改善基準告示見直しのため専門委員会を設置、年内にも初会合 労政審労働条件分科会
労働政策審議会労働条件分科会は11月25日、東京都千代田区の厚生労働省で第156回会合を開き、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)見直しに向け、「自動車運転者労働時間等専門委員会」(仮称)の新設を決めた。専門委員会は、年内にも初会合を開き、トラックドライバーの働き方改革に向けた検討をスタートさせる。
自動車運転者労働時間等専門委員会は、分科会の下に設置され、トラック・バス・タクシーの3分野それぞれに、公益委員・使用者側委員・労働者側委員各2人を選任。公益委員2人のうち、1人は労働条件分科会の委員が就き、オブザーバーとして、国土交通省の担当官が加わる。
調査事項は①改善基準告示の見直しに係る事項②その他、自動車運転者の健康確保、過労死防止や労働時間の短縮等に関し必要な事項―としている。
現行の改善基準告示は1989年に中央労働審議会で関係労使の合意の下に策定され、大臣告示として制定。トラックについては、1ヵ月の拘束時間を293時間とすることなどを定めている。2018年に成立した働き方改革関連法で「過労死等の防止の観点から、改善基準告示の総拘束時間等の改善について、関係省庁と連携し、速やかに検討を開始すること。また、改善基準告示の見直しに当たっては、トラック運転者について、早朝・深夜の勤務、交代制勤務、宿泊を伴う勤務など多様な勤務実態や危険物の配送などその業務の特性を十分に踏まえて、労働政策審議会において検討し、勤務実態等に応じた基準を定めること」とする参議院厚生労働委員会での附帯決議が行われたことや、衆院厚生労働委員会の附帯決議に「自動車運転業務については、長時間労働の実態があることに留意し、改正法施行後5年後の特例適用までの間、過労死の発生を防止する観点から改善基準告示の見直しを行うなど必要な施策の検討を進めること」が盛り込まれたことから、改善基準告示の見直しに向け、専門委員会が設置されたもの。