今後20年の道路政策についてビジョン素案審議「LaaS実現目指す」 物流への対応盛り込む 社整審道路分科会基本政策部会
社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会は20日、東京都千代田区の国土交通省で第72回会合を開き、今後おおむね20年間の道路政策の方向性を提案するビジョンの素案について審議。物流への対応については、最適な搬送手段の選択が可能となる「Logistics as a Service」(LaaS)を実現するとしている。旅客輸送の分野では、スマートフォンなどから検索~予約~支払いを一度に行えるようにして、ユーザーの利便性を高めたり、移動の効率化により都市部での交通渋滞や環境問題、地方での交通弱者対策などの問題の解決に役立てようとする考え方「Mobility as a Service」(MaaS)の展開が進んでいるが、LaaSもIoTやAIなどの新技術の進展による「物流のインターネット化」を念頭に、あらゆる施設や手段を共有した最適ルートでの輸送を実現するものとして期待される。
「人口減少時代に交流と交易により持続的な発展を遂げる日本」との仮称が付けられたビジョンの素案は、おおむね20年後の日本社会を見据え、人・社会と道路の関係を見直すことを念頭に構成。道路政策に関するビジョンの策定作業は2002年以来となる。
物流関連については、「幹線道路ネットワークにおけるトラック隊列走行やラストマイルにおけるロボットやドローン配送等により物流システムの省人化を図るとともに、最適な搬送手段の選択が可能となるLogistics as a Serviceを実現する」としており、具体的なイメージとして①物流のインターネット化により、あらゆる施設や手段を共有して最適ルートで運ぶLaaSを実現②幹線物流を担う高速道路に専用走行空間とそれに直結するインフラ(連結・解除拠点、休憩スペース等)を整備し、トラック隊列走行を実現③ラストマイル輸送において、無人配送ビークル等の移動を可能とする道路空間を整備―を挙げている。