生鮮食品など対象とした来年度生産性向上労働時間改善懇談会立ち上げへ、アドバンス事業の対象品目を報告 中央協議会等
国土交通省等は9日、東京都千代田区の中央合同庁舎で第11回トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会と第10回トラック運送業の生産性向上協議会の合同会議を開催し、本年度各地方協議会で実施する「アドバンス事業」の対象品目などを報告するとともに、来年度は「生鮮食品」と「飲料・酒」について生産性向上・トラックドライバー労働時間改善懇談会を立ち上げ、課題整理や改善策の検討を行うことを決めた。
会議ではまず、国土交通省・厚生労働省・農林水産省の担当者が、トラック運送業の働き方改革に向けた最近の取り組みなどについて報告を行った。
国交省は、「ホワイト物流」推進運動で9月末現在、約550社が自主行動宣言を提出していることや、「運転者職場環境良好度認証制度」について本年度中の申請募集開始に向けた準備を進めていることなどを紹介。改正貨物自動車運送事業法に盛り込まれた標準的運賃については、可能な限り早期の告示に向けて、現在作業を進めていることなどを説明した。
説明に対し委員からは、「標準的運賃は、必要なコストを個別に積み上げて提示する形になるのか」との質問が出されたが、国交省自動車局の伊地知英己貨物課長は、「積み上げた形にするかどうかについては、まだ決まっていない」と回答し、現段階では具体的な提示方法について決定していないことを明らかにした。
厚生労働省の担当者は、昨年策定した「荷主と運送事業者の協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン」の周知などを目的に、全国で合計50回セミナーを開催する予定であることや、来年度予算概算要求で自動車運転者の長時間労働改善などの関連予算で1億5千万円を要求したことなどを説明。
農林水産省からは、手荷役作業が発生しやすく、小ロット多頻度輸送が多いことなどから、運送事業者に敬遠される事例が出てきているとされる食品流通について、サプライチェーン全体の最適化などを目的とした「食品流通合理化検討会」を、経産省・国交省・発着荷主関係団体・運送事業関係団体などをメンバーとして設置する計画であることなどが紹介された。