20年度予算概算要求の内容を公表 手待ち時間改善懇談会で対象品目拡大へ トラック事業での働き方改革加速も 国交省
国土交通省は8月28日、2020年度予算概算要求の内容を公表。自動車局関連では、トラック事業での働き方改革推進として19年度予算比29%増の2億円を要求している。
国土交通省全体の一般会計要求額は、「防災・減災、国土強靭化3ヵ年緊急対策」や東京オリンピック・パラリンピック開催後の経済好循環の維持・拡大に向けた関連予算などにより、10年ぶりに7兆円台となる7兆101億円で、19年度予算比で18%の増額。
自動車局関連は、19年度予算比18%増の24億1900万円で、ASV(先進安全自動車)やドライブレコーダー(ドラレコ)等の導入支援は12%増の11億1千万円、自動車運送事業者に対する監査体制の強化は37%増の7800万円、事業用自動車の重大事故に関する事故調査機能の強化は5%増の6700万円、健康起因事故防止のために運転者向けスクリーニング検査の普及促進は17%増の5400万円となっている。
ASV導入支援では、これまでの衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱防止警報装置、車両安定性制御装置、ドライバー異常時対応システム、先進ライト、側方衝突警報装置に、可変式速度超過防止装置を新たに対象に加えた上で、導入費用の2分の1を補助。デジタル式運行記録計・ドラレコについては、導入費用の3分の1、過労運転防止のための先進機器の導入補助では「ITを活用した遠隔地における点呼機器」「運転者の疲労状態を測定する機器」「運転者の睡眠状態等を測定する機器」を対象に、費用の2分の1を補助する。
また、ドラレコなどを活用した社内安全教育の実施に対しては費用の3分の1を補助する。
事業用自動車に対する監査体制の強化では、民間指定機関による巡回指導との連携強化を進めるほか、監査業務の効率化を図るため、ICT(タブレット)を導入し、監査実施場所と本省・地方運輸局を通信で結び、情報の共有を図る。
トラック事業での働き方改革推進では、19年度に加工食品、住宅用資材、紙・パルプで開催してきた手待ち時間改善に向けた懇談会を、その他の品目についても開催するとともに、荷待ち・荷役・労働時間などに関する実態調査を行う。
環境関連では、電気・ハイブリッドトラックなどに補助を行う地域交通のグリーン化に向けた次世自動車の普及促進で50%増の7億9400万円を要求しているほか、大型車の低炭素化に向けた長期的な対策の推進としてICT技術活用によるソフト対策などの調査・検討として新規に3千万円を盛り込んでいる。