で200キロメートルまでの運賃と、200キロメートルを超えて500キロメートルまで20キロメートルごとに加算する金額、500キロメートルを超えて50キロメートルを増すごとに加算する金額を提示。時間制では、4時間制と8時間制を「基礎額」として運賃を示すとともに、「基礎走行キロ」を定めている。その上で、基礎走行キロを超える場合や基礎作業時間を超える場合の加算額を示している。

 関東運輸局では、距離制の場合、小型が10キロメートル1万5790円~200キロメートル5万270円、中型が10キロメートル1万8060円~200キロメートル5万7860円、大型が10キロメートル2万2540円~200キロメートル7万4880円、トレーラーが10キロメートル2万7940円~200キロメートル9万5470円となっている。

 時間制では、4時間制の場合、基礎走行キロを小型50キロメートル、小型以外を60キロメートルとした上で、小型2万3440円、中型2万7470円、大型3万4740円、トレーラー4万3460円と設定。

 距離制・時間制とも特殊車両(冷凍・冷蔵車)、休日(日曜祝祭日)、深夜・早朝(午後10時~午前5時)の運送については2割の運賃割増率を設定。待機時間料は、30分を超える場合に、30分ごとに小型1670円、中型1750円、大型1870円、トレーラー2220円としている。

 また、積込料・取り卸し料・附帯作業料などを運賃とは別に収受することや、有料道路・フェリー利用料についても実費として運賃とは別に収受することも明記している。

 いずれの運賃も、必要となるコストに利潤を加えたもので構成されているが、標準的運賃にこれらの内訳は盛り込まず、考え方や適用方などについて別途通達などで示す方針。

 運輸審議会は今後、内容について審議を行うとともに、4月2日に開催する公聴会では10人以内の公述人から意見を聞く。

東京レールゲートWEST棟が竣工、8割入居で稼働  JR貨物

東京レールゲートWESTの外観

 JR貨物(真貝康一社長)は2月25日、東京都品川区の同社東京貨物ターミナル駅構内で、「鉄道を基軸とした総合物流企業グループ」を目指す同社の象徴となる大型物流施設「東京レールゲートWEST」を竣工させた。

 敷地面積は4万1802平方メートル、建物が鉄筋コンクリート造7階建て(塔屋部分含む)・延べ床面積7万2039平方メートル。1階と屋上が駐車場(トラックは150台の駐車が可能)、2~6階が倉庫と事務所になる。賃貸面積は倉庫が4万453平方メートル、事務所が2888平方メートル。上り下りの二つのランプが設けられ、各フロアのバース数は24、ドックレベラーは4基を備える。

 プラットホーム高は高床1.0メートルで、海上コンテナの取り扱いも可能としているほか、垂直搬送機の設置も可能。免震構造と72時間対応の非常用発電機を設置し、災害にも配慮した。

 フロアは半面からの賃貸が可能で、鴻池運輸が1フロア、日本運輸倉庫が2.5フロア、社名未公表の1社が0.5フロアの合計4フロア分の入居が決まっており、これら各社は3月1日以降順次稼働させていく。

 JR貨物では残り1フロア分も交渉の詰めの段階としており、早期にフル稼働させたい考え。

 3月4日の竣工式は神事のみ行い、予定されていたパーティーは新型コロナウィルス対策から中止となった。

今週掲載トピック一覧

  • ☆引越特集(1)
     各社の施策
      日通
      サカイ引越センター
      セイノー引越
      アートコーポレーション
      トナミ運輸
      大作輸送
    ☆アベノミクス物流にとって「吉」か「凶」か(142) 『景気は10月よりさらに悪化(その2)』

  • ☆日通、レーザー誘導方式の自動フォークリフト導入
    ☆運輸労連の20春闘、大手要求出そろう
    ☆日通、5Gスマート物流の実証実験で記者説明会開催
    ☆国交省、食品流通の合理化で実証実験の公募開始
    ☆国交省が安全対策会議開催、海コンドライバー向け安全教育用資料策定へ
    ☆日通、日本初モロッコ向け輸送でパリ経由の新商品発売
    ☆国交省、加工食品物流の標準化でアクションプランの最終案を審議

今週のユソー編集室

  • ▼小中学校の休校や政府の自粛要請に基づくイベントの中止、在宅勤務の推進など、新型コロナウイルスの感染防止に向けた動きが急加速している。開幕まで半年を切った東京オリンピックの開催も不透明な情勢となってきた。
    ▼国民の命を守るのはもちろんのこと、オリンピック開催のための休校や自粛要請という面もあるように思うが、感染拡大を防ぐには、この時期の対策が重要であるとの説明に異論はない。
    ▼経済への影響も懸念されるが、こうしたリスクは常に潜在しており、表面化した時にこそ、リーダーの手腕が試される。首相も社長も管理者も、それぞれの立場で正しいかじ取りを行い難局を乗り越えてほしい。

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