台風19号の被災地へ支援物資輸送を展開、国はプッシュ型実施 全ト協・地方ト協
12日夜から翌13日朝にかけて日本列島を南北に縦断した台風19号は、関東・甲信越・東北の各地方に甚大な被害をもたらした。国土交通省によれば18日午前5時現在、高速道路4路線4区間、直轄国道3路線7区間、補助国道28路線44区間などの被災・通行止めが発生している。
トラック関係では、73事業者で営業所、車両等の浸水被害があったほか、宅配4事業者で東日本を中心に集配遅延等が発生している。
鉄道も一部区間が不通となり、JR貨物と鉄道利用運送(通運)事業者が代行輸送を展開している。
そうした中、内閣府は支援物資のプッシュ型輸送を行うため、長野・栃木・茨城・福島・宮城の各県の1次集積拠点向けに、食料品・水・毛布・段ボールベッドなどの輸送手配を実施するとともに、リエゾン(物流専門家)を派遣し、受け入れのための連絡調整を実施している。
全日本トラック協会や各県トラック協会は被災地に向け、緊急物資輸送を実施している(左表参照)。
国土交通省は17日、台風19号の被災地域に関係する貨物の運搬等について、特殊車両通行許可の処理を最優先に行い、迅速な許可証交付につなげる運用を開始した。
また、16日には各運輸支局等と全日本トラック協会に対し、水没等により車両が使用不能となった場合や不通区間における鉄道コンテナシャシーによる代替輸送を実施する場合は、一時的かつ緊急的な措置として①自社営業所間の車両移動に伴う事業計画変更の手続等について事後手続 (事後届出等)によることを可能とする②使用不能となった車両に代替する車両について、事前に事業計画変更届出を行うことによりレンタカーによる増車を可能とする―など、貨物自動車運送事業法の柔軟な運用を含め最大限の支援を行うとする通達を発出した。