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2020年1月13日付 2777号

異常気象時の輸送、降水量などに応じた措置の目安を策定 17日までパブコメ  国交省

 国土交通省は、台風などの異常気象時に、トラック運送事業者が荷主に輸送を強要され、トラックが横転するなどの事故が発生していることを踏まえ、貨物自動車運送事業法と貨物自動車事業輸送安全規則で、異常気象時の輸送に関する措置の目安を定めることを決め、現在パブリックコメントの募集を行っている。

 募集期間は17日までで、1月中に施行される見込み。

 降雨時については、1時間当たり20~30ミリメートル(ワイパーを早くしても見づらい)で「輸送の安全を確保するための措置を講じる必要」、30~50ミリメートル(高速走行時、車輪と路面の間に水膜が生じブレーキが利かなくなる)で「輸送を中止することも検討するべき」、50ミリメートル以上(車の運転は危険)で「輸送することは適切ではない」との目安を示している(左表参照)。

 なお、輸送を中止しないことを理由に直ちに行政処分は行わないが、監査で輸送の安全を確保するための措置を講じずに輸送したことが確認された場合には、処分基準に基づき行政処分を行うとしている。

 安全確保のための措置や輸送の中止に関する検討などは、あくまでトラック事業者が行うものであるが、行うべき措置の基準となる降水量や風速を具体的に示すことで、異常気象時にトラック事業者が荷主と運行に関する協議を行いやすくする狙いがある。

自動車産業の取り組み強化でメキシコに新倉庫、一大集積地に着工  日通

 日本通運(齋藤充社長)は9日、メキシコ・グアナファト州のコリナスアパセオ工業団地内に新倉庫を着工したと発表した。

 同社が経営計画で重点産業の一つとして掲げている、自動車産業への取り組みを強化する施策の一環となるもの。

 グアナファト州は自動車のセットメーカーに加え、サプライヤーも数多く進出し、近隣のアグアスカリエンテス・ケレタロ・サンルイスポトシなどメキシコ中央高原(バヒオ地区)各州との合計では約630社が進出する自動車産業の一大集積地となっている。

 新倉庫は敷地面積6万2501平方メートル、鉄骨造平屋建て、延べ床面積1万7092平方メートルの規模で、蓄積した自動車関連物流のノウハウをもとに基本図面から自社で設計を行い、今後の物流需要の高まりを見越し、同社初の導入となるサイドオープントレーラーの荷役も可能な拠点とする。

 また、ケレタロ・サラマンカの両拠点を集約することで効率性、収益性を向上させるとともに、顧客の生産ラインに同期した高付加価値サービスの提供が可能となる。

今週掲載トピック一覧

  • ☆各界年頭あいさつ
    ☆物流業界の新年会
    ☆アベノミクス物流にとって『吉』か『凶』か(138)『GDP統計の謎(その1)』
    ☆四文字『実態みると「零細企業」

  • ☆JR貨物が3月14日ダイヤ改正、松山貨物駅移転など
    ☆赤羽国交大臣がベトナムでのコールドチェーン支援事業への出資について認可、SGモータースがJOINの支援受け事業展開
    ☆トナミ松寿会が福祉団体に車両と助成金を寄贈、子ども食堂へ助成も

今週のユソー編集室

  • ▼令和初の年明けは、なんとも不穏に幕を開けた。中東情勢はその不安定さを増し、国内の景気も消費増税の影響からか、減速傾向を示しつつあるように見える。
    ▼原油価格に大きな影響を与える中東情勢が気になることはもちろんだが、より不安なのは国内の景気動向だ。年末繁忙期の荷動きも力強さを欠いていた中、特にオリンピック以降の低迷が懸念される。
    ▼景気の減速が、ここ数年続いていた適正運賃収受の流れに、水を差すようなことがあってはならない。関係者が期待と不安を込めて見守っている標準的な運賃も年度内には明らかとなる。令和2年はトラック運送事業者にとって、正念場の年になりそうだ。

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