事前登録で許可不要の新制度の創設検討、特車の通行許可に関する今後の方向性承認 社整審道路分科会物流小委
社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会物流小委員会は10月29日、東京都千代田区の国土交通省で第20回会合を開き、特車通行許可の審議日数短縮に向けた新たな制度の確立など、今後の方向性を固めた。
特車通行許可は、2020年までに平均審査日数を10日程度とする目標を掲げている。一方でドライバー不足による車両の大型化などにより、近年は申請・許可件数ともに増加傾向にあり、審査日数も自動審査システムで完結し国が一括審査を行えるものは8.5日となっている反面、地方公共団体との協議が発生する(自動審査システムで完結しない)ものは35.7日を要しており、全体でも28.5日と目標達成は厳しい状況だ。このため国土交通省は、事前審査を重視する従来のやり方から、ICTを活用した走行確認を重視するスタイルへ転換させ、目標達成を目指す方向性を示した。
具体的には①自動審査の拡大・機能向上②新たな制度の創設による手続きの簡素化・国への一元化③事業者による重量確認の取り組み等の後押し④取り締まりの強化等による過積載の抑止―の四つの施策を用意。
①では申請件数が多い地方道について国が代行して電子データ化を進めるとともに、21年度から新たな申請・審査システムを稼働させ、全ての通行可能経路の一括表示や過去の許可実績のデータベース化などによる実質的な通行可能経路の拡大を実現。
これを踏まえ②として、道路法の改正や外部機関との連携も視野に入れ、現行の制度と併存する形で、事前登録した車両が許可を受けることなく通行可能経路を通行できる制度の創設を検討する。登録はETC2.0の搭載や、OBW(車載型重量計)による重量報告等を要件とするイメージ。併せてOBWの開発・普及促進などを進める。
委員からは、外部機関や過積載情報の共有化について質問があがり、このうち外部機関については、事務局が委託する業務内容まで含めて今後検討していくと回答。これらの質疑を踏まえ、小委員会として今後の方向性を承認した。